[KATARIBE 16322] [HA06N] 『その瞳、瑠璃色にして』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Tue, 09 Nov 1999 16:14:26 +0900
From: 不観樹露生 <fukanju@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 16322] [HA06N] 『その瞳、瑠璃色にして』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <3827C9D20.74D1FUKANJU@sv.trpg.net>
In-Reply-To: <199910311429.XAA24956@mail.geocities.co.jp>
References: <199910311429.XAA24956@mail.geocities.co.jp>
X-Mail-Count: 16322

ども、不観樹露生@消化器病学授業中 です。はい。

 瑠璃さんどもです〜〜。

On Sun, 31 Oct 1999 23:34:59 +0900
瑠璃 <lurimu@geocities.co.jp> wrote:

>  こんばんは〜、瑠璃です。
>  るりるり、つくっちゃいました(笑)
>  とりあえず、流してみます〜。
>  修正個所等、指摘お願いしますう。
>  +飼い主(持ち主?)募集中〜♪

 うちの狭淵美樹の双子の妹、狭淵麻樹に拾わせるとゆーことで。
 麻樹の愛車(真っ黒なミニ)のダッシュボードに白い猫の置物。
 結構映えるかな、とビジョンが浮かんだので(笑)

************************************************************
『その瞳、瑠璃色にして』
========================

登場人物
--------
狭淵麻樹
  吹利中央病院勤務の研修医。
るりるり
  鉱物猫。

本文
----

 急ブレーキを踏み込む。
 直線。下り坂の路面に二十五夜の残り月が弾ぜた気がして。
 白みかかった夜空にふいと緊張をほぐす息を吐き、ぼろぐるま11
号を路肩に寄せる。後続車が居ない時間だから。
 扉を開ける。
 もう朝が近い。冷え切った空気が顔面から温もりを奪う。
 わずかに路面に残るタイヤの擦れ跡。
 白猫を見たような気がしたのだが。
 自動販売機の照明だけ。
 エンジンを切らずに扉を閉める。
 一つ身体を伸ばす。
 息が。わずかに白く曇る。
 尻ポケットから小銭入れを取り出して。自動販売機にコインを投
入する。
 ホットコーヒー。最近は無糖のが出ているから。飲める。
 無造作な音。
 取り出し口に掌を突っ込む。
 足元。
 白い物体が落ちている。
 熱すぎるコーヒー缶を引っぱり出してから、拾い上げる。
 小さい。掌にすっぽりと収まるほどの、彫像。
 滑らかな手触りの………大理石?
 お座りのポーズの猫。
 掌に冷やりと心地よい感触。
「ふむ」
 中天にかざしてみる。わずかに白みがかった空の色を反射して。
 瞳の処だけ、材が違う。
 瑠璃色?
「その瞳、瑠璃色にして………」
 呟きかけて。やめる。似合わない。
 上着の右のポケットに缶コーヒーを突っ込み。
 愛車に戻る。
 ダッシュボードにそいつを置いて。
 ハンドブレーキを。外す。
                                                      (Fin.)

時系列
------
 11月初頭。寒い夜明け前の一時。

解説
----
 夜勤明け、吹利中央病院から松蔭堂への帰途、猫のるりるりの彫
像を拾う麻樹の話。
************************************************************

 とゆーわけで(笑)
 加筆、訂正などありましたらよろしくー

…………。…………。…………。…………。…………。…………。
不観樹露生(ふかんじゅ・ろせい)    11月の標語
fukanju@trpg.net           全てを見ること。
UIN:21125410            そして生きて帰ること。
http://www.trpg.net/user/fukanju/  それが偵察機の戦い。
…………。…………。…………。…………。…………。…………。
    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage