[KATARIBE 16110] [HA09N] 『書類仕事』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Fri, 29 Oct 1999 16:09:03 +0900
From: 不観樹露生 <fukanju@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 16110] [HA09N] 『書類仕事』
To: ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <3819480F0.A067FUKANJU@sv.trpg.net>
X-Mail-Count: 16110

ども、不観樹露生@輸血後副作用の授業中 です。

 えー。
 HDD発掘作業で出てきた………吹利県警捜査零課の蛞蝓刑事、西田七緒君の
一人称短小説であります(汗)
#コードなんだったか検索しなきゃならなかった(^^;


************************************************************
『書類仕事』
============

コ・ワ・レ・タ

  自分の中の何かが告げた。
  そう、あの時から俺は壊れている。あの時から……

          *

「西田君、書類は出来たかね」
  自分に向けられた声に、振り返る。
「書類……ですかぁ?」
  俺はチーフに尋ね返している。尋ね返しながら書類のことを思い
返す。そういえばそのような物もあったような記憶がある。
「……例の書類なんだがね」
  むろん出来ているはずなど無い。チーフもそれを期待してはいな
い。
「そぉいえば。そのよぉな物も。ありましたねぇ」
  自分の心に偽らない返事。吹利県警は、しょーもない書類のため
に俺に手帳を渡しているわけではない。
「一応、規則だから。出しといてくれたまえ」
  チーフの目を見つめる。
  自分の。目の前で組んだ両手の関節が微妙に安定点を求めて蠢く
のが昆虫の脚のようで。
  そして机には書類が置かれる。その書類に早苗美と名前を付けて
みる。
  早苗美君が語りかけてくるのに耳を傾ける。彼女が呟いているの
は、失った恋の繰り言。俺は、クスリと笑う。
  失った者。失った物。失った喪の………
  俺はもう壊れている。だから、何をしたところで世界は変わりは
しない。ゆえに、この世ならざる者の方が、俺には心地よい。
  書類の文字が、指先の汗で、滲む。ぬるりと。

                                                       (fin)
************************************************************

 ぬめり。ぬるり。ぬらり。
 と、そーゆー印象ばかりある彼ですが。
 いちおー、内面はある程度……………やっぱり変か(汗)

 ちうことで、でわでわ。

…………。…………。…………。…………。…………。…………。
不観樹露生(ふかんじゅ・ろせい)     10月の標語
fukanju@trpg.net           目をさましてみると
UIN:21125410             僕はまだ眠っていた。
http://www.trpg.net/user/fukanju/
…………。…………。…………。…………。…………。…………。
    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage