[KATARIBE 16894] [HA06P] EP書き関連:『大きすぎるプレゼント ( 仮) 』まとめ

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Date: Mon, 13 Dec 1999 13:33:28 +0900
From: ごんべ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 16894] [HA06P] EP書き関連:『大きすぎるプレゼント ( 仮) 』まとめ
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199912130433.NAA26569@www.mahoroba.ne.jp>
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99年12月13日:13時33分24秒
Sub:[HA06P] EP書き関連:『大きすぎるプレゼント(仮)』まとめ:
From:ごんべ


 ごんべです。

 「EP書き」企画 "1999年クリスマス" 関連EPの先鋒を務めさせていただいて
おります、クリスマスツリー関連のここまでの分のまとめをお送りします。
 タイトルも仮付けしてみました。


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[HA06P] EP書き企画より『大きすぎるプレゼント(仮)』
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掘り出し物
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 紅雀院大学、文学部構内。
 裏庭の片隅で、とあるものを前に相談している祐司たちの姿があった。

 祐司     :「教授……何ですかこれは(汗)」
 教授     :「ふふふ、すごいだろう」
 祐司     :「一体どうしたんですか(^^;」
 教授     :「11月の発掘ドキュメンタリー番組のプロデューサーがい
        :たろう」
 祐司     :「ああ、東吹利ニュータウンのはずれの発掘ですね」
 教授     :「そう。その時の彼が、別の番組で余った『キズモノ』を
        :手に入れる機会があったらしくてね。手に入れたはいいが
        :処分に困ってたから、譲り受けたんだよ」
 祐司     :「キズモノ……ですか? そうは見えませんけどね」
 教授     :「まあこういうものだからね、キズと言っても些細なもの
        :だろうし大切にすればすぐ治るだろうから。まあ我々とし
        :ては儲けもんだよ(わっはっは)」
 祐司     :「……で、どうするんですか? これを(^^;」
 教授     :「うん。…………どうしようか」
 祐司     :「(^^; 学内に飾るか、個人が引き取るか、でしょうねぇ」
 教授     :「今日明日中に引き取り手を見つけてくれば、そのままそ
        :の人にあげるよ?」
 祐司     :「……本当ですか?」
 教授     :「うん。あまり長引くと、人目に触れて希望者が殺到する
        :だろうからね」
 祐司     :「なるほど………………しかし(汗)」
 教授     :「まあ、無理にと言うものじゃないから(笑)。考えておい
        :てくれたまえ」
 祐司     :「はい、わかりました」
 教授     :「じゃあ、部屋に戻るから。……おお寒」(去っていく)
 祐司     :「…………どうしたもんかなぁ(^^;」


処変わって、瑞鶴
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 商店街の一角、書店瑞鶴。
 近所の店がBGMに鳴らす「そりすべり」のメロディが、低くこちらの店内
にも流れてくる。

 花澄     :「もうすっかりクリスマスだな……」
 店長     :「寒くなると、みんな楽しいことが待ち遠しくなるんじゃ
        :ないか」
 花澄     :「……そういうものですか?」
 店長     :「お前にわかってもらおうとは思わん」
 花澄     :「はあ」

 SE     :からからから

 店長     :「いらっしゃい」
 花澄     :「いらっしゃいませ……ああ、こんにちは(にこ)」
 祐司     :「こんにちは(^^)」
 花澄     :「今日は、もうお仕事は終わられたんですか?」
 祐司     :「いえ、仕事はまだ終わってないんですが……と言うか、
        :今日はどうなるんだろう(^^;」
 店長     :「?」
 花澄     :「??」
 祐司     :「つかぬ事をうかがいますが」
 花澄     :「はい?」
 祐司     :「どなたかお知り合いで、もみの木を1本、引き取ってい
        :ただけるような方はいらっしゃいませんか?(^^;」

 はた。

 花澄     :「……もみの木、一本といいますと……ええと」

 ひょっと、手のひらを頭より高い辺りに出して、

 花澄     :「この程度の、ですか?」
 祐司     :「いえ……かなり大きいんです」
 店長     :「とすると、あれですか?時々デパートとかの前に飾られ
        :てるような、かなりでかい……」
 祐司     :「そうなります……ね(汗)」

 沈黙。
 天使が、のたくたと瑞鶴の天井を往復する。

 祐司     :「……いらっしゃいませんか(汗)」 
 店長     :「いや、それは場所を選びますね……うーん…(思案)…
        :…松蔭堂か……」
 花澄     :「無道邸か、風見アパート」
 店長     :「風見アパート?」
 花澄     :「あそこの玄関前」

 ……門松じゃないっての(汗)

