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Date: Mon, 27 Sep 1999 01:42:44 +0900
From: ソード <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 15439] [HA06P]: ふかもけとの遭遇=御剣司
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199909261642.BAA21948@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 15439
99年09月27日:01時42分36秒
Sub:[HA06P]:ふかもけとの遭遇=御剣司:
From:ソード
こんにちは、ソードです。
眠たい頭で2本だて(笑)
御剣司のふかともけとの遭遇です。
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もけとの遭遇=御剣司の場合
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登場人物
御剣司(みつるぎ・つかさ):コンピュータプログラマ。大手流通会社の情報
:システムを扱う会社に派遣中。
仕事場。いつもは数分と待たずに電話が鳴り、十数人が対応、開発をする職
場だが、さすがに夜の2:00ともなると、人気は無くなる。
先ほど、管理職が十数分仮眠を取るといって出て行き、オフィスには司一人
が残った。
司 :「まったく……優勝なんかしやがって……」
ぶつぶつ良いながら作業を続ける。
司 :「売り上げ伸びるのは勝手だけど、サポートするシステムの
:身にもなって欲しいよなぁ……」
日中と違い、静かで環境は悪くないが、なにぶん独りで何事もこなさねばな
らない。
開発とサポートを平行しているため、仕事量は少なくない。
もけ :「もけっ」
ノートパソコンの上に現れる、毛玉の様な物体。綱渡りのようにノートパソ
コンの淵をわたっている。
司 :「ああっ……早く夜間処理入れよなぁ……」
気づかず作業を続けている司。彼の目には液晶の表示板しか見えていない。
もけ :「もけ……もけ……も……もけけっ」
中ほどまで来たところで、バランスを崩してキーボードの方へぽとりと落ち
る。
もけ :(ぽとっ)
司 :「うわっ」
もけ :「もけ……」(ふるふる)
身体をふるふる震わせてから、司をはたりと見る。
司も、両手の真ん中に落ちてきた黒い毛玉のようなものを微動だにせずに見
ていた。
司 :「……まっくろくろすけ?」
昔見たアニメのキャラクターの名前(?)を口にする。
司の想像より一回りほど大きいが、良く似ていた。
もけ :「もけっ」
司 :「やっぱりそうなのか……すすわたり……っていったかな?」
もけ :「もけもけっ」
もけの主張は、司には通らない。
司 :「まっくろくろすけ出ておいで……ってか?」
もけ :「もけっ」
多少乱暴に、ノートパソコンのキーボードから飛び降りると、もう一度司の
方を見てから、机の蔭に消えた。
司 :「じゃーなー。まっくろくろすけ」
最後まで、まっくろくろすけと信じて疑わない司であった。
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ふかとの遭遇=司の場合
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登場人物
御剣司(みつるぎ・つかさ):流通業のサポートをしている情報サービス会社
:の派遣社員。
黒い毛玉、もけとの遭遇を果たした2日後。司はまたも夜勤のシフトであっ
た。
18:00から9:00までのシフトだが、連続するとさすがに疲れて来る。
司 :「くそ……優勝なんかするから2000年対応が遅れるんだ……」
いまだ、不満を口に出す。オフィスには彼一人であるから、聞かれる心配は
ない。
ふか :「ふかっ」
ノートパソコンのディスプレイの脇から、覗き込む白い毛玉のようなもの。
机が白を基調としたものなので、あまり目立っていない。
司 :「だいたい、後半年無いのに2000年対応してないなんて言い
:出すんじゃないよな……。開発する身にもなれって言うんだ
:……」
司は、相変わらず気づいていない。
ふか :「ふかっ」
ぱたぱた音を立てて動く司の指にじゃれるように、キーボードの上に飛び乗っ
て来るふか。
司 :「うわっ」
ふか :「ふかっ」
司 :「今度は……白いまっくろくろすけかよ……」
ふか :「(じー)」
またも、数年前のアニメのキャラクターの名前を出す。しかし、「白い」時
点で、「まっくろ」でも何でもないのだが……。
司 :「うーん、しろいしなぁ……まっしろしろすけか」
ふか :「ふか?」
司 :「まっしろしろすけ、ちょっとどいてくれよ、仕事できない」
かってに命名してしまう。ネーミングセンスが単純なのは、疲労と寝不足の
為であろう。
ふか :「ふかふかっ」
司 :「まっしろしろすけのほうは、ふかってなくのか」
ふか :「ふかっ」
またも、愛想を尽かし、キーボードから飛び降りるふか。
そのまま、ノートパソコンの裏に廻りこんでしまった。
司 :「おっ」
思わず裏を覗き込んだ司だったが、既にふかの姿はない。
司 :「まっしろと、まっくろが出てきたか……灰色とかも出て来
:るのかな……はいいろはいいろすけ……ごろ悪いな……」
違う命名は出来ないものか。司の寝不足の脳は、そこまでの想像力は残って
いなかった。
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ってなわけで。「司」偏でした。