[KATARIBE 16700] Re:[HA06P] 『真随』

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Date: Thu, 2 Dec 1999 16:06:01 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 16700] Re:[HA06P] 『真随』
To: kataribe-ml@trpg.net
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吉GUYです。
 
つづきです〜。
 
『真随』
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登場人物
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老師  :中国人。八極門の武術家。
 
金元吉武:日本人。老師の関門(最後の)弟子
 
 
秘打
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 室内で対打(約束組手の型)を打つ師と弟子。攻防の技が決められている為、功
夫の差が歴然と現れる。
 
  吉武:「(……老いなど微塵も感じられぬ……)」
  
 老師の技は、攻に回れば隙間を水が刷り抜けるように吉武のガードの隙を潜り
、防に回れば攻撃の手に触れるだけで吉武のバランスを奪う。吉武は必死に老師
の技について行く。
  
  吉武:「!」
 
 套路(型)の最後に老師のガードが開いた。右脇腹に隙ができる。
 
  吉武:「フンッッ!」
 
 渾身の打撃を打ち込む。老師はまともにそれを受け、涼しく答える。
 
  老師:「良い良い……なかなかだ……これからも、精進を忘れるな。」
 
 吉武の鳩尾に老師の手が触れる。手がそこへ行くのが当たり前のように、何の
違和感も無く置かれる。
 
  吉武:「……!」
 
 自然すぎてその手を避けることができなかった。ただ「触られただけ」に感じ
た、腹筋を締めて警戒をとることさえ忘れる。
 
  SE:(震脚の音)
 
 鳩尾に何かがねじ込まれるような感覚と同時に、吉武の体は後方へ吹っ跳び、
背中を壁に強かにぶつける。窓ガラスが揺れる音がし、吉武の体はそのまま壁を
ずり落ち、くの字に折れ曲がる。
 
  吉武:「…」
 
 苦痛に顔を歪め目を剥く。視界に入るのは灰色の床。立てない。声すら出ない
。
 
  吉武:「(…………今…の……が暗…………)」
 
 老師が近づいて来るのが判る。
 
  吉武:「(…速い………いや、早いのか……?)」
 
 老師の布靴が目に入った。
 
  老師:「体に刻み、眼に焼き付けたか?」
 
 倒れたまま頷く。目を閉じれば老師のモーションが見える。
 
  老師:「二度とは見せん。忘れるな。」
 
 吉武の背中を軽く叩いた。
 
  老師:「死なん程度には打ったが薬は飲んでおけ、しばらくは足腰が立たん
    :ぞ。」
  
  SE:バタン
 
 扉を閉じる音がした。老師が部屋から出た。
 
  吉武:「(…本気なら『人を殺して釣りが出る』か…………)」
 
 この後、一週間血の小便が出続けた。
 
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一応終わりです(^^;
 
 
吉GUY ji-guy@dike.dricas.com
    

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