[KATARIBE 15003] [HA06P] エピソード『緑の誕生日』完全版

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Date: Wed, 25 Aug 1999 00:27:32 +0900
From: Ryou Hanzawa <hanzawa@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 15003] [HA06P] エピソード『緑の誕生日』完全版
To: kataribe-ml@trpg.net
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ども、リューです。

完成版です。

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EP『緑の誕生日』
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ものうげな緑
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ベーカリーである。

 緑		:「はふぅ」

カウンターにくてっとなっている緑。

 SE		:からんころん
 司		:「こんにちは(パンとコーヒーを注文して、席へ)」
 緑		:「あ、こんにちはー」
 司      :「やあ、緑さん。……あれ?疲れているみたいだけど……」
 緑		:「うーん……」
 司      :「どうかしたの?」
 緑		:「いえ、あの……そんな重大なことではないんですけど」
 司		:「誕生日……だったんだよね? まあ、つまらないもので
 		:すが……」(小袋を渡す)
 緑		:「えっ……あ、ありがとうございますぅ〜。(ぼそっ) は
		:ぁ、慎也さん……忘れちゃってるのかな……」
 司		:「あれ?彼からは何もないの?」
 緑		:「ええ、このところ会ってないし……」
 司		:「そうか……まあ、アルバイトとかで用意してるのかもね」
 緑		:「そうかもしれませんねぇ」
 SE		: からんころん
 狼介		:「ちわーっす」
 司		:「ああ、天方くんか。こんにちは」
 緑		:「あ、こんにちは……あ、あれれ……髪の毛短くしたんで
 		:すか?」
 司		:「あ……ほんとだ」
 狼介		:「この間散髪に行って来たんです(……今度行くのは半年後、
 		:かな……)」

入ってきた狼介はスポーツ刈りになっていたのだった。

 狼介		:「で、なんか元気ないみたいですけどどうかしたんです
 		: か?」
 
 緑の様子を察した狼介が声をかける
 
 司      :「……」(コーヒーをすする)
 緑		:「ふぅ……いや、その……大したことではないんですぅ」
 狼介		:「だったら良いんですけど……」
 司		:「まあ……もう少し待ってたら、きっとくるよ」
 狼介		:「ん、誰がです?」
 司		:「ああ……えーっと……」
 緑		:「はふ(くてっ)」
 狼介		:「あ、言いにくい人なのでしたら無理に言わなくても構い
 		:ませんよ」
 司		:「彼女の……彼氏の人」
 狼介		:「………あ、あの人ですか。」
 司		:「うん」

慎也くん登場
------------
 慎也		:「(からんころん)ちゃわ〜」
 司		:「(よかった……)こんにちは」
 狼介		:「あ、どもです………」
 緑		:「(ぴくっ)あ……」
 慎也		:「あ、緑、来てたんだ」
 狼介		:(無言で二人から離れておく)
 緑		:「あ、はい」
 司		:「……(コーヒーをすする)」
 慎也		:「(緑の隣に座る) ごめんな、バイトとかで会えへんかっ
 		:て(苦笑)」
 緑		:「いえ、いいんです」
 司		:「(やっぱりプレゼントのバイトか……よしよし)」
 狼介		:「(司に小声で) 後は二人の問題でしょう、多分……」
 司		:「(小声) うん……そうだね」
 慎也		:「(手元の袋に気づく)……あれ?これどうしたの?」
 緑		:「あ、これは……司さんにいただいたんです」
 慎也		:「え〜、っと、ああ……(例のあの人か……)って……」
 司		:「(ぺこり)」
 狼介		:「???(何でまた、包みなんか……)」
 司		:「まあ……いちおう……ね。そんなたいした物じゃないで
 		:すよ」
 緑		:「え、えと……誕生日が……すぎたから……」
 慎也		:「あっ……(汗) ……」


前野くん登場
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 SE		: からんころん
 前野		:「ちわ〜……っと、居た居た」
 SE		: とさっ
 前野		:「はい、誕生日おめでとう(笑)」
 緑		:「え……あ、ありがとう……ございます(びっくり)」
 狼介		:「あ、今日は緑さんの誕生日だったんですか……」
 司		:「いや、数日過ぎてるんだけどね」
 緑		:「えと、そうなん……です」
 司		:「僕は、会う機会が無かったから……」
 狼介		:「なるほど。(誕生日か……知らなかった……)」
 前野		:「遅れちゃったけど、ごめんね。連絡だけでもしようと思
 		:ったんだけど、邪魔になると拙いかと思って」
 慎也		:「……いや、こっちも全然あって無くってね……(苦笑)」
 前野		:「じゃあ、慎也君も、今日プレゼントを?」
 慎也		:「えっ?……ああ、まあね……(^^;」
 緑		:「……」
 前野		:「じゃあ、誕生日パーティー開けばよかったなぁ、無道邸
 		:でやろうかって話になったんですよ」
 緑		:「え……そーだったんですかぁ」
 前野		:「慎也君と過ごすだろうから、遠慮しようってことになっ
 		:たんですが……」
 慎也		:「あ、そりゃ、悪かったね、前野君……(……あ〜俺としたこ		:とが、重大なミスを」
 司		:「……(彼、どうしたのかな?)」
 慎也		:「……(まあ、緑のことだから、謝れば許してくれるかも
 		:しれんが……せめてプレゼントの手配だけでも〜)あっ」
 前野		:「そういや、何を贈ったの?」
 慎也		:「ちょっち、ごめん
 緑		:「え?」
 前野		:「??」
 
