[KATARIBE 17040] [HA06EP] 「明けない、夜」続き

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Date: Mon, 20 Dec 1999 11:35:03 +0900 (JST)
From: 勇魚  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 17040] [HA06EP] 「明けない、夜」続き 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199912200235.LAA06590@www.mahoroba.ne.jp>
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X-Mail-Count: 17040

99年12月20日:11時35分03秒
Sub:[HA06EP]「明けない、夜」続き:
From:勇魚


こんにちは、勇魚です。
関係者のみなさま、こんにちは。
ずいぶん前に流したんだけど消滅しちゃったらしい、
「明けない、夜」の続きいきます。

えと、前野さんがダウンした一氏を抱えて(抱えさせて?)
グリーングラスに向かうところの続きです。

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グリーングラス、ユラの私室。
美樹と入れ替わりにユラがベッドに倒れこんで、まだ10分もたたない。

浅い寝息をたてるユラの枕もとで、不意に電話の呼び出しが鳴った。

ユラ    :「…はい。…前野さん!?」

瞬時に、声の裏に氷の刃が裏うちされる。背が、跳ね起きた。

ユラ    :「…はい、…ええ。……ええ…そう、キノエちゃんとキノトちゃんが…
        ええ。わかりました。大丈夫です」

小さく息をつき、自分にも言い聞かせるように、

ユラ    :「わかりました、引き受けます。二階直通の階段から、
        あがっていただけます?もし、気がつかないようでしたら、できれば
        私の部屋まで。今、ちょっと、あいつを担ぐ体力、ないもので」

受話器を手にしたまま、ベッドから滑り降りる。明りをつけ、板の間に出る。

ユラ    :「衰弱してたりは…ああ、そっちのほうは、大丈夫なんですね。
        ショックだけ…たぶん?ええ。大丈夫です。運んでください」

声の上ずりを飲み込む。

ユラ    :「目を覚ましたら、伝言お願いできますか」

ひくり、と喉が震えるのを肩で抑え込み、

ユラ    :「思い上がるな、…それと」

奥歯をきりりと軋ませ、

ユラ    :「ひとりで思い決めるな、って」

吐息。電話の切れる音。もう一度息をつく。
それから、和室の襖の向こうに、私、起きました、もうひとりお客がふえるらしいから、
と声をかけた。
襖の向こうから、少し緊張が揺らいだ気配。そして、はい、という応え。

とりあえず湯を沸かし、氷の準備をし、
消毒薬やら何やらを少し板の間のほうにも出してきて…客に備える。

ユラ    :「まったく…」

眉根を歪め、かすかに首を振る…けれど。

ユラ    :「馬鹿は、馬鹿だからね」

苦い刺を飲み込むように、つぶやいた。

…来客を告げるベルが鳴った。

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…とまぁ。こんなところで。
加筆修正などありましたら、どうぞよろしくです。

ではまた。



    

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