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Date: Mon, 30 Aug 1999 01:55:59 +0900
From: ICHIKAWA Takuaki <bobu@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 15112] [HA06P] エピソード『3 kg のカレー』:完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199908291659.BAA06280@ms1.din.or.jp>
In-Reply-To: Your message of "Wed, 25 Aug 1999 01:32:46 +0900" <199908241635.BAA06565@ms1.din.or.jp>
References: <199908241635.BAA06565@ms1.din.or.jp>
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BOBUです。
とりあえず、修正した完成版です。
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エピソード『3kgのカレー』
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登場人物
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豊秋竜胆 (とよあき・りんどう):ベーカリーの常連
湊川観楠 (みなとがわ・かなみ):ベーカリーの店長
前野浩 (まえの・ひろし) :ベーカリーの常連
滝郁代 (たき・いくよ) :ベーカリーの常連
片山慎也 (かたやま・しんや) :ベーカリーの常連
佐久間拓巳(さくま・たくみ) :風見アパートの住人
本編
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竜胆 :「辛いよ〜〜」
ベーカリーでこんな悲鳴があがった。
観楠 :「あ、おめでとう。それ当たりだ(笑)」
竜胆 :「当たりってなによ〜」
そんなに辛かったのか、涙目になっている竜胆。
すかさず、前野がピッチャーからグラスに水を注いで竜胆に手渡す。
この気配り。さすがである。
観楠 :「あれ、言ってなかったっけ。ほらこれ。」
と、指さした先には貼り紙が。
カレーパンフェア実施中!
当たりが出ればもう一個。喫茶コーナーで食べた方限定。
なお、当たりのパンは中身の色が赤くなっています。
竜胆 :「……」
観楠 :「ってなわけで。はい、カレーパンもう一個」
竜胆 :「もう要りません……前野君、あげる(水ごくごく)」
パンを受け取った前野。観楠に確かめる。
前野 :「これは普通のカレーパンなんですよね?」
観楠 :「ああ、それは大丈夫。いつもの奴だよ」
からんからん。
と、佐久間がベーカリーに入ってきた。
郁代 :「……カレーといえば、ここに分析用のレトルトカレーが
:3kgあるんやけど。誰かいらん?」
慎也 :「あ、ほしいかも」
郁代 :「ちなみに1パックで3kgね」
慎也 :「う、それはちょっと……」
竜胆 :「それはちょっとほしいですけど……味はどうなんですか?
:バーモント、インド、ジャワ、ゴールデンのどれくらいで
:すか?」
後者三つは同じ位の気がするが……。
郁代 :「味見してへん」
前野 :「それって、何リットルぐらいあるんですか?」
郁代 :「ん〜、大体3リットルくらいやろか」
竜胆 :「それくらいなら大丈夫、ちょーだい、ください(>▽<)」
珍しく自分で料理する気になったんだろうか。
郁代 :「 ……一気に3リットルを鍋にかけるんか(汗)」
前野 :「寸胴がありますから。……でもカレーなら、レトルトじ
:ゃないちゃんとしたのを作りますよ?」
竜胆 :「うー…そっちのほうがいい、かな?」
それを聞きつけた佐久間。
佐久間 :「あの、それ譲っていただけません?」
郁代 :「ん?別にいいけど。何に使うん?」
佐久間 :「あ、うちの下宿に置いてあるカレーがほとんど無くなっ
:てまして」
慎也 :「それって…もしかして永久カレー?」
佐久間 :「ええ。今週は僕が当番なんですよ」
佐久間の住んでいる風見アパートには、昔から常にカレーで満たされている
鍋がある。
もちろん、無限にカレーが湧いて出るわけはなく、週代わりで当番をおいて
カレー鍋の中身が無くなってしまわないよう、常に補給しているのであるが。
これが永久カレーとよばれている代物である。
佐久間 :(よっし、これで今週のカレー代が浮いた〜)
郁代 :「あ、でもこれ分析用やから具は入ってないで。具は別に
:かってな。(笑)」
佐久間 :(がく)
なかなかうまい話は転がっていないものである。
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それでは。
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BOBU <Takuaki Ichikawa>
E-Mail : bobu@din.or.jp