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Date: Thu, 2 Sep 1999 11:43:07 +0900
From: ごんべ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 15182] [WP01P] EP 『前夜』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199909020243.LAA18539@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 15182
99年09月02日:11時43分05秒
Sub:[WP01P] EP 『前夜』:
From:ごんべ
ごんべです。
鞍馬のエピソードです。『鞍馬のお買い物』の続きです。ちと影響を受けて、
雰囲気がおかしいかも知れませんが、とりあえずアップします。ご意見ご感想
等、お聞かせ下さい。m(_ _)m
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エピソード『前夜』
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登場人物
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岡崎 鞍馬 (おかざき・くらま)
:生まれながらに人間離れした肉体を持つ小学生。
:放浪癖があり、現在不登校。
岡崎 有朋 (おかざき・ありとも)
:鞍馬の祖父。
本編
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夏休みを目前にした、ある夜。
鞍馬 :「……できた」
お気に入りのディパック……いつものよりは大きく、リュックと呼んでもよ
い……にあれこれと詰め込んで、荷造りが完成した。
昼間、あれこれと買い付けて帰ってきた時に比べると、なぜか半分以下の体
積になっている。
よく見ると、ゴミ箱の周りには各種の空き箱が綺麗に解体されて山積みされ
ている。あれこれ種類別に小分けにして、余分な包装は取って、ディパックの
中に整然と詰め込まれているのだ。おそらくベテランの登山家から見ても拍手
ものの手際だろう。……もっとも、普通の人に比べて、鞍馬が必要とするもの
は相対的に少ないのだが。
SE :コンコン
声 :「入るよ」
鞍馬 :「はぁい」
入ってきたのは、鞍馬の祖父。
鞍馬は祖父母と共に暮らしているのだ。彼らは鞍馬の父親の両親に当たる。
祖父 :「準備は……できたのかね」
鞍馬 :「うん」
祖父 :「いつ出るのかね」
鞍馬 :「明日は終業式だから、あさっての朝早くだね」
わずかな沈黙。
祖父 :「……なぜ……行くのかね」
鞍馬 :「……知ってるでしょ?」
祖父 :「…………」
鞍馬 :「…………」
祖父 :「どうしても行くのかね」
鞍馬 :「うん」
祖父 :「そうか……」
ほうっ、とため息一つ。
祖父 :「気をつけて行きなさい」
鞍馬 :「……はい(にこ)」
祖父 :「……(微笑)」
立ち上がって出ていこうとする祖父。
鞍馬 :「おじいちゃん」
祖父 :「ん?」
鞍馬 :「心配しなくていいから。ちゃんと連絡するし、…………
:ちゃんと帰ってくるからね」
祖父 :「……ああ、わかった。(微笑み、頷く) それじゃあ、
:お休み」
鞍馬 :「おやすみなさい」
明後日は出発の日……。
解説
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旅に行く鞍馬の身を案じる、鞍馬の祖父。
旅と言うにはあまりに特異なその行為に、鞍馬を駆り立てるものとは……。
2回目の1999年の夏、夏休みに入って早々に、鞍馬は長い旅に出ます。彼は
その旅で何を見つけてくるのでしょうか。
このEPは、その旅に出るまでのとある1シーンを描写したものです。
EP『中野決戦』の一週間後で、EP『決心』『鞍馬のお買い物』と同じ日の話
です。
時系列
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1999(2nd)年7月18日(日)の夜。
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ごんべ
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