[KATARIBE 16341] [HA06nv]: 小説:『月への遺言』

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Date: Wed, 10 Nov 1999 17:17:49 +0900
From: ソード  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 16341] [HA06nv]: 小説:『月への遺言』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199911100817.RAA09092@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 16341

99年11月10日:17時17分46秒
Sub:[HA06nv]:小説:『月への遺言』:
From:ソード


こんにちは、ソード@ちょっぴりブルー です。

 こういう時には、しっとり目の話を書くに限る……ってね。

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小説 『月への遺言』
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 今日は十六夜。満月よりは、控えめな。これから消え行く月。

 昨日、満月を見た。ベーカリーに来ていたみんなとおだんごをたべた。
 そのあと、かけるさんや向坂さんの冗談真に受けて、泣いて帰ってきっちゃっ
たもんなぁ……失敗。
 あの、吸い込まれそうな光に、なんか、酔っ払っちゃったのかも。

 月になんて行く訳ないのにね。
 普通に考えたら、今の日本、そんな簡単には死なないもん。

 ……でも……

 私は、いつか、死ぬのかも。
 もちろん、いつかはおばあさんになって、死んじゃうんだから、あたりまえ
な事だけど。
 私、普通じゃない……から……。記憶喪失で、役所や警察にも届けられてな
くて、変な組織に狙われている。そんな、変な奴だから。

 だから、普通じゃない死に方するのかも……。

 どんな事だか、今の私じゃ想像できない。

 私が死んだら、悲しむって言ってくれた人がいるんだ。
 だから、私は簡単には死なない。死ねない。

 でも、どうしても死ななきゃいけないその時は、ずっと一緒に来てくれる人
の手を振り払ってでも、一人でいかなきゃ駄目だよね……。

 今まで守ってもらって、きっとこれからも守ってもらっちゃう。
 自分独りで生きていけるように、その人と一緒に歩けるように、もっと強く
ならなくちゃ。

 そんな、悲しんでくれる人、手を差し伸べてくれる人、そばにいてくれる人へ

 私は、死なないように、死なないですむようにがんばります。

 でも、それでも死ななくちゃいけなくなったら、どうか皆さん、泣かないで。


 十六夜に願う、私のただ一つの願い。

時系列
 「かぐや姫にはなりたくない」の次の日。

解説
 十六夜の月を見上げ、美都が一人思う。
 今まで“今”しか見なかった少女は、満月に魅せられて“いつか”を見るよ
うになった。

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 うーん……題名はちょっとインパクト強すぎるかなぁ……。
 問題だったら変えますんで……。良い案ください(爆)


 なんか、最近暗めな美都であります(苦笑)

 気力の充実の為にも、感想いただけるとありがたいです。

 ではまた。





    

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