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Date: Wed, 10 Nov 1999 16:35:00 +0900
From: ソード <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 16340] [MM]: 小説:『朝日』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199911100735.QAA29216@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 16340
99年11月10日:16時34分57秒
Sub:[MM]:小説:『朝日』:
From:ソード
こんにちは、ソードです。
霙の街の小説を書いて見ました。
でも、私のキャラだったりはしません。
理由は、読んでいただければ分かります(ふふふ)
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朝日
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朝日だ。
赤く、赤く燃えている。以前はこれほど赤くはなかったのかもしれない。
朝日の赤は、地球の血の色……と、ふと頭によぎった。
がけを迂回し、下の川岸まで行く。ここの水も、以前は奇麗だった筈だ。今
はとても飲めるものじゃない。
川岸の手頃な石を一つ、手に持つ。自分の頭ほどの大きさ、結構重いが、い
つもの事だ。
いつもの場所に到着。一人の男が倒れている息は……まだある。手足が妙な
具合に曲がっているのは、折れているのだろう。
男は私の足音で気がついたらしく、こちらを見上げる。明らかな非難の瞳。
逃げようとのたうつが、五体満足な私のほうがはやい。すぐに追いつける。
追いついて、後ろから手に持っていた石を男の頭に向かって叩きつける。何
かがつぶれる音。この音なら、頭蓋が割れた筈。
男の背負っていたバッグを手に取り、中を調べる。思ったよりも食料が残っ
ていた。これで数日は食いつなげるだろう。
一応、食糧の補給に協力してくれた名も知らぬ男に感謝をする。しかし、別
段同情はない。崖から突き落とした事による罪悪感など、とうに捨てている。
男が死んだのは、弱いからだ。愚かだからだ。そして、俺はこいつより賢く、
強かった。
バックを背負ってきた道を戻る。いつも使う俺だけの道。家に帰れば、あい
つが待っている。早く会いたい。もう、数時間会っていないのだから。
崖への登り口、足にいつもと違う違和感。突然、喉への衝撃。
視線を落とすと、私の喉には、太さ数cmの木の棒が生えていた。言葉をしゃ
べろうとして開いた口からは、鮮血が吹き出すばかり。
正面の岩陰から、一人、男が現れた。俺と同じ目をした、みすぼらしい男。
ゆっくりと、前のめりに倒れる。
別に、不思議な事は無い。あの男より、俺の方が弱く、愚かだった。それだ
けだ。
ただ、一つ、あいつの顔がよぎる。
きっと、俺が死んでも、あいつはなかないだろう……。少し、安心し、少し
だけ、孤独だった。
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って感じで、死んじゃいました(笑)
一人称は、こういう雰囲気になり易いですねぇ……。
感想いただけると、少しは気力も充電できるかも。
ではまた。