[KATARIBE 16414] [HA06P] EP: 『その名はるりるり』

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Date: Mon, 15 Nov 1999 19:35:08 +0900
From: 瑠璃 <lurimu@geocities.co.jp>
Subject: [KATARIBE 16414] [HA06P] EP: 『その名はるりるり』
To: kataribe-ml@trpg.net
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 こんばんは、瑠璃@へろ〜〜 ですう。

 少し前のチャットログ、エピソードに直してみました。
 BOBUさん、楠さん、Djinnyさん、チェックとキャラ紹介をお願いしまーす。

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エピソード『その名はるりるり』
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登場人物
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るりるり:真っ白な毛と瑠璃色の瞳を持った鉱物猫。小さい。
向坂
佐久間 
湊川 観楠


ねこかん
--------
 ベーカリーのすぐそばの路地を歩いていると。
 ふと目の前を通るのは、白い物体。
 瑠璃色の瞳が、印象的だった。ちいさなちいさな猫。

 るりるり   :「にゃ〜〜〜」
 佐久間    :「おや、猫だ」
 観楠     :「ねこ…………」
 向坂     :「ねこーねこ〜〜、か」
 るりるり   :「ふにゃあ〜(向坂さんの方にとてとてっ♪)」
 佐久間    :「ふむ…人に向かっていく猫とは珍しい」
 向坂     :「この猫は特別だ」

 向坂は一度ならず、この小猫に餌をやっているという仲であるらしい。
 もうすっかり顔なじみなようで。

 向坂     :「腹へってるだろ、今日は猫缶をもってきたやったぞ」
        :(ごそごそ)「あ………缶切りが………ない(汗)」
 観楠     :「缶切りならありますけど〜〜
        :ここではちと、マズイんで……はい、缶切り」
 向坂     :「すまんのぅ」(きこきこ)
 佐久間    :「なんだ、餌をねだりに来たのか…」

 一瞬、るりるりの動きが止まった。
 それは言われても仕方のないことだけれど……。
 でも、えさの入手が困難なのは、決してるりるりのせいではない。

 るりるりとしては、いろいろ思うところはあったけれど。
 今は、聞こえない振り。

 向坂     :(かぽっと紙皿の上に中身を出す)
        :「まあ、そういうなよ佐久間青年」
 佐久間    :「もちろん、悪いとか言うつもりはありませんよ」
 向坂     :「ほら、猫缶だぞー」
 るりるり   :「にゃ〜(にこっ♪)」
 向坂     :「お、今、笑ったぞ、こいつ」
 佐久間    :「そうですか?」
 向坂     :「うむ。確かに笑ったように見えた」

その名は………
--------------
 佐久間    :「まぁ、喜んでるみたいですけど」(るりるりを見て)
 観楠     :「名前、なんていうんです?」
 向坂     :「んー……シロ、かな(なんとなく……)」
 観楠     :「……竜胆ちゃんとこと同じですねえ」
 向坂     :「そうだな、あそこのはシロぴょんだったなぁ」
 佐久間    :「まぁ、猫なんていろんな人がいろんな名前付けてる
        :もんですからねぇ」
 向坂     :「……」
 るりるり   :「ふぎゃあっ(しろはいやらしい)」
 向坂     :「瑠璃色……」

 その瞳の色は瑠璃色。
 吸い込まれるように、深い色。

 向坂     :「るり」
 観楠     :「はあ?」
 向坂     :「こいつは、るり、だ」
 観楠     :「るり…………( ̄▽ ̄;)
        :てーと…………(考えちう)……」
 向坂     :「るりるりでもいいかもな(天啓から醒めたように)」
 観楠     :「……『ばかばっか』?(ぼそっ)」
 佐久間    :(あ、同じこと考えてる…(汗))
 向坂     :「……いや、今なんとなく電波を受けたような気がする。
        : だから、るりるりでいい」
 観楠     :「よりにもよって『るりるり』……( ̄▽ ̄;)」
 佐久間    :「るりるり…まぁ、いいんじゃないですか?覚えやすいし
        :まぁ、後は彼…彼女かな? がこの名前を気に入ってくれ
        :るかどうか、ですけど」
 向坂     :「いや、名前なぞこっちの呼びかけの為の符号に過ぎない
        :から………」
 佐久間    :「いやいや、それでも本猫の意思は尊重しないと」
 向坂     :「愛情を持って呼びかけるなら、恐らくこいつにとっては
        :なんでもいいのだ」

 そこまで言ったところで、向坂の口調が、ふっと変わる。わずかに凛とした
響きすら帯びて。

 向坂     :「だから、おまえはるりるりだ。俺がそう決めた」
 るりるり   :「にゃ〜〜♪」


 ようやく、わたしに名前ができた日。
 「るりるり」、何かのキャラの名前でもあるようだけど……
 でも、わたしの名前……。わたしのもの。

 ちょっと嬉しかった。
 秋も深まりつつある日のこと。


時系列
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 1999年10月半ば


解説
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 ようやく、鉱物猫に名前がついた日の話。
 

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瑠璃(Lurimu)
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翼ひろげて 〜夢幻界への誘い〜
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(http://www.geocities.co.jp/Bookend/1229に移転中)

    

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