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Date: Sun, 21 Nov 1999 19:46:18 +0900
From: 瑠璃 <lurimu@geocities.co.jp>
Subject: [KATARIBE 16522] Re: [HA06P] EP: 『その名はるりるり』完成版?
To: kataribe-ml@trpg.net
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こんばんは、瑠璃@へろへろ〜〜 です。
これで完成版……でいいのかな?
楠さん、チェックして〜〜(TT)
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エピソード『その名はるりるり』
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登場人物
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るりるり:真っ白な毛と瑠璃色の瞳を持った鉱物猫。小さい。
向坂次郎(さきさか・つぎお):
:世話好きのおっさん。電波を受信することもあるらしい。
佐久間拓巳(さくま・たくみ):
:霊体化能力者にして人外と意志疎通できる大学生。
湊川観楠(みなとがわ・かなみ):
:ベーカリー楠の店長
ねこかん
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ベーカリーのすぐそばの路地を歩いていると。
ふと目の前を通るのは、白い物体。
瑠璃色の瞳が、印象的だった。ちいさなちいさな猫。
るりるり :「にゃ〜〜〜」
佐久間 :「おや、猫だ」
観楠 :「ねこ…………」
向坂 :「ねこーねこ〜〜、か」
るりるり :「ふにゃあ〜(向坂さんの方にとてとてっ♪)」
佐久間 :「ふむ……人に向かっていく猫とは珍しい」
向坂 :「この猫は特別だ」
向坂は一度ならず、この小猫に餌をやっているという仲であるらしい。
もうすっかり顔なじみなようで。
向坂 :「腹へってるだろ、今日は猫缶をもってきたやったぞ」
:(ごそごそ)「あ……缶切りが……ない(汗)」
観楠 :「缶切りならありますけど〜〜
:ここではちと、マズイんで……はい、缶切り」
向坂 :「すまんのぅ」(きこきこ)
佐久間 :「なんだ、餌をねだりに来たのか…」
一瞬、るりるりの動きが止まった。
それは言われても仕方のないことだけれど……。
でも、えさの入手が困難なのは、決してるりるりのせいではない。
るりるりとしては、いろいろ思うところはあったけれど。
今は、聞こえない振り。
向坂 :(かぽっと紙皿の上に中身を出す)
:「まあ、そういうなよ佐久間青年」
佐久間 :「もちろん、悪いとか言うつもりはありませんよ」
向坂 :「ほら、猫缶だぞー」
るりるり :「にゃ〜(にこっ♪)」
向坂 :「お、今、笑ったぞ、こいつ」
佐久間 :「そうですか?」
向坂 :「うむ。確かに笑ったように見えた」
その名は………
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佐久間 :「まぁ、喜んでるみたいですけど」(るりるりを見て)
観楠 :「名前、なんていうんです?」
向坂 :「んー……シロ、かな(なんとなく……)」
観楠 :「……竜胆ちゃんとこと同じですねえ」
向坂 :「そうだな、あそこのはシロぴょんだったなぁ」
佐久間 :「まぁ、猫なんていろんな人がいろんな名前付けてる
:もんですからねぇ」
向坂 :「……」
るりるり :「ふぎゃあっ(しろはいやらしい)」
向坂 :「瑠璃色……」
その瞳の色は瑠璃色。
吸い込まれるように、深い色。
向坂 :「るり」
観楠 :「はあ?」
向坂 :「こいつは、るり、だ」
観楠 :「るり…………( ̄▽ ̄;)
:てーと…………(考えちう)……」
向坂 :「るりるりでもいいかもな(天啓から醒めたように)」
観楠 :「……『ばかばっか』?(ぼそっ)」
佐久間 :(あ、同じこと考えてる…(汗))
向坂 :「……いや、今なんとなく電波を受けたような気がする。
: だから、るりるりでいい」
観楠 :「よりにもよって『るりるり』……( ̄▽ ̄;)」
佐久間 :「るりるり…まぁ、いいんじゃないですか?覚えやすいし
:まぁ、後は彼…彼女かな? がこの名前を気に入ってくれ
:るかどうか、ですけど」
向坂 :「いや、名前なぞこっちの呼びかけの為の符号に過ぎない
:から………」
佐久間 :「いやいや、それでも本猫の意思は尊重しないと」
向坂 :「愛情を持って呼びかけるなら、恐らくこいつにとっては
:なんでもいいのだ」
そこまで言ったところで、向坂の口調が、ふっと変わる。わずかに凛とした
響きすら帯びて。
向坂 :「だから、おまえはるりるりだ。俺がそう決めた」
るりるり :「にゃ〜〜♪」
わたしの名前
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ようやく、わたしに名前ができた日。
「るりるり」、何かのキャラの名前でもあるようだけど……
でも、わたしの名前……。わたしのもの。
ちょっと嬉しかった。
秋も深まりつつある日のこと。
時系列
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1999年10月半ば
解説
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ようやく、鉱物猫に名前がついた日のお話。
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であであ。
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瑠璃(Lurimu)
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翼ひろげて 〜夢幻界への誘い〜
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