[KATARIBE 14536] [HA06]EP: 「宵待ち花火」

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Fri, 30 Jul 1999 20:54:14 +0900
From: 勇魚  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 14536] [HA06]EP: 「宵待ち花火」 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199907301154.UAA15172@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 14536

99年07月30日:20時54分12秒
Sub:[HA06]EP:「宵待ち花火」:
From:勇魚


こんにちは、勇魚です。お久しぶりです。
仕事してたらいつのまにか研究室にひとりになっちゃったので、ここぞとばかりにえぴそど書きです。
…って、ほんとは現実逃避してちゃまずいんだけどなぁ…

同居してるはずなのに、そういえば美都さんとユラの会話シーン、ちゃんと書いてなかったな、と。

てなわけで

******************************************************
「宵待ち花火」

 日射しが傾いて、最後に店中を満遍なく燃え上がらせた後、ようやく暑さが一息をついた。
 からん、と涼やかにドア・ベルが鳴る。開いたドアからは音とうらはらに熱気の抜けない空気が流れ込み、カウンターの美都は今更のようにクーラーが動いていたことを思い出した。

美都:「いらっしゃいま…あ、ユラさん」
ユラ:「ただいま。今日は学校の方、早く済んだから」

 言いながらユラは鞄をカウンターの奥に放り込み、さっさと美都の隣に立った。

ユラ:「…あっつ…。髪、ちょっとは切ったほうがいいかなぁ…」

 お客のいないのをいいことに、「学校用」にきつく結い上げた髪をほどき、「接客仕様」のゆるいひっつめみつあみに結い直し始める。夏の光と空気をたっぷり含んだ黒髪の束は側でゆれるだけで熱を発散し、美都は苦笑いを浮かべて少し場所を空けた。

ユラ:「あ、暑苦しい?ごめんねぇ、お行儀悪くってさ」

 ユラの口調は時間帯で変わる。大学から帰って来たばかりの時はこんな崩れた口調。暫くするうちにいつのまにかしっとりと柔らかな物腰に変わっている。…ほら。

ユラ:「美都さん、今日、これから予定ある?」
美都:「予定…ですか?」
ユラ:「あ、いいのよ。夕方…暗くなってから暫く、くらいまで。空いてるかしら?」
美都:「…ええ、それなら…」
ユラ:「よかった。今日は早く退けたから…ちょっといいもの、用意したの」
美都:「…って?」
ユラ:「うん、あとでね。30分して、お店閉めちゃってから」

 それきり、あとは嬉しそうににこにこ笑っている。

 閉店までに二人、来たお客の相手をする間も、ユラはずっと楽しそうだった。
 普段は時間を過ぎても暫くは開けている店をさっさと終うと、うん、と背伸びをしながら、ユラは美都を振り返った。

ユラ:「美都さん、浴衣、まだ持ってなかったよね?」

 とんとん、と階段を登り、失礼、とつぶやきながら美都の部屋のふすまを開ける。和室の隅のたんすの下から二番目の引き出しに手をかける。

ユラ:「ええと…これと、これと、これかな。せっかくだから、浴衣、着ましょ。好きなの、選んで」

 美都が今まで触ったことのなかった引き出しから次々と白い畳紙の包を取り出し、美都の目の前に開いて、ユラはにっこりと首を傾げてみせた。

美都:「これ…」
ユラ:「庭で、花火しましょうよ。で、せっかくだから浴衣。ね?」

*************************************************************

というわけでひとまずここまで。
加筆修正など、お願いします>ソードさん

あと、浴衣の柄のリクエストなどありましたらよろしくです。
それと…この日の夜、美都さんは何か予定入れていることに…しましょうか?
どこか行きそうなところ、あるでしょうか?
そのへんもよろしくお願いします。

ではまた。

from 勇魚 (n_itokazu@hotmail.com)






    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage