[KATARIBE 17072] [HA06P] 『大きすぎるプレゼント(仮)』続き

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Date: Tue, 21 Dec 1999 15:40:50 +0900 (JST)
From: 勇魚  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17072] [HA06P] 『大きすぎるプレゼント(仮)』続き 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199912210640.PAA29226@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 17072

99年12月21日:15時40分50秒
Sub:[HA06P]『大きすぎるプレゼント(仮)』続き:
From:勇魚


こんにちは、勇魚です。
関係者のみなさま、こんにちは。
ごんべさん、一行ログ切りありがとうございました!

…というわけで(途中経過がちょっと飛んでますが)
もみの木人間化後のひと騒動、いきます。

このシーンの前には、
・どうやって木を運ぶかの計画
・下見
などのシーンが入ると思われます。

一応、時間設定はある程度の夜更けとしてありますが、これは変えてもよいと思います。


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とっくに閉めた店の中で、ユラは何やら忙しく立ち働いている。
スパイスを取り、量り、袋につめ、それを次々と鞄に放り込む。

ユラ    :「冷え込みそうだしなぁ…これくらいは使うかな。
        向こうへのお土産分もあるし…」

ちりり、とレジの脇の目覚ましが鳴った。

ユラ    :「…っと、よし!」

勢いよく立ち上がり、コートを着込む。鞄を背負うと、

ユラ    :「マヤ、行くよ!」

黒猫はちょいと外をうかがって不満そうに鼻を鳴らすと、するりとコートの懐に潜り込んだ。

外は、満天の星。風が白い。腕時計をちらちらと見ながら急ぐユラのコートがはためき、
どお、と枝の塊が鳴った。

目的地に着いたのは、時間に2分遅れ。
誰かいないか、と見回したとき、マヤが懐からひょいと飛び出した。

マヤ    :「ふぅ…!(急いで!)」

そのまま、暗がりに駆け込む。慌てて後を追う。がさがさ、と木立をかき分けながら進むと、
急に目の前が、かぽん、と明るくなって、

ユラ    :「え…きゃぁ!」

小さくて勢いのいい塊と正面衝突した。

少年    :「みーみーみー!!」
ユラ    :「ふえ…」
譲羽    :「ぢ…ぢいぢい!」

右往左往する大人達の輪の中をばたばた走り回る少年…見たところ小学生になるかならないかくらい…な…と、人形。

ユラ    :「ええとつまりその…」
前野    :「待て、こら、おいっ」

抜かした腰をマヤの前足に思いっきりはたかれて、どうやら我に帰って…了解した。

少年    :「みー!!(遊ぶんだぁ!)」
譲羽    :「ぢぃ!(だめなのっ)」

前野の手をひょい、とすり抜けて逃げ出した少年を、とてとて、と先回りした譲羽がぱしこん、とはたく。

譲羽    :「ぢいぢいぢいっ(ちゃんと、行くとこに行くのっ)」

立ちふさがって…えらそうに胸をはる譲羽。ただしその視線ははるか上を見上げている。

少年    :「みーみー(だってもっとあそびたいんだもんっ)」

ふくれっつらでぱたぱた、と地団駄を踏む少年。ぶんぶん、と譲羽は首を横に振る。

譲羽    :「ぢいぢいっ(だめなのっ。ちゃんと、いうこときくのっ)」
煖     :「ほらほら、おねーさんは年下にはもっと優しくしなくっちゃ(くすくす)」
少年    :「みいいっ、みいいいいっ(ねーあそぼーよー)」
譲羽    :「ぢいっ(ちゃんと、行くのっ)」
前野    :「………(大変なことになっているな……)」

目の前で、前野が疲れた溜め息をついた。

ユラ    :「…と。」

とりあえず、頼んでみるか。馴染みのない木たちだけど、この際、なんとかなるだろう。
ユラは傍らの桜の老木の枝をちょいちょい、とひっぱって何ごとか囁いた。

幸い、面倒見のいい木立で、とたんに周囲の木々がざわめきはじめる。

ざわざわ、ざわざわ…(ほら、坊、やんちゃをするもんでないよ…)
ざわざわ、ざわざわ…(ああ、そっちへいっちゃだめだっていわれてるでしょうに…)

少年    :「みー(つまんないよ〜〜〜あそぶの〜〜)」

泣きべそ顔。逆効果。

ユラ    :「(しまったっ…他に頼む相手は…おお、通りすがりのコウモリっ)」

コウモリ、すなわち飛びネヅミだから、というわけでもないだろうが、
こちらもえらく協力的で、

コウモリ  :「………(この人たちとおいで。そこで、遊べるよ)」

とたんに、少年、にっと笑う。すかさず、

煖     :「早く行かないと、時間がきれちゃいますよ〜動けなくなっちゃいますよ〜?」
少年    :「みーみー(あそぶ〜☆)」

さすが、上手い。とてとて、と御機嫌で走りだす…が。

ユラ    :「ああ動いてくれた…こら、そこの立ち木っ、頼むからこの子呼び止めないでっっ
        あああ勝手に行っちゃだめぇぇぇ」
祐司    :「あの…まだ残ってる学生が怪しみますからっ……(大汗)」
少年    :「みー(ぶーんーーーー)」
前野    :「こらー、先に行くと道に迷うぞ(汗)」

結局もとの右往左往に戻っただけである。
それでも、金のがちょうよろしくもみの木少年を囲んだ一群はある方向にむかって動いて行き、

少年    :「みーーー(わーい!)」
譲羽    :「ぢいっ(だめなのーっ)」
マヤ    :「にいにいにいっ(こっちこっちこっち!)」
前野    :「こーら、この悪戯ぼうずめ(苦笑)」

止まっていたライトバンの前で、とうとう前野が少年を抱き上げ、

前野    :「ほーら、もう逃がさないからな」
少年    :「みーっ」

じたばた、と暴れる少年は、前野から祐司の腕にひょい、と押し込まれた。

前野    :「すみません先生、むこうまでこの子お願いします」
祐司    :「えっ…!?あ、はいっ」

煖がひらりと後部座席のドアを開け、祐司の後からさっさと乗り込む。

煖     :「ほら、車ですよ〜。めずらしいでしょう(にっこり)」
少年    :「みーーーー?(車?)」

少年があたりを見回しているうちに譲羽を抱いた花澄が助手席に乗り込み、ユラが荷台によじ登る。

ユラ    :「はい、前野さん、準備オッケーですっ…と…」

何か思い出したようにうなづくと、ユラはマヤを窓から後部座席にひょい、と放り込んだ。

ユラ    :「マヤ、あんた彼の遊び相手ねっ。しっかりやってくるのよ、
        泣いてもきこえないからねっ」
マヤ    :「ふにぃぃぃっ(待ちなさいユラ、どういうつもり!?)」

抗議の声のしっぽは半分悲鳴。
そのままライトバンは走り出した。

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とまぁ、こんなところで。
ほとんど素体って感じなので、がんがん加筆修正お願いします>関係者各位

ではまた。



    

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