[KATARIBE 16296] [LG] 雑感:レイライン鉄道輸送をとりまく環境

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Date: Mon, 8 Nov 1999 13:01:08 +0900
From: ごんべ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 16296] [LG] 雑感:レイライン鉄道輸送をとりまく環境 
To: kataribe-ml@trpg.net
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99年11月08日:13時01分05秒
Sub:[LG] 雑感:レイライン鉄道輸送をとりまく環境:
From:ごんべ


[LG] 雑感:レイライン鉄道輸送をとりまく環境
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1999年11月07日 ハリ=ハラさん
    "[KATARIBE 16277] [LG02] 地球伝承におけるコンテナの規格" より:
>[fukanju] レイラインが通っているところでは、物流の主力は鉄道なのでしょ
> うな、たぶん。

 そうなんでしょうね、多分。
 その辺りを含めて、ハリさんの上げていただいたログを読んでつらつらと思っ
たことですが。


宇宙は「点」と「線」
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 宇宙のマップって、どんなに開拓が進んでも、「点と線」のみで構成される
ことになりますよね。
 銀河文明の目の届くところは結局

 ・(最初に到達する)探査船がたどった進路
 ・実用航路探索時の探査船の航路
 ・実用航路
 ・各文明が存在する星域・宙域

くらいですから、それぞれの「線」と各星域(宙域)という「点」の周りしか、
銀河文明に関わりを持てるところはないわけで。

    −−−○星
       |\            /
       | \星         /
       |  ○−−−−−−−−○星
       | / \       |
       |/   \      |
      星○−−−− \     |
      /     \−○星   |航路
   航路/         \   |
    /    この辺は   \  |
   /    未踏差のまま   \ |
 星/               \|
 ○−−−−−−−−−−−−−−−−−○星
         航路

……って感じです。
(実際にはそれぞれの「周り」は数光年の範囲を持っていることはあると
思いますが)

 さて、この「点と線」の構造から離れられない星間輸送の宿命というものが、
JR銀河の貨物輸送の需要を大きく支えているのではないか、と思ったりしまし
た。以下、陸上輸送と宇宙輸送を対比させて考えてみます。


輸送における競争要素
--------------------

 現実の地球上では、ハリさんが例示されたURLの一つ「コンテナの絵本」で
述べられている( http://www2.justnet.ne.jp/~container/ )ように、鉄道輸
送は車輸送に追い越されています。遠距離では鉄道輸送のコスト(つまり輸送
効率)の方が有利、とも思うのですけどね。
 この理由は、「速度」と「融通性」において車に分があるから、と言って良
いでしょう。車なら、「速度」「融通性」両面を満たす "door to door" の輸
送が実現できるからです。対して鉄道では、線路と駅にしか荷物を運ぶことは
できません。いわば「点と線」です。

 しかし車での輸送も、実際には「点と線」です。実際の荷物は集配センター
に集められては別のセンターへ運ばれ、そこから配達される、と言う経路をた
どります。
 今現在の貨物輸送で車輸送が優位にあるのは、この集配センターがきめ細か
く各地に存在すること、集配と輸送を一社でまかなう業態(いわゆる宅配便)
が普及して集配網も全国をカバーしていること、などのためであると考えられ
ます。(「点と線」の密度の違い、及び「融通性」の面での違い)


レイライン輸送をとりまく環境
----------------------------

 さて、ここからはJR銀河の話。

 陸上輸送の場合の

  ・「点と線」の密度
  ・速度

という要素は、星間輸送においてはミクロな差しか生まなくなります。航路と
速度において、業者間の差違が少なくなるからです。
 星間航路を担うのは、やはりそれなりの(超)大手の輸送会社、と言うこと
になるでしょう。それ以外の業者も、同じ星間航路という土俵の上で戦わなく
てはなりません。ちょっとやそっとの装備の船では、大手のカバーする範囲に
切り込むことはできないかも知れません。

 大手は大手で、少しでも速く多く安く、が命題になるでしょう。

  ・輸送効率

の面ですね。レイライン航法が他の星間航路の業者に対して優位に立てるかど
うかも、その辺にかかってくるでしょう。
 しかしレイライン航法は原理上「貨物車にも推進能力を持たせられる」シス
テムですから、超長編成の貨物列車、なんてのも可能です。輸送能力には問題
ないでしょうから、ある程度の競争力はありますね。

 残る

  ・融通性

においていかなるサービスを提供できるかで、星間輸送の勝者になれるかどう
かが決まるでしょう。具体的には、宅配便的サービス、つまり集荷・輸送・配
達を一本化してしまうことで、利用しやすい貨物輸送が実現できます。

 JR銀河の貨物輸送がどの程度であるか、を考えるには、JR銀河の営業努力が
どうであるか(そして営業努力を達成するための難易度がどのくらいであるか)
を考えると良さそうです。


レイライン輸送は無敵じゃない : 座標転移航法
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 ただし、実はそれらの輸送業者の優位を覆す要素が、既に予想されています。
「座標転移」航法、いわゆるワープ航法ですね。LG世界では、APGS航法という
方式が設定されています。
 座標転移航法は、既に星図が判明している宙域に対しては絶大な効果を持ち
ます。星間航路を離れて航行することが可能になるからです。

 以下のような星図を考えます。

     D○−−−−−−−−−−−−○B
   航路/           E |
    /              |
   /               |
  /                |
 ○−−−−−−−−−−−−−−−−−○C
 A       航路

 A星域からB星域へ輸送する時。星間航路とレイラインが同一であるとして、
レイライン航法なら「A…C…B」または「A…D…B」というルートを利用
します。その他の、星間航路をたどるタイプの航行方式についても同様です。
 しかし、座標を特定して転移できる方式では、いきなりEポイントに転移し
てBへ到達する「A→E…B」と言う方式が取れます。
 究極の「点と線」ですね。

 ただしAPGS航法には、半端じゃない電算能力が必要です。また、そのメンテ
ナンスを容易にしようとすると、これまた半端じゃない設備か酔狂なシステム
(ティフォンの占星術師なんかそうだと思ふ(^^;)が必要です。
 それに、大型船で対応するのはそれなりにコストがかかるでしょう。輸送船
として輸送効率を上回るほど活用できる業者は、やはり限られるかな?

 まぁ全般的に見ると、それ相応には普及しているでしょうけどね。転移式は
便利だから。
 簡略化された、例えば銀河系基本座標に対してではなく「××星系に対する
相対座標」とかを入力に用いて計算を簡略化するような、特定範囲限定の航法
コンピュータなんかは、よくあるのかも。


実際の状況は?
--------------

 以上の点から、既に星間輸送の世界でも「日通」と「ヤマト運輸」の競争に
相当する「大型輸送と宅配の競争」が繰り広げられている、のかも知れません。

 TRPGで遊ぶ際も、JR銀河ものでは「レイライン(一般的な星間航路とずれて
いる場合や開拓されていない場合がある)に沿った星域における問題解決」も
の、APGS型輸送船ものでは文字通りの「運び屋稼業」ものが、やりやすいかも。


$$


 以上、結構な駄文になりました(^^;。長文失礼。

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ごんべ
gombe@osk3.3web.ne.jp




    

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