[KATARIBE 15978] [HA06P]  早朝の練拳

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Date: Sat, 23 Oct 1999 17:48:09 +0900 (JST)
From: ji-guy@dike.dricas.com
Subject: [KATARIBE 15978] [HA06P]  早朝の練拳
To: kataribe-ml@trpg.net
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 ど〜も吉GUYです。
 はじめてEPなどを書いてみました。
 こ〜んなもんで良いのでしょうか?
 
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『早朝の練拳』
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登場人物
----------------
金元吉武(かなもと・よしたけ):練習を見せない武術家。本業は整体師。
 
 
早朝の公園  
---------------- 
 鼻からゆっくりと息を吸い込む。朝の冷えた空気が、肺の中を一杯にする。心
地が良い。体温で温まった空気を、今度は鼻から吐く、同時に下腹に意識を集中
し、気を落とす。へその下で合わせた左右の縦拳を下ろし、曲げた膝をのばす。
 吉武の周囲には地面をえぐる無数の足跡が残っていた。
 小架式の鍛錬を終わらせ、そのまま成人男性の胴回り程の太さの樹の前まで歩
いて行く。
 
 右手を肩の高さまで上げ、腕を伸ばし指先で軽く幹に触れる。前に構えた右脚
のかかとを軽く浮かして、後ろに構えた左脚に重心を預ける。
 右掌底と樹の幹までの距離は10数センチ。
 
 吉武     :フンッ
 
 地面を踏み締める音と、掌が幹を撃つ音が冷えた空気の中に同時に響く。
 
 吉武     :(......まだまだだ。)
 
 たった今、掌を撃ち込んだ樹を見上げる。
 師の言葉が頭の中に浮かぶ。
 
 吉武     :(全てを理解することは不可能だ。)
 
 木の葉が一枚、枝を離れ中を舞う。
 
 吉武     :(だが、理解する努力を止めてはならない。)
 
 通勤や通学の人間が現れる時刻になった。今朝の鍛錬はここまでだ。
 
 吉武     :(極める程に、知らぬこと解らぬことが増えてゆく......)
 
 きびすを返し、樹から離れる。
 
 SE       : ザザザザザザ......
 
 掌を撃ち込んだ樹の枝々が、思い出した様に揺れ始め、次々と葉が落ちる。
 
 吉武     :(だから、この道を進む甲斐がある。......さあ、帰ったら
        :朝飯だ。)
 
 枝の揺れと葉の落下はまだおさまらない。吉武は、足の十指で地面を握り掴む
独特の歩き方でこの場を去った。
 彼が姿を消した頃、枝の揺れもおさまり、樹の周りには無数の葉が落ちていた
。
 
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 吉武のある日の練習の様子です。
 どっかでオチをつけようと思っていたのですが、ネタを忘れてしまいました。
 吉武の練習場所は、一応早朝の人がいない公園としましたが、深夜でもいいで
すし、人がいなければ神社などの境内でもいいです。狭間06で最適の場所は何処
になるのでしょうか?
 
 
吉GUY ji-guy@dike.dricas.com
    

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