 花澄     :「ぱっと思いつくのはそれくらいですけど……」

 もう一度、沈黙。
 三者三様に腕を組み首をかしげた上を、ころころと天使が戯れている、といっ
た風情。
 …と。

 ユラ     :「…あのぅ…」
 花澄     :「あ、ユラさん」
 ユラ     :「久し振りに顔出してみたら…なんだか困ってらっしゃる
        :から」

 丁度入って来たところに、沈黙がぶつかったらしい。
 首をすくめかげんに笑いながら云いかけ、ユラはあわてて裕司のほうにも会
釈した。

 ユラ     :「あ、初めまして…すみません、お邪魔して
 祐司     :「あ、いえ…」

 こちらも軽く会釈しながら、どなた?と花澄に目で問う。

 花澄     :「あ、こちらいつも来て下さるお客さんで、堀川先生」
 ユラ     :「先生?」(きょとん)
 祐司     :「ああ、どうも初めまして。……いえ、紅雀院大で研究の
        :傍ら教えてるもので。堀川祐司と言います」
 ユラ     :「あ、それで…。なんだか失礼いたしまして。
        :わたし、近くの『グリーングラス』って…ハーブショップ
        :なんですけど、そちらのバイトで、小滝ユラと申します。
        :どうぞよろしく」(ぺこ)
 祐司     :「あ、こちらこそ」(深々)
 ユラ     :「あ、あのそんなっ。わたしも、その、本業は学生ですし
        :(笑)」
 祐司     :「ああいや、そういうわけでは…(苦笑)。
        :ところで、ハーブショップ、というと…クリスマスツリー
        :やなんか、飾ったりなさいますか?」
 ユラ     :「ええそれはもちろん…え、花澄さん?」

 袖を引かれてそちらに振り向くと、花澄は苦笑混じりに小さく首を振っている。

 花澄     :「(だめだめ、あのへんまで、高さ、あるみたいですよ)」
 ユラ     :「(あらららららら。そーりゃ、だめだわ)」

 視線と指先が通りの向かいの二階屋の廂のあたりを差していて、ユラは首を
竦めてちろりと舌を出した。

 ユラ     :「店で扱うには…。中庭には出せるけど」

 あそこ一応プライベートスペースだからみんなに見えないと勿体ないし、と
付け足し、もう一度首をかしげる。

 ユラ     :「あとこのへんで思い付くのは…。付属病院かなぁ、うち
        :の医学部の。小児科の先生とかちっちゃい患者さん達とか、
        :喜ぶと思いますけど」
 花澄     :「ああ、病院…それも、いいかも…」
 ユラ     :「でも、せっかくのツリーだし、このへんのひとたちみん
        :なで暗くなってから見にいけるようなところに落ち着くと
        :嬉しいな、なんて。
        :ツリーを予約しておいて、その下でささやかにお茶でも飲
        :めたら、とか想像してしまって…つい」

 そこまで云ってから、あわてて祐司を振り向き、勝手なことばっかり言って
すみません、と早口でいいたしながら小さく笑った。


とりあえずきいてみよう
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 祐司     :「まあ、どうやって運ぶとかは今の持ち主に確認しますけ
        :ど……元々が『棚からぼた餅』的なものらしくて、今日明
        :日中にご希望があれば、もみの木自体は無償でお譲りでき
        :るそうなんです」
 店長     :「成程……」

 さてはてな、と、考えこむが、そうそう良い方法を思い付くわけでもない。

 店長     :「えーと……無道邸の電話番号はあったっけ」
 花澄     :「うん、多分ある筈だけど……ちょっと待って」

 ごそごそと花澄が探し出す。

 店長     :「今日明日中、ってことは、急いだほうが宜しいですね」
 祐司     :「えーと、まあ」
 店長     :「ちょっと、心当たりに電話かけてみますよ」

 微かに苦笑して続ける。

 店長     :「無道邸ならば…小滝さんの仰る条件に、かなり近いとは
        :思うんですがね」
 花澄     :「あ、あった」

 分厚いファイルをめくっていた花澄が声をあげた。

 花澄     :「ここです」
 店長     :「あ、了解」

 電話番号を確認し、レジの後ろの電話を取り上げる。
 ちょっと考えて。

 店長     :「……お前がかけたほうがいいか」
 花澄     :「……………了解」

 本屋が本以外の用件で電話をかける……ならば、確かに、知り合いがかけた
ほうが良いだろう。

 花澄     :「すみません、堀川さん。少々待って頂けますか」
 祐司     :「あ、はい、構いません」

 番号を打ち込み、しばらく。
 呼び出し音は三回で途切れた。

 前野     :『もしもし、無道ですが』
 花澄     :「あ、もしもし。平塚と申しますが」
 前野     :『ああ、花澄さんですね』
 花澄     :「はい。あの……すみません前野さん、唐突なんですけれ
        :ども」
 前野     :『はい?』
 花澄     :「クリスマスのモミの木、いりません?」

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 以上です。
 ……さあ、どうしよう(^^;

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ごんべ
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