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Date: Sun, 07 Nov 1999 05:40:54 +0900
From: KATARIBE Designer FURUTANI Shun-ichi <sf@kataribe.com>
Subject: [KATARIBE 16267] エピソード『消えた大輔の謎』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199911062106.GAA04532@ns.cre.ne.jp>
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要望により書いてみました(爆)
エピソード『消えた大輔の謎』
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登場人物
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高村文雄(たかむら・ふみお) :インターネットで暗躍する資料術師。
出雲大輔(いずも・だいすけ) :文雄の幼馴染。少女漫画家。
出雲勇人(いずも・はやと) :大輔の弟。超物理学者で文雄の後輩。
文雄宅、作業室
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ダイアログがポップアップした。
ネットワークから情報をかき集めさせていたエージェントプログラムが、報
告をあげている。検索用件に該当する文書なし、と。
文雄 :「うーむ、大ちゃんの現状は不明っと」
文雄の幼馴染であり、吹利で漫画家をしていた大ちゃんこと出雲大輔からの
連絡が途絶えてかなりたつ。
何の気なしに検索をさせてみたのだが、予想に反して、まったく情報は無かっ
た。
文雄 :「もともと、こまめに連絡を取るほうじゃあないが、居場
:所もつかめないとなると、気にならんでもないな」
エージェントのログを分析しつつ、つぶやく。
情報の適合度のつけようもないくらい、見事にひっかかる情報がなかったら
しい。
文雄 :「ここまでがっさり情報が出てこないと、気になるなぁ。
: しかし、今日はこのへんにしといて、あとで考えるか。
:そろそろ本屋にいかんとならんしな」
本屋にて
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文雄は、自宅の近所の本屋に、自転車で向かった。そこそこ広めの、二階建
書店である。
文雄 :「おや、勇人君じゃないか、ひさしぶりだな」
コンピュータ関連書籍の棚の前で、懐かしい顔に遭遇した。大輔の弟、勇人
である。むかしから良くTRPGを遊んだ……というか仕込んだ相手であり、大学
では吹利大学理学部の新谷研究室の後輩でもあった。
勇人 :「ああ、高村さん。おひさしぶりです。兄が山にこもって
:からは、いっしょにセッションもしてませんしね」
文雄 :「……ほう、山篭りかね」
勇人 :「ええ。ちょっと親族がらみのことでね……」
文雄 :「ふむ……出雲鄭雲……かな?」
勇人 :「ええ。そういえば、真奈ちゃんにもあったことあったん
:でしたっけね。
文雄が出雲鄭雲の怪事件にコンベンションで遭遇したのは、もう何年も前の
話であった。
文雄 :「うむ。……ところで、連絡は取れるのか? できれば連
:絡先を教えてもらえないかと思うんだが」
勇人 :「ええまあ、文雄さんになら良いと思います。あとでメー
:ルしときますよ」
文雄 :「すまんな」
勇人 :「兄のいるところは、電話も共用のがある程度の、田舎な
:んですよ。鳩でも使ったほうが似合うんじゃないかってく
:らい」
文雄 :「……うーむ、そうか。さいきん、ちとどうしてるか調べ
:ようとしたんだがね。それでは居場所もつかめるわけはな
:いなぁ。
: オンラインの恩恵の届かぬ地域の情報を得るためにも、
:アストラル検索エンジンが欲しいところだなぁ。……アカ
:シックレコードはやっかいだしねぇ」
勇人 :「あいかわらず、変なこと手がけてるんですねえ」
文雄 :「まあな」
そのうち鳥類キャリアで大ちゃんのところと繋ぐのも面白いかも知れない、
などと思う文雄であった。
時系列
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大輔が山篭りしてから数ヶ月後だと思う。
解説
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大輔山篭り事件を文雄が知る経緯を描くためのものです。
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