[KATARIBE 15732] [HA06]EP: 『題未定(汗)』

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Date: Tue, 12 Oct 1999 18:32:37 +0900
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 15732] [HA06]EP: 『題未定(汗)』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199910120932.SAA16791@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 15732

99年10月12日:18時32分28秒
Sub:[HA06]EP:『題未定(汗)』:
From:久志


 ども久志@エンジン始動!です。

#いつエンストするかは不明(おい)

 ちょっとEPはじめてみます(ほんのり霊能気味)
ええと…登場キャラなんですが、個人的に巻き込む予定で花澄さん、
祐司さん、悠さんをお借りする予定です(^^;)
 他にも参加希望の方がいたら名乗り出てください(^^)

『タイトル未定(汗)』
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プロローグ
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 寒い…

 凍える手を摺り寄せ、息を吹きかける。しかし、吹雪の中ではその暖かさ
は一瞬と持たず身を斬るような冷たい風にさらわれていく。

 雪深い山村、小さなあばら屋の前で娘は立ち尽くしていた。

 寒い…

 吹雪にさらされ、雪に潰されそうな家屋。その古い柱も立て付けの悪い木
戸も、娘にとっては懐かしいものだった。この家で生まれ、十五でとなり村
に嫁ぐまでずっと育ってきた家なのだから。
 しかし、今は家に帰ることはできない。

 お前は今日から彼の家の嫁になるのだ。

 嫁いでいく日、父はそう言って娘が使っていた箸を二つに折った。

 お前が飯を食い、生きていくのは彼の家だ。
 お前はもう家の娘ではないのだから…

 寒い…
 目の前にある家、木戸を開ければ父がいる。母を早くに亡くし、男手一つ
で育ててくれた父が迎えてくれるはず。

 娘の小さな手に合わないからと、父が削ってくれた細い箸。
 父は折った箸を持ったまま背を向けた。
 さあ、いきますよ…と、彼の家の姑が娘の手を引いた。それきりだった…

 お前はもう家の娘ではないのだから
 帰れない、あの家には。

 さむい…
 かえりたい…

 雪が、埋め尽くしていく。
 白く

 白く…


折れた箸〜富良名裕也
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 吹利市、紅雀院大学。夕方にはまだ早く、昼というには日が傾いてる時間。
文学部、考古学研究室のドアがノックと同時に開く。

 フラナ   :「こんにっちは〜」
 祐司    :「ああ、いらっしゃい」

 行動を予測していたかのように、机には珈琲が入ったカップが二つ。勿論、
一つはフラナ専用である。

 祐司    :「そろそろ来る頃だと思ったよ」
 フラナ   :「あ、僕ミルク多め(^^)」

 ちょっとは遠慮しろ。

 祐司    :「はい、ミルク多め。ああここらへんは地方から見つかっ
       :た郷土資料があるから、少し向こうの方で飲んでもらえる
       :かな」
 フラナ   :「はーい、ってこれ…何?(じー)」

 机の上には古い懐紙に包まれた碗のようなものや木製のしゃもじのような
ものが白い布の上に広げられている。

 祐司    :「この間山林の工事現場で見つかったものらしいよ。おそ
       :らく、当時そこにあった村の出土品みたいだね。当時の生
       :活用品が多いみたいだ」
 フラナ   :「へぇ、少し見てもいい?」
 祐司    :「ああ、ちゃんと手を洗ってから見ていいよ」
 フラナ   :「はーい」
 祐司    :「その前に、丁度、教授の学会土産の薩摩揚げがあるんだ、
       :食べるかい?」
 フラナ   :「食べるっ」

 そして、一刻。机に並べられた雑多な品を手にとってあれこれ見回す。
 どれも生活品としてさほど珍しいものはないが、種類は多い。

 フラナ   :「色々あるんだね」
 祐司    :「珍しいものはないけれど、こういう日常品は当時の生活
       :が伺えるからね。他の地方との違いも結構あるものだよ」
 フラナ   :「へぇ…あ、これは?」

 取り上げたのは、葉書大の紙に包まれた物。

 フラナ   :「開けてもいい?」
 祐司    :「そっとね」

 色褪せた懐紙をゆっくりとめくる。何十にも包まれた中には細く黒いもの
が覗いた。

 フラナ   :「……お箸」
 祐司    :「だね」

 厳重に包まれた紙の中には一そろいの箸。なぜか真ん中から真っ二つに折
られ、丁寧にそろえて並べられている。

 フラナ   :「なんで折れてるのかな?」

 ひょいと箸を手にとって見る。

 祐司    :「多分、この箸の持ち主はお嫁にいったんだね」
 フラナ   :「え、どーしてわかるの?」
 祐司    :「昔の地方の風習で、聞いたことがあるよ。家の娘が嫁に
       :いく時に、その娘が使っていたお箸を折ったり、茶碗を割
       :ったりする風習があったんだよ」
 フラナ   :「なんで?」
 祐司    :「嫁いだ娘が戻ってこないように、この家の娘ではない、
       :ということをあらわすものだと思うよ」
 フラナ   :「なんだか寂しいね」
 祐司    :「昔の貧しい時代だったからね、きっと嫁いだ娘の事を想っ
       :て折った箸をいつまでも大事に取っておいたんだろう」
 フラナ   :「ふぅん…」

 そっと、手に取った箸を置く。触った感触がひんやりと冷たく感じたのは
気のせいだろうか…
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とりあえず、ここまで。って方向性が決まってない(^^;)

 ごんべさん、追加修正お願いします。
なんか大学での郷土品の扱い方って知らないもので(^^;)

 ええと予定として、雰囲気的に『ラブレター for you』みたいな感じで進
められるといいなぁと思ってます(^^;)
 乱入希望の人はどんな風に絡みたいか教えてください。





    

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