 何かを思い出したようにベーカリーを出てゆく慎也
 
 司		:「さて、そろそろ帰らないと……(席を立つ)じゃあ、お先
 		:に」
 SE		: からんころん
 慎也		:「(携帯取り出して)え〜っと、八神、八神〜っと」
 司		:(慎也さんを見つけて)「……お金……大丈夫かい?」
 慎也		:「(ぴっ、ぴっ……ぷるるるる……)えっ? あ、何とか」
 司		:「……そう。じゃあ、がんばってね」

電話
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 慎也		:「(ぷるるるるる……)あ、どうも……」
 八神		:「あい、もしもし俺様」
 慎也		:「おう、やつ?シンだけど……急用やけど頼まれてくれ
 		:る?」
 八神		:「なんや?内容にもよるが?」
 慎也		:「お前、ネックレスとか作れる?」
 八神		:「まぁ材料とかはあるから何とかなると思うけど、なんで
 		:また?」
 慎也		:「いやあ、実は……俺としたことが、重大なミスをしてや
 		:ね……緑の誕生日、うっかり忘れてたんだわ(苦笑)」
 八神		:「あー、そういうことか。忘れてたってことは彼女、三月
 		:生れだな」
 慎也		:「そう、3月28日、とりあえず、プレゼントだけでも贈ろ
 		:うかと思って、頼まれてくれるか?」
 八神		:「了解、ネックレスよりいい物持ってってやる(ニヤリ)」
 慎也		:「たすかるわ〜、たのんだで、やつ」
 八神		:「ちょいと時間がかかるかもしれん、時間稼ぎはよろしく」
 慎也		:「すまん、恩に着る……っと……」

誕生日パーティ
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その頃店内

 前野		:「ところで、遅れちゃったけど、誕生パーティーやるとし
 		:たら、来てくれる?」
 緑		:「ええ、もちろんいきますよ(にこ)」
 前野		:「じゃあ、いつが良いかな?」
 緑		:「えーと、いつでもいいです……都合のいい日……決めて
 		:下さい」
 前野		:「じゃあ、今日」
 緑		:「え、ええっ……えーと、これから……ですか?」
 前野		:「拙いかな?」
 緑		:「ええーと、予定はないんでかまいませんけど……」
 慎也		:「(からんころん)あ、ごめんごめん……」

外で電話をしていた慎也が戻ってきた

 前野		:「じゃあ、後で迎えに行くね」
 緑		:「あ、はい」
 慎也		:「いや、ちょっと急用でね……(苦笑)」
 前野		:「あぁ、お帰り慎也君」
 慎也		:「ども」
 前野		:「慎也君も来る?」
 慎也		:「え?なに?」
 緑		:「私の誕生日パーティを……開いてくれるそうです」
 前野		:「忙しいなら、無理しなくても良いけど…」
 慎也		:「え?いや、全然おっけぇだけど?(ちゃ〜んす)」
 前野		:「急用は?」
 慎也		:「え?ああ……(汗)もう、済んだ」
 前野		:「へぇ」
 慎也		:「なにさ」
 前野		:「じゃあ、屋敷までのエスコートをお願いできるかな?」
 慎也		:「そりゃ、もちろん」
 緑		:「(くすっ)」


無道邸
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誕生パーティの最中、疲れたのかテラスに出る緑

 緑		:「はふぅ、ちょっと疲れたですぅ」
 
 既に日は沈み、空には星が瞬いている。
 
 SE		:「ガチャ」
 緑		:「ほえ?」
 
 ドアが開く音で振り向く緑
 
 慎也		:「ここにいたのか」
 緑		:「ええ、少し……疲れました」
 
 軽く額を押さえる緑
 
 慎也		:「大丈夫か、頭……痛いのか?」
 緑		:「ええ、大丈夫です」
 慎也		:「なぁ、緑」
 緑		:「なんですか?」
 
 椅子にもたれている緑の後ろに回りながら、優しく声をかける慎也
 
 慎也		:「ほい、これ……」
 
 すっと差し出した手の上には、小さい小箱が乗っていた
 
 緑		:「これ……」
 慎也		:「プレゼント……まだだったからな」
 緑		:「わぁ、開けていいですか?」
 慎也		:「いいよ、あけてごらん」
 
 緑が小箱を開けると、中に入っていたクッションの上に一つの指輪が乗って
 いた。
 
 緑		:「慎也さん……これ……」
 慎也		:「ん?(やつの野郎〜、指輪作るとは聞いてないぞ〜)」
 
 誘われるようにすっと指輪をはめる緑
 それは吸い付くようにぴったりとはまった
 
 慎也		:「なぁ、緑……」
 
 真剣な眼差しを向ける慎也
 
 緑		:「はっ、はい(汗)」
 
 思わず緑も真剣になる
 
 千影		:「あっ、いたいたぁ」
 美々		:「主賓がこんな所で油売ってちゃいかんやろ」
 
 会場から姿を消した二人を捜してたらしい
 
 千影		:「記念撮影するんだって、みんな下に集合してるよ」
 慎也		:「(ふぅ)行くか」
 緑		:「はいっ」
 
 こうして無道邸で緑の19歳の誕生日会は終焉を迎えるのである。
 
 
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99年 8月24日
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Name:半沢 陵
Hundle:リュー
E-Mail:hanzawa@din.or.jp
Postpet:ryu2001@geocities.co.jp
PHS:ryunryun@pdx.ne.jp


99/08/25 00:26:09
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Hanzawa Ryou   ,x.
半沢 陵     .::;"`                                      UIN:6828025
リュー     ,:;+'   hanzawa@din.or.jp
          *;'      http://www.din.or.jp/~hanzawa/
        ☆~        "ポストペットも待ってます!ryu2001@geocities.co.jp"

    

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