[KATARIBE 14430] [WP01P] 「題名未定」暫定版

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Date: Thu, 22 Jul 1999 23:00:04 +0900
From: ICHIKAWA Takuaki <bobu@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 14430] [WP01P] 「題名未定」暫定版
To: kataribe-ml@trpg.net
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どうも、BOBUです。
IRCログ「荘司の受難」をEPになおしてみました。

暫定版なので形式は整ってません。

私の判断で、台詞などを削除、追加、変更しています。
不都合があれば、台詞&ト書き、がしがし修正してくださいませ>関係者の方々

#題名、元々は「荘司の受難」でしたけど、どうしましょう……

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エピソード 『』
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うちに来ない?
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3月も下旬。春休みに入ったある日。
珠希、有希、荘司の3人は、新宿まで買い物に出ていた。
といっても、買い物をするのは女性陣であって、荘司は荷物持ちとして駆り
出されただけだったが……。

珠希:「はあ、疲れた。そろそろ帰りましょ?」
荘司:(やっと帰れるのか……)
有希:「そうね、もうこんな時間だし」

 時計を見ると、既に7時を回っていた。

珠希:「そうだ、2人とも今から家に来ない?」
有希:「え、わたしはかまわないけど?」
珠希:「じゃあ、きまりね。荘ちゃんももちろん来るでしょ?」
荘司:「え……」

 言いよどんだ荘司の目を見て。

珠希:「来るわよねぇ、もちろん」
荘司:「うん……」
珠希:「じゃ、行きましょ」

1時間後。3人は桜居家の前にいた。

珠希:「はぁ、着いた。みんな適当に上がって」
有希:「ほーい」
荘司:「おじゃまします……」

どやどや。
珠希の部屋に案内される二人。

珠希:「んー、2人ともビールでいいかしら?」
有希:「甘いのがいい〜」
荘司:「僕は何でもいいよ」
珠希:「じゃ、有希ちゃんはサワー系ね。アルコールもジュースもあるから適
当に混ぜて」
有希:「わかった〜」

机の上にアルコール類と乾きモノを並べる珠希。

有希:「それじゃ、かんぱーい!」

 ごくごくごく。

有希:「ふぅ〜」


あのことは秘密に
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しばらく、女2人で話が弾む。ひとりちびちびと飲む荘司
そんな荘司に気がついて、珠希が話し掛ける

珠希:「荘ちゃん、やたらしおらしいじゃない。最初に会ったときはいきなり
脅迫まがいのことしてきたくせに」

目に見えて狼狽する荘司。

荘司:「あ、あの時は…しょうがないじゃないか」
珠希:「しようがないだって、聞いた? 有希ちゃん」
有希:「え? 荘司君、なにかしたの?」
珠希:「こんなか弱い少女に、いきなり『あなたの首が落ちます(声真似)』
とか言ったのよ」

あわてる荘司。

荘司:「うわ、やめてやめて! それ以上言わないでよ」

そんな荘司の様子に吹き出す珠希

珠希:「あは。あの後のことまだ照れてるのね」
有希:「んー? 気になるぞー」
荘司:「有希さんまで……たいしたことじゃなんだから、気にしないでくださ
い」
珠希:「実はねえ……(ひそひそひそ)」

有希に事の次第を話そうとする珠希。
それを見て、荘司は珠希の口をふさごうとする。

荘司:「あああ、やめてってば」
珠希:「わかったわよ……」

笑いながら有希から離れる珠希。
そして、荘司に耳うち。

珠希:「ま、当分二人だけの秘密って事にして置いてあげるