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Date: Wed, 22 Dec 1999 02:45:14 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 17087] Re:[HA06P] 『早朝の練拳』完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199912211745.CAA08423@mailsv1.dricas.com>
X-Mail-Count: 17087
吉GUYです。
以前に投げたときは『早朝の練拳』としましたが、『道』と改題します。
********************************************エピソード『道』
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登場人物
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金元吉武(かなもと・よしたけ)
:朝っぱらから人気の無い場所で練習する武術家。
早朝
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鼻からゆっくりと息を吸い込む。朝の冷えた空気が、肺の中を一杯にする。心
地が良い。体温で温まった空気を、今度は鼻から吐く、同時に下腹に意識を集中
し、気を落とす。へその下で合わせた左右の縦拳を下ろし、曲げた膝をのばす。
吉武の周囲には地面をえぐる無数の足跡が残っていた。
小架式の鍛錬を終わらせ、そのまま成人男性の胴回り程の太さの樹の傍まで歩
く。
右手を肩の高さまで上げ、腕を伸ばし指先で軽く幹に触れる。前に構えた右脚
のかかとを軽く浮かして、後ろに構えた左脚に重心を預ける。
右掌底と樹の幹までの距離は数センチ。
吉武 :……ッ
地面を踏み締める音と、掌が幹を撃つ音が冷えた空気の中に響く。
吉武 :(……まだまだだ。)
掌を撃ち込んだ樹を見上げる。
老師の言葉が頭に浮かぶ。
吉武 :(「全てを理解することは不可能だ。」)
木の葉が一枚、枝を離れる。
吉武 :(「だが、理解する努力を止めてはならない。」)
通勤や通学の人間が現れる時刻になった。今朝の鍛錬はここまで。
吉武 :(極める程に、知らぬこと解らぬことが増えてゆく……)
きびすを返し、樹から離れる。
SE : ザザザザザザ……
掌を撃ち込んだ樹の枝々が、思い出した様に揺れ始め、次々と葉が落ちる。
吉武 :(だから、この道を進む甲斐がある……さあ、帰ったら
:朝飯だ。)
枝の揺れと葉の落下はまだおさまらない。吉武は、足の十指で地面を握り掴む
独特の歩き方でこの場を去った。
彼が姿を消した頃、枝の揺れもおさまり、樹の周りには無数の葉が落ちていた
。
解説
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吉武の朝の練習風景その1
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完全版って、こんなんでいいんですか?
吉GUY
ji-guy@dike.dricas.com