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Date: Mon, 6 Dec 1999 12:11:56 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 16744] Re: [HA06P] 『れっつ ふぁらんどーるっ☆(仮)』 まとめ版
To: kataribe-ml@trpg.net
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99年12月06日:12時11分53秒
Sub:Re: [HA06P] 『れっつ ふぁらんどーるっ☆(仮)』 まとめ版:
From:E.R
こんにちは、E.Rです。
瑠璃さん、こんにちは。
まとめ版、有難うございます。
ところで。
>・風見アパートでの様子
>・公演直前の楽屋
>・公演風景〜演奏側から
>・鑑賞光景(上に付け加える形?)
賛意(^^)/
ただ、観賞光景の場合、店長の視点は一人称で書いてしまっているので、
付け加え、といっても、各々「〜〜の視点」みたいにして、別個に書いたほうが
いいかな、とか。
#というか……一つの曲を聴く、その姿勢って、
色々な視点から書いたほうが面白いかな、と。
>・休憩時間の様子〜璃慧視点
>・大曲〜演奏側から
>・大曲〜鑑賞側(上に付け加える形で)
>・演奏後 雑談&お片付け
> って感じだと思う。
> さらに、打ち上げinマリカとかやってもいいけど(苦笑)
えーと。
休憩時間の様子〜店長視点
大曲〜店長視点
については、こちらで書きます。
(リンツ……CD、買おう(決意))
> ちなみに、参加予定者は
>・白月悠、水瀬璃慧、雪丘望(演奏側)
>・如月刹那、兼澤圭人(高校生)
>・平塚(瑞鶴)
平塚英一、と申します(笑)
滅多に名前出ないから(苦笑)
#こいつを「英一:〜」で書くのって非常にやりにくくって(^^;;
というわけで。
今回、公演前の一シーンを追加。
金元さん、引っ張り込みます。
時間軸としては、
>芸術の秋ですから
>----------------
と、
>慌しい公演当日の朝
>------------------
の間に入ります。
*********************************
無料券の強さ?
------------
某日、瑞鶴。夕方頃。
店長 :「じゃ、ちょっと行ってくる」
花澄 :「あ、はいはい」
何やら買い物がある、と、店番を花澄に任せて、店長は店を出る。硝子の引
戸をがらりと開けて外に出かけ……て
店長 :「あ、失礼」
いえ、と、小さく呟いて、ぶつかりかけた相手は、入れ違いに瑞鶴に入って
きた。
どちらかというと小柄な、若い……とは分かる男性。灰色の……どうやら人
民服と、ハンチング。そして、丸い黒眼鏡。
ひどく、姿勢が良い。
花澄 :「いらっしゃいませ」
ひょい、と、お客は頭を上下に動かした。
反射的な動きだった。
そのまま、するっと本棚のほうにまわる。
その動きが。
非常に歯切れが良い。たんたん、と、大きく歩いて、ぱしんと足を止める。
花澄 :(……何か、拳法みたいなのやってる人なのかなあ)
この辺り、花澄の感想もいい加減である。人民服と、足元のすぼまったズボ
ン、そしてきっちりと後ろで束ねられた髪の毛に、その動きの特徴が相まって、
その手の……言わば、香港映画的な連想をしたに過ぎない。
とりあえず、客は彼一人しかいない。自然花澄の観察も、一人に絞られる。
と……
花澄 :(?)
お客が本棚の前で立ち止まり、驚いたように本に顔を近づける。この風景は
実のところ瑞鶴では珍しくない。大概の場合、お客は見つけた本をにこにこし
ながら引っ張り出し、やあ、ここでこんな本があるとは、と、呟きながらレジ
にやってくる。
……が。
本を引っ張り出す、までは、このお客もやったのである。しかし、その動き
がはたと止まり、またその本をあったところに押し込む。一歩去りかけて、ま
た本に手を掛け、手を放す。また手を掛け、ぐっと引きだし……そしてまた戻
す。今度は半分戻しかけたところでまた手の動きを反転させる。
花澄 :(……うーん(^^;;)
その一つ一つの動きが、これまたひどく歯切れが良い。ぴしぴしと止まると
ころで止まり、動くところは直線的に動く。
花澄 :(……何だか、音頭踊ってるみたい)
その手のくだらない想像は、一度思いつくとなかなかに頭を去らないもので。
本を押して、戻す。すぐさま手が本から離れ……かけてまた戻り、また引っ
張り出す。今度はしっかり掴んで、数歩本棚を離れかけ……たかと思うと、ま
たたんたんと足を戻す。その手がぴっと動いて本棚に向かう。細い隙間に本が
吸い込まれるように戻り……かけ、また止まる。
黒眼鏡着用の為、表情が読めない為もあるだろう。本に執着しているんだか
してないんだか、顔を見てわかりにくいのだ。故に、余計にその動きが……
……踊りを連想させるのだろう。
一度思いついてしまうと、その手の莫迦げた発想は頭に染み付くもので。
花澄 :(^^;;)
まあ、人が逡巡する様を見ているのは、面白いといえば面白いものだが、し
かしあまり趣味の良いことでもない。まして、その原因に大概思い当たるとこ
ろがある場合……そしてそれに対処することが出来る場合、ただ見ているのは
少々人が悪いというものだろう。
花澄 :「……あの」
びく、と、お客が本から手を放す。慌てて歩を進めようとするのを、花澄の
ほうも慌てて止めた。
花澄 :「あの、何でしたらその本、お取り置きしておきますが?」
お客 :「は?」
花澄 :「ご都合の良い時に、取りに来てくださればこちらはそれ
:まで預かりますし、もし、必要ないようでしたらご連絡下
:されば結構ですから」
時折、常連達はこの手の「キープ」をやらかす。専門の本は、幾ら発行当時
のものとはいえ、それなりの値段がついている。ぱっと持ち合わせがない場合、
預かってください、の一言と一緒に、大概面々は近くの銀行か郵便局まで駆け
飛んでゆくことになる。
お客 :「………じゃ……お願いします」
花澄 :「はい」
布張りの本を受け取ってレジに戻る。
花澄 :「あ、申し訳ありません、お客様のお名前を」
お客 :「はい」
渡された紙に、ボールペンでさらさらと書き付けられた名前。
金元吉武、と、書かれた紙を輪ゴムで本に止めつける。
お客 :「どれくらい、取っておいてもらえますか」
花澄 :「さあ……一年二年となると、こちらもお約束しかねます
:が、一月二月くらいなら(にこにこ)」
さっと題名を見てみる。拳法、との単語だけは見たことがあるのだが、他の
単語についてはちょっと意味不明である。
あまり人気のある本でもなかろう。
お客 :「わかりました」
では、と、一礼して踵を返し……かけて、ふと、歩みが止まった。
視線の向きを見て、ああ、と、花澄は合点する。
花澄 :「あ、それ、吹利学校高等部の管弦楽部の公演のポスター
:なんです。宜しければどうそ……無料ですから」
ゆらっと前進しかけていた動きが、最後の一言でぴしんと止まる。すっと手
を伸ばし、券を一枚抜き出す。
黒眼鏡のおかげで、やはりその表情は分らない。
花澄 :「また、どうぞ」
今度ははっきりと一礼して、お客が出てゆく。
何とはなしに息を吐いて、花澄は先程の本を眺めた。
************************************
というわけで。
「こうたやめた音頭」、金元さんに踊って頂きました(爆)
動きの特徴は、吉GUYさん御本人のそれを参考にしてます。いあ、この前の
オフの際、改札からたんたんと大きく歩いて、ぱしんと両足揃えて止まった
様子が、頭にあったので(笑)
金元さんの内心についてはあえて書いておりません。ついでに拳法っても
己に知識がないのであの程度にしか書いておりません。
というわけで……そこら辺は任せた(爆)>吉GUYさん
で、一行にも書いたんですが、
店長の動きとしては、
1)休み時間にフラナ君と八神さんに出会う。
で……恐らく金元さんにも気がつく(笑)<但しお客だとは知らない
2)おとなしく聞く。
3)帰る。
で終わりですね。
ではでは。