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Date: Fri, 17 Dec 1999 18:57:36 +0900
From: 瑠璃 <lurimu@geocities.co.jp>
Subject: [KATARIBE 17014] [HA06P] 『れっつ ふぁらんどーるっ☆(仮)』 編集版1
To: kataribe-ml@trpg.net
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こんばんは〜、瑠璃@あいもかわらず現実逃避っ♪ です〜。
ふぁらんどーるっ☆ まとめなおしてみました。
見落としやキャラの名前の間違い等あったらごめんなさいm(__)m
しかしっ。
18人もいたのかあ……(汗)>関係キャラ
大きいので二つに分割しました。
まずは、前日までの部分。
そーそー、かけるさん、風見アパートでのシーンに割り込むと、
話に加わりやすいかも(^^;
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エピソード『れっつ ふぁらんど〜るっ☆(仮)』
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登場人物
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水瀬璃慧(みなせ・あきえ):
:創作に勤しむ言霊使いの高校生。最近オーケストラ部に入った。
白月悠(しらつき・はるか):
:璃慧のクラスメイト。
:璃慧をオーケストラ部にひっぱりこんだ張本人。
雪丘望(ゆきおか・のぞむ):
:オケラのバイオリン担当
:バイオリン弾くと人格変わるといわれてるけど、自覚無し
平塚英一(ひらつか・えいいち):
平塚花澄(ひらつか・かすみ):
伊佐見由摩(いさみ・ゆま):
大河萌(おおかわ・もえ):
芦木真美(あしき・まみ):
金元吉武(かなもと・よしたけ):
富良名裕也(ふらな・ゆうや):
八神敦(やつかみ・あつし):
佐古田真一(さこた・しんいち):
里見鏡介(さとみ・きょうすけ)
本宮和久(もとみや・かずひさ):
如月刹那(きさらぎ・せつな):
兼澤圭人(かねさわ・けいと):
狭淵美樹(さぶち・みき):
蒼月かける(あおつき・かける):
管弦楽の季節到来
----------------
某日、瑞鶴。
どんどんと秋が進んでゆく午後。
不意に、にゃあ、と猫が鳴いて起き上がり、本棚の前へと移動する。
それが前触れであるように、からからと硝子戸が開いて。
花澄 :「いらっしゃいませ」
するっと入ってきた背の高い少女は、ちょっと戸惑ったように立ち止まった。
女生徒 :「あ、と。あの……店長さんいらっしゃいますか?」
店長 :「はい?」
女生徒 :「このポスターなんですが」
くるくると丸めてあった紙を広げる。
店長 :「『吹利学校高等部管弦楽部秋季定期演奏会』……ああ、
:もうそんな季節ですか(笑)」
女生徒 :「それですみません、これを張らせて頂けますか?」
店長 :「ああどうぞ。そこの……そちらの棚の横のほうが、レジ
:の前よりも見やすいかな」
女生徒 :「すみません」
棚に貼ってあった、文庫、漫画の新刊案内を、別の棚へと移動して。
店長 :「花澄、セロテープ」
花澄 :「はいはい」
目線より少し高い位置に、丁寧に紙を伸ばしながら張りつける。
ホルンとヴァイオリンを組み合せた図柄が、丁度中世のイコンにありそうな
文様じみて見えた。
女生徒 :「あと、これなんですが……」
店長 :「?」
鞄から、細長い封筒を引っ張り出して。
女生徒 :「これ、チケットなんですが」
店長 :「これがないと入れませんか?」
女生徒 :「はい、一応」
店長 :「と、すると、これはポスターのところに置いといた方が
:いいのか……」
ちょっと考えてから、店長はポスターに向き直った。
店長 :「花澄、これよりもう一回り大きな封筒あったっけ?」
花澄 :「えーと……あ、はいはい」
レジの後ろから引っ張り出した少し厚手の封筒の上部を、ハサミでざっくり
と切り取る。まずその封筒をポスターの斜め下に張ってから、店長は受け取っ
たチケットをその封筒に入れた。
花澄 :「店長、その封筒に、御自由にお取り下さいって書いたほ
:うが良くないですか?」
店長 :「あ、そうか」
茶色の封筒に、出来るだけ大きな字で書き込んで。
店長 :「公演日は……11月6日ですか?それまでこうやって張っ
