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Date: Fri, 12 Nov 1999 11:09:19 +0900
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 16368] Re:[HA06P] 『米!米!米!』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199911120209.LAA24195@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 16368
99年11月12日:11時09分16秒
Sub:Re:[HA06P] 『米!米!米!』 :
From:久志
ども久志@EPさぼりまくり です。
なんか予想以上に参加者の多い米^3です(^^;)
#ヲマエらそんなに米が欲しいのか!(欲しいさ!)
というわけで参加者たちのEPまとめました。
ていうかバルゲーやりまくって他の参加表明者の分まで書かない
と思うんで(おい)参加希望者はこのスレッドで名乗り上げてください。
『米!米!米!』
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それは米からはじまった
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紅雀院大学。
もともと文化系の大学である為、あまりスポーツ関連のサークルの話
は聞かない。世間一般のスポーツサークルは確かにあるが、他の文化系
サークルの規模と活動に比べればさほど大きなものではない。
しかし、年に一度、彼らの血を熱く燃えさせるイベントが開催される
のであった。
紅雀院最強を賭けて争う、紅翼グランプリが開催されるのである。
フラナ :「ね〜ね〜もっとみー!見て見てこれ〜!」
本宮 :「ん、何だこれ?」
フラナ :「えっとね、あ、一口ちょーだい」
本宮 :「ほら」
ごっくん、と缶コーヒーを一口飲んで手にしたチラシを広げた。
見出しに大きく紅翼グランプリとかかれ、リングのワンシーンを撮っ
たと思われる写真が大きくのっていた。
本宮 :「紅翼グランプリ……K−1みたいなもんか?」
フラナ :「うん多分、それより優勝賞品見てよぉ」
優勝賞品、主催者○○教授の実家から産地直送、コシヒカリ50Kg
フラナ :「お米だよ!お米!コシヒカリ50キロだって!」
本宮 :「なるほど、これなら大抵の奴は欲しがるよな………
:で、まさか……(汗)」
嫌な予感がした。予感を裏切ることなく満面笑顔でフラナが口を開いた。
フラナ :「ねぇ〜出ようよ、もとみー」
本宮 :「……あのなぁ(汗)」
フラナ :「大丈夫だよ、もとみー強いから絶対優勝できるって!」
本宮 :「んなこと言っても、参加者は大勢いるんだろ。強い奴
:だってざらにいるぞ、それに…」
優勝賞品は米50kgである。それこそ日々の生活のかかった連中が目
の色変えて挑んでくるに違いない。
フラナ :「お米欲しいよぉ、応援するから出ようよ、ねっ」
本宮 :「うーーーーん(汗)」
確かに腕に自信がまったくないと言えば嘘になる。
本宮 :「とりあえず、出てみるだけな。俺もたこ焼屋の手伝い
:あるし」
フラナ :「ホント?やったぁっ!応援旗作るねっ!」
本宮 :「……恥ずかしいからやめてくれ(汗)」
米想う、故に覆面
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祐司 :「本当に出るのかい?」
某 :「出ますっ」
祐司 :「後悔しないね?」
某 :「しませんっ」
祐司 :「……君の名誉が傷つくだけだと思うけどねぇ」
某 :「優勝して手に入れられる名誉に比べれば、大したことは
:ありません!」
祐司 :「……優勝して手に入るのは米だけだと思うけどなぁ……」
手元の紙に、隣の教室の助手である後輩の名前を書き込む。
『紅翼グランプリ参加登録用紙』
紅雀院大学文学部国史学科助手・某、参加登録。
ちなみに祐司は、そんなところに出て生きて帰れる自信はないので、申し込
みなどするわけがない。
祐司 :「職員が出てるなんてわかったら、恥ずかしいよ?(^^;」
某 :「当日は、マスクを着けていきますよ」
祐司 :「……(^^; でも、その年で米がほしくて登録したなんて
:言ったら……」
某 :「……まあ、一人暮らしですから……」
祐司 :「ぼくらもう30だよ?(^^;」
某 :「……(^^;;;」
もっとも、彼らしきマスクマンが優勝したという話は、結局聞くことはなか
った(笑)。
米のためなら
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一十 :「なんでこの年になっても手伝わされるんだよー」
後輩高橋 :「原稿落したアンタのお蔭で、印刷遅れたんだ。とっとと働
:かんかいこのボケ」
一十 :「ううっ、しくしく」
秋も深まる吹利学校大学部学生会館。一世代旧式の印刷機の前でぼやく男が
一人。
学祭シーズンで(自分の責任もあって)手伝わされている。
一十 :「そういや、俺は他の大学の学祭とか見に行ったことがない
:んだよなぁ」
荒廃高橋 :「おら、手を休めずゲスプリンター様にご奉仕せんかい。じ
:ゃあ、イラスト奴隷の方見てくるから、キリキリ働く様に」
一十 :「あううう」
悲鳴を上げつつも、こうしたお祭り事はキライでは無い。
いや、積極的に好きだと言ってもいい。しかし、今年はベーカリーで知り合
ったさまざまな人達のいる、他校の学祭にも顔を出してみたかった。
と、そのとき他のサークルの話す言葉が聞こえた。
学生A :「へー、コシヒカリ50キロねぇ」
学生B :「優勝賞品としてはなかなかだよな」
学生A :「紅雀院大学が、腕に覚えのあるやつが出るんだろうな」
学生B :「所詮、アトラクだろ」
万年びんぼー学生の目が光った。
しばらくして。
荒廃高橋 :「……どこへ逃げたあの馬鹿ヤロー!」
怒号が響き渡った。
一十 :「久しぶりに、体動かすのも楽しみだな。体動くかな」
一十はMTBにまたがると、紅雀院キャンパスを目指した。
お酒はお米でできています
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紅翼グランプリ開催のお知らせ。
優勝賞品、主催者○○教授の実家から産地直送、コシヒカリ50Kg
ここにチラシを眺めつつ思案に暮れる人が一人
緑 :(うーん、確かお米……もう無くなってきてしなぁ)
翡翠 :『お酒作るからでろー、何なら俺様が出てやる〜』
頭の中でぎゃーぎゃー騒ぐ翡翠である
緑 :「はぁ」
美々 :「よっ」(緑の肩をたたく)
緑 :「あっ、美々さん」
美々 :「お昼たべにいかへん?」
緑 :「あ、いきますぅ」
とりあえずチラシをポケットにつっこみつつ、美々に引っ張られて行く緑であ
った。
米と誇りと生活と
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『紅翼グランプリ開催』
たまたま通りかかった路地に張られた、一枚のイベント告知のポスター。
それを見つめる一人の男。
吉武 :「…………」
電話の支払い日が迫っている。電気とガスと水道もいいかげんほっとくと止め
られてしまう。公共料金の類を払ったら、食費にまわす金が危うい。
吉武 :(武術(ウーシュ)は見せ物では無い……か。)
師の言葉を思い出す。
吉武 :(曰く「危急の秋(とき)、武を以て生きぬく術(すべ)也」……)
言葉を並べてみても、現実の軽い財布と空腹は変わらない。
吉武 :「…………………………………………………………………でよ」
優勝賞品米50kg
・
・
・
覚悟は決めた。師の教えに背くことにも……
吉武 :(……まあ、これも武を以て生きるということだ。)
でも、ちょっとだけ言い訳した。
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ここまでです。