[KATARIBE 15112] [HA06P] エピソード『3 kg のカレー』:完成版

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Date: Mon, 30 Aug 1999 01:55:59 +0900
From: ICHIKAWA Takuaki <bobu@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 15112] [HA06P] エピソード『3 kg のカレー』:完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
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 BOBUです。

 とりあえず、修正した完成版です。

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エピソード『3kgのカレー』
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登場人物
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 豊秋竜胆 (とよあき・りんどう):ベーカリーの常連
 湊川観楠 (みなとがわ・かなみ):ベーカリーの店長
 前野浩  (まえの・ひろし)  :ベーカリーの常連
 滝郁代  (たき・いくよ)   :ベーカリーの常連
 片山慎也 (かたやま・しんや) :ベーカリーの常連
 佐久間拓巳(さくま・たくみ)  :風見アパートの住人

本編
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 竜胆     :「辛いよ〜〜」

 ベーカリーでこんな悲鳴があがった。

 観楠     :「あ、おめでとう。それ当たりだ(笑)」
 竜胆     :「当たりってなによ〜」

 そんなに辛かったのか、涙目になっている竜胆。
 すかさず、前野がピッチャーからグラスに水を注いで竜胆に手渡す。
 この気配り。さすがである。

 観楠     :「あれ、言ってなかったっけ。ほらこれ。」

 と、指さした先には貼り紙が。


  カレーパンフェア実施中!
  当たりが出ればもう一個。喫茶コーナーで食べた方限定。
  なお、当たりのパンは中身の色が赤くなっています。


 竜胆     :「……」
 観楠     :「ってなわけで。はい、カレーパンもう一個」
 竜胆     :「もう要りません……前野君、あげる(水ごくごく)」

 パンを受け取った前野。観楠に確かめる。

 前野     :「これは普通のカレーパンなんですよね?」
 観楠     :「ああ、それは大丈夫。いつもの奴だよ」

 からんからん。
 と、佐久間がベーカリーに入ってきた。

 郁代     :「……カレーといえば、ここに分析用のレトルトカレーが
        :3kgあるんやけど。誰かいらん?」
 慎也     :「あ、ほしいかも」
 郁代     :「ちなみに1パックで3kgね」
 慎也     :「う、それはちょっと……」
 竜胆     :「それはちょっとほしいですけど……味はどうなんですか?
        :バーモント、インド、ジャワ、ゴールデンのどれくらいで
        :すか?」

 後者三つは同じ位の気がするが……。

 郁代     :「味見してへん」
 前野     :「それって、何リットルぐらいあるんですか?」
 郁代     :「ん〜、大体3リットルくらいやろか」
 竜胆     :「それくらいなら大丈夫、ちょーだい、ください(>▽<)」

 珍しく自分で料理する気になったんだろうか。

 郁代     :「 ……一気に3リットルを鍋にかけるんか(汗)」
 前野     :「寸胴がありますから。……でもカレーなら、レトルトじ
        :ゃないちゃんとしたのを作りますよ?」
 竜胆     :「うー…そっちのほうがいい、かな?」

 それを聞きつけた佐久間。

 佐久間    :「あの、それ譲っていただけません?」
 郁代     :「ん?別にいいけど。何に使うん?」
 佐久間    :「あ、うちの下宿に置いてあるカレーがほとんど無くなっ
        :てまして」
 慎也     :「それって…もしかして永久カレー?」
 佐久間    :「ええ。今週は僕が当番なんですよ」

 佐久間の住んでいる風見アパートには、昔から常にカレーで満たされている
 鍋がある。
 もちろん、無限にカレーが湧いて出るわけはなく、週代わりで当番をおいて
 カレー鍋の中身が無くなってしまわないよう、常に補給しているのであるが。

 これが永久カレーとよばれている代物である。

 佐久間    :(よっし、これで今週のカレー代が浮いた〜)
 郁代     :「あ、でもこれ分析用やから具は入ってないで。具は別に
        :かってな。(笑)」
 佐久間    :(がく)

 なかなかうまい話は転がっていないものである。

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それでは。
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BOBU <Takuaki Ichikawa>
E-Mail   : bobu@din.or.jp
    

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