:ておきますから」
女生徒 :「ありがとうございます」
店長 :「その後は、こちらで剥がしておきますが……ポスター回
:収されますか?」
女生徒 :「いえ、そのまま捨てちゃってください」
店長 :「はい」
有難うございます、と、はずみを付けるように、女生徒が頭を下げた。
花澄 :「あの、貴方も何か演奏されるんですか?」
女生徒 :「はい、ヴァイオリンを」
花澄 :「わ、凄い……」
その昔、「ヴァイオリンなんて、体が大きくなる度に買い替えないといけな
い楽器は習わせられません」と言われて以来。
どうも花澄にはヴァイオリンコンプレックスがあるらしい(笑)
花澄 :「演奏、頑張って下さいね(にこにこ)」
女生徒 :「ありがとうございます」
長身を柔らかく曲げて、もう一度お辞儀をすると、女生徒は硝子戸を丁寧に
滑らせて出ていった。
花澄 :「……もう、そういう時期なんだ(笑)」
店長 :「演奏会の秋、かな」
すこしめくれたポスターの端を押さえつけて。
店長 :「今年くらいは、聞きにいってみたいな」
花澄 :「あ。じゃ、店番してるけど?」
店長 :「土曜日の……3時か。そう長い時間でもないし……頼も
:うか」
花澄 :「了解(笑)」
ある日の休み時間……
--------------------
由摩は、ふと職員室前の掲示板のところを通りかかる。
何気に、掲示板を見ると、一つのビラが目に入った。
由摩 :「……んーと、高等部で秋の演奏会……ふーん……」
演奏会は、高等部のオーケストラ部がメインで演奏するらしい。
もっとも、普段から音楽に親しんでない由摩にとっては、あまり興味のない話
かも知れない。
由摩は、そのまま立ち去ろうとすると、ふと何かが思い浮かんだ。
由摩 :「……あっ、そうだっ!!」
そして、由摩はスキップを踏みながら教室へと戻っていった。
教室……
--------
午前中の授業が終わって、今度は給食の時間。
由摩は、いつもの様に、萌と真実と共に給食を取ることにした。
由摩 :「ねえねえ、萌ちゃん。」
萌 :「なーに?」
由摩 :「今度の土曜日に、高等部で演奏会があるんだってっ♪」
萌 :「ふーん……で、由摩ちゃんは行く気なの?」
由摩 :「うんっ、行くよっ☆」
萌 :「由摩ちゃんって、そういうの興味あったんだ」
由摩 :「ぜーんぜんっ♪」
萌と真実は、一緒にズッコける。
萌 :「えっ(汗)……じゃあ、何で行くの?……知り合いがいると
:か?」
由摩 :「ううん、そーじゃなくて……ほら……」
由摩は、そう言うと、二人を手で合図して耳打ちする。
由摩 :「高等部ってさ、まだ探検してないじゃん♪」
萌 :「……やっぱり、そういうことなの(汗)」
由摩 :「うんっ♪、そーいうこと、そーいうこと。」
由摩は、クスクスッと微笑んで、パンをひとかじりする。
萌は、由摩が好奇心旺盛なのは知っていた。
つまり、演奏会を口実に、高等部を見学するということなのだ。
由摩 :「ねっ?グッドアイデアでしょ?(くすくすっ)」
萌 :「うーん……面白そうだね(にこっ)」
由摩 :「真実ちゃんはどうする?一緒に行く?」
真実 :「うーん……私、土曜日用事があるの……」
萌 :「そう……残念だね……」
真実 :「ごめんね……」
由摩 :「ううん、気にしないでよっ」
萌 :「じゃあ、土曜日に高等部探検だねっ(にこっ)」
由摩 :「ううん、『演奏会』に行くのよっ、もっとも、『迷ってあっ
:ちこっち行く』かもしれないけどねっ♪」
こうして、給食の楽しいひと時は過ぎていった。
芸術の秋ですから
----------------
フラナ :「花澄さん、これお願いっ(^^)」
花澄 :「はい、税込みで720円になります(にこにこ)」
ほぼ日課のように大学帰りに瑞鶴に立ち寄るフラナである。だからという
わけでもないが、店内の目新しいものにはすぐ反応する。
フラナ :「またポスター増えたんだね」
花澄 :「ああ、吹利学校の定期演奏会のお知らせね」
芸術の秋、食欲の秋、運動の秋。なにかとイベントが多い時期。店内の数
カ所に各団体の学園祭や演奏会の開催の知らせや宣伝ポスターが数枚張られ
ている。
フラナ :「管弦楽部の定期演奏会かぁ……行ってみよっかな」
花澄 :「ああ、そういえば、フラナくんや本宮くん達もみんな高
:校の頃吹奏楽部だったよね。」
フラナ :「うん」
花澄 :「よかったら、本宮くんや佐古田くんにもどうかな?チケ
:ットはまだ余裕あるみたいだから」
フラナ :「ホント?じゃあもとみーの分と佐古田の分と……そうだ!
:アパートのみんなも誘ってみようかなぁ、いい?花澄さん」
花澄 :「行きたい人がいたらそれで構わないし、余ったチケット
:は戻してもらえればいいから大丈夫」
フラナ :「ありがとっ!(^^) じゃあ何枚かもらっていくねっ」
無料券の強さ?
--------------
某日、瑞鶴。夕方頃。
店長 :「じゃ、ちょっと行ってくる」
花澄 :「あ、はいはい」
何やら買い物がある、と、店番を花澄に任せて、店長は店を出る。硝子の引
戸をがらりと開けて外に出かけ……て
店長 :「あ、失礼」
いえ、と、小さく呟いて、ぶつかりかけた相手は、入れ違いに瑞鶴に入って
きた。
どちらかというと小柄な、若い……とは分かる男性。灰色の……どうやら人
民服と、ハンチング。そして、丸い黒眼鏡。
ひどく、姿勢が良い。
花澄 :「いらっしゃいませ」
ひょい、と、お客は頭を上下に動かした。
反射的な動きだった。
そのまま、するっと本棚のほうにまわる。
その動きが。
非常に歯切れが良い。たんたん、と、大きく歩いて、ぱしんと足を止める。
花澄 :(……何か、拳法みたいなのやってる人なのかなあ)
この辺り、花澄の感想もいい加減である。人民服と、足元のすぼまったズボ
ン、そしてきっちりと後ろで束ねられた髪の毛に、その動きの特徴が相まって、
その手の……言わば、香港映画的な連想をしたに過ぎない。
とりあえず、客は彼一人しかいない。自然花澄の観察も、一人に絞られる。
と……
花澄 :(?)
お客が本棚の前で立ち止まり、驚いたように本に顔を近づける。この風景は
実のところ瑞鶴では珍しくない。大概の場合、お客は見つけた本をにこにこし
ながら引っ張り出し、やあ、ここでこんな本があるとは、と、呟きながらレジ
にやってくる。
……が。
本を引っ張り出す、までは、このお客もやったのである。しかし、その動き
がはたと止まり、またその本をあったところに押し込む。一歩去りかけて、ま
た本に手を掛け、手を放す。また手を掛け、ぐっと引きだし……そしてまた戻
す。今度は半分戻しかけたところでまた手の動きを反転させる。
花澄 :(……うーん(^^;;)
その一つ一つの動きが、これまたひどく歯切れが良い。ぴしぴしと止まると
ころで止まり、動くところは直線的に動く。
花澄 :(……何だか、音頭踊ってるみたい)
その手のくだらない想像は、一度思いつくとなかなかに頭を去らないもので。
本を押して、戻す。すぐさま手が本から離れ……かけてまた戻り、また引っ
張り出す。今度はしっかり掴んで、数歩本棚を離れかけ……たかと思うと、ま
たたんたんと足を戻す。その手がぴっと動いて本棚に向かう。細い隙間に本が
吸い込まれるように戻り……かけ、また止まる。
黒眼鏡着用の為、表情が読めない為もあるだろう。本に執着しているんだか
してないんだか、顔を見てわかりにくいのだ。故に、余計にその動きが……
……踊りを連想させるのだろう。
一度思いついてしまうと、その手の莫迦げた発想は頭に染み付くもので。
花澄 :(^^;;)
まあ、人が逡巡する様を見ているのは、面白いといえば面白いものだが、し
かしあまり趣味の良いことでもない。まして、その原因に大概思い当たるとこ
ろがある場合……そしてそれに対処することが出来る場合、ただ見ているのは
少々人が悪いというものだろう。
花澄 :「……あの」
びく、と、お客が本から手を放す。慌てて歩を進めようとするのを、花澄の
ほうも慌てて止めた。
花澄 :「あの、何でしたらその本、お取り置きしておきますが?」
お客 :「は?」
花澄 :「ご都合の良い時に、取りに来てくださればこちらはそれ
:まで預かりますし、もし、必要ないようでしたらご連絡下
:されば結構ですから」
時折、常連達はこの手の「キープ」をやらかす。専門の本は、幾ら発行当時
のものとはいえ、それなりの値段がついている。ぱっと持ち合わせがない場合、
預かってください、の一言と一緒に、大概面々は近くの銀行か郵便局まで駆け
飛んでゆくことになる。
お客 :「………じゃ……お願いします」
花澄 :「はい」
布張りの本を受け取ってレジに戻る。
花澄 :「あ、申し訳ありません、お客様のお名前を」
お客 :「はい」
渡された紙に、ボールペンでさらさらと書き付けられた名前。
金元吉武、と、書かれた紙を輪ゴムで本に止めつける。
お客 :「どれくらい、取っておいてもらえますか」
花澄 :「さあ……一年二年となると、こちらもお約束しかねます
:が、一月二月くらいなら(にこにこ)」
さっと題名を見てみる。拳譜、との単語だけは何となく察しがつくのだが、
他の単語についてはちょっと意味不明である。
あまり人気のある本でもなかろう。
お客 :「わかりました」
では、と、一礼して踵を返し……かけて、ふと、歩みが止まった。
視線の向きを見て、ああ、と、花澄は合点する。
花澄 :「あ、それ、吹利学校高等部の管弦楽部の公演のポスター
:なんです。宜しければどうそ……無料ですから」
ゆらっと前進しかけていた動きが、最後の一言でぴしんと止まる。すっと手
を伸ばし、券を一枚抜き出す。
黒眼鏡のおかげで、やはりその表情は分らない。
花澄 :「また、どうぞ」
今度ははっきりと一礼して、お客が出てゆく。
何とはなしに息を吐いて、花澄は先程の本を眺めた。
昔とった杵柄
------------
風見アパート、玄関にて。
フラナ :「ただいまーっと」
ぱたぱたと履いていた靴を脱いで玄関に置いてあるビニール袋にいれる。
風見アパートにおいて、玄関に脱いだ靴を置きっぱなしにすると、共用の
つっかけとして使っていいという意志表示とみなされ、他住民に問答無用で
使われてしまうのである。
もっとも、フラナの足のサイズにあう住人は他にいないのだが。
フラナ :「八神さんただいまー」
八神 :「おう」
丁度、廊下のコンロでお湯を沸かしている八神がいた。
フラナ :「僕もなんか飲む〜」
八神 :「おう、コーヒーでいいか?インスタントやけど」
フラナ :「うん(^^)」
風見アパートではよくあるヒトコマである。
共同台所にあるのはコインコンロなので、ちょっとお茶を飲もうと言った
時には大概数名の便乗者がでてくる。一つのコンロで人数分のお湯を沸かし
たほうが個別で使うより効率がいいし節約できる。
スパゲッティやうどんを茹でる時にもよく便乗者がでる。
じゃんじゃんじゃじゃん
佐古田 :「…………」
鏡介 :「…………(ぼー)」
なぜか、コンロを見ている男二人。
八神 :「……四人分な」
手馴れているがどこか疲れた顔で余分にマグカップをとりだした。
八神 :「ほれ」
フラナ :「ありがとー(^^)」
佐古田 :「じゃじゃん(ありがとー)」
鏡介 :「温もり……縁遠いもの……」
それぞれの部屋で飲めばいいのに、なぜか廊下に座布団を敷いて茶会が始
まる。人によっては部屋が散らかりすぎて部屋で飲めないという話もある。
フラナ :「あちち……(ふーふー)」
佐古田 :「(ずずっ)」
鏡介 :「(ぼー)……(ごっくん)……(ぼー)」
フラナ :「(ごくん)……あ、そーだ」
八神 :「んー?」
ごそごそとポケットの中からチケットを取り出す。
フラナ :「今日ね、花澄さんとこ行ってこんなチケットもらってき
:ちゃった」
八神 :「えーと、吹利学校管弦楽部、定期演奏会のお誘い…?」
フラナ :「うん、僕高校のとき吹奏楽部だったから、なんか懐かし
:くって(^^)」
八神 :「へー演奏会かー懐かしい響きだなぁー元吹奏楽部員とし
:てはちょっと興味ひかれるな」
フラナ :「え!? 八神さんって吹奏楽部だったの!」
八神 :「……そんなに驚くことか」
フラナ :「だって、ぜーんぜんそんな風に見えないもん」
八神 :「あのな……素で言うな、素で(汗)」
フラナ :「んじゃ八神さんも行く? まだ券一杯あるし」
八神 :「おう」
鏡介 :「…………楽曲、共鳴、共闘……」
最後のは違う。
八神 :「…………(汗)」
フラナ :「……鏡介さんも行く?」
鏡介 :「(しばらくぼー)……いただこうか(にやり)」
アパートメンツ二人追加。
**********************
であであ〜
★☆★☆★☆★☆★
瑠璃(Lurimu)
YHayamine@aol.com
lurimu@geocities.co.jp(ポスぺ入れました〜)
翼ひろげて 〜夢幻界への誘い〜
http://members.aol.com:/lurimu/wing/index.htm
(http://www.geocities.co.jp/Bookend/1229に移転中)