[KATARIBE 17134] [HA06N] 『つけ髭とモールと彫像猫』

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Date: Sat, 25 Dec 1999 00:20:28 +0900
From: 不観樹露生 <fukanju@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 17134] [HA06N] 『つけ髭とモールと彫像猫』
To: ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <38638F3C0.3309FUKANJU@sv.trpg.net>
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ども〜〜。不観樹露生@クリスマスはサーバいぢり です。はい。

 メリークリスマス〜〜〜
 というわけで、
 麻樹と彫像猫のるりるりのクリスマスです(笑)

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『つけ髭とモールと彫像猫』
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小児科病棟
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「おやすみ。佳き夢を」
 後ろ手に扉を閉める。
 最後の一室。
 そして、白いつけ髭をとる。
 赤い帽子を外す。
 唇から。少しだけ華やかに、ジングルベルが流れ。
「狭淵先生、お疲れさまでした」
 各部署で一番若い研修医の伝統。
 サンタの扮装。
「ん」
 小児科病棟の廊下の飾り付け。
 子供にはクリスマスを祝われる権利がある。
 宿直室へと歩きながら、扮装を看護婦に手渡す。
 コートへと着替える。今日はこれで上がりだ。
 宿直室の扉を開けたところで。
「さーぶちせんせっ」
 一番若い看護婦。
「ん?」
「メリークリスマスっ」
 笑み。
 あぁ、確かに。この国では万民に祝う権利がある。
「そうだな。佳き聖夜を」
 異国の神を全て受け容れてきたこの国では。
 肩を。すくめよう。



駐車場
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 通用口。守衛氏に軽く頭を下げて。
「メリークリスマス」
 と軽く声をかけられながら。駐車場へと出る。
 ボンネットの上に白い小さな影が居たような気がした。
 いや、それとも月の反射か。
 ぼろぐるま11号の扉を開ける。
 身体を運転席にねじ込む。
 シートに体重を預ける。
 リクライニングさせて。目を閉じる。
 わずかに。
 気配。目を開ける。

 ダッシュボードに先日から置きっぱなしの白猫の彫像。

 取り上げてみる。肢の部分にわずかに泥が付いている。
 先日からボンネットの上に猫の足跡がよくつくような気はしてい
たのだ。
 少々考えてみる。問題は………特に無い。
「ま、いっか」
 小さく口の中で呟く。コートの中からハンカチをとりだして。
 肢を拭いてやる。
「足は出きれば拭いてから入るようにしてくれるとありがたい」
 ハンカチを仕舞いかけて。コートのポケットの中。
 緑色のモール。赤いリボン。金色の鈴。
 動こうとしない彫像猫の首にかけてやって。
 ちと大きすぎるが。まぁいいだろう。
「佳き聖夜を」
 猫にもクリスマスを祝う権利がる。
 もちろん彫像猫にも。

                           (Fin.)

登場人物
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狭淵麻樹(さぶち・まき)
    :吹利中央病院の研修医。
るりるり
    :彫像猫。麻樹の愛車を住居とする。

時系列
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1999年12月24日、深夜。

解説
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 クリスマスイブの深夜。麻樹と彫像猫のるりるりとの一コマ。
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 てなわけで。

 では。みなさま、佳き聖夜を(笑)


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不観樹露生(ふかんじゅ・ろせい)    12月の標語
fukanju@trpg.net      この世の中に不思議じゃない物など
UIN:21125410            何一つ存在しない。
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