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Date: Sat, 04 Dec 1999 02:57:54 +0900
From: Masaki Yanagida <yanagida@gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
Subject: [KATARIBE 16728] [HA06][EP] 『ゆらめく』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <9912031757.AA01166@avalanche.gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
X-Mail-Count: 16728
ども、D16です。
しばらく止まってたもの続けます。
#止めてる物ばかりだろうってツッコミはいやん。
チョイと修正&説明。
>素直だもん
>----------
> 直紀 :「あ、あ、ちょっと待ってっ!」
> キノエ :「痛っっ」
ぱしっと、小さな音がして二人の手に痛みが走る。
> 直紀 :「あ、ごめんっ!そんなに強く握ったつもりなかったんだけ
> :ど…大丈夫」
>
> 思わず掴んだ手を離し、のぞき込む。
> キノエは掴まれた手を庇うようにこっちを見ている。少し、ほんの少しだが
>身体が震えていた。
そのうちキャラシートにも詳述する必要があるのですけれど、「明けない夜」
でもあった、「金克木」の現象ですね。そのままだと何があったか判らないので
1行だけ追加しました。
では、続き書きます。
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差し向かいの食卓
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キノエ :「……これ、晩御飯で食べた」
ぼそりとつぶやく。テーブルにあるのはまごうことなく、先ほど松蔭堂で口
にしたロールキャベツである。それと、ベーカリーのパンに暖めた野菜スープ。
直紀 :「いや、その……練習してたもんだから。作りすぎちゃっ
:て(汗)」
ついさっきの会話を思い出す。
キノエ :『へ…?直紀さんって料理できたの??』
キノト :『あ、モノによるんだって。これと野菜スープは人に出し
:ても大丈夫な出来に仕上がるんだけど…その他のは、その』
キノエ :『壊滅的なわけね』
キノト :『あ、いや、そこまで酷くないよ。…そうだな、ねぇさん
:といい勝負かも』
キノエ :「どんぐらい練習したの?」
直紀 :「すーと紘一郎がうちにこなくなるくらい……、あ、お代
:わりあるよ」
キノエ :「ほかには?」
直紀 :「あ、練習中なの、食べる?」
キノエ :「(こっくり)」
ぱたぱたと足音がして、電子レンジのベルの音がする。
直紀 :「これ、前に一さんから聞いたから……」
どんとおかれた丼には里芋とこんにゃく、牛肉に長ねぎが醤油で煮てある。
キノエ :「芋煮?」
一とキノエ&キノトの出身地、山形県の郷土料理である。しかし……、
キノエ :「芋煮なんて練習するようなもんじゃないじゃない」
直紀 :「う"(汗)、キノト君に習ったり、花澄さんに聞いたり
:してるけど」
キノエ :「だって、炒めて煮て味整えてだけじゃない」
それも壊滅的なキノエが居う科白ではないのだけれど……。口にする。
キノエ :「……うん。芋煮」
直紀 :「美味しい?」
キノエ :「んー、芋煮」
直紀 :「まずい?」
キノエ :「だから、芋を煮てあるなぁって……。なんかインパクト
:にかける」
芋煮になんのインパクトを求めるのだ(^^;;
直紀 :「むー」
八の字眉の直紀をよそに、キノエはぱくぱくと食事をする。
直紀も付き合う。
食べる。
食べる。
食べる。
食べる。
食べる。
キノエ :「……ご馳走様」
直紀 :「御粗末さまでした(ぺこり)」
キノエ :「あたし、洗うね」
やがて水仕事の音が聞こえてきた。
直紀 :「(……しゃべってくれないなぁ)」
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で、切ります。
続き&修正よろしくです。
D16
e-mail:yanagida@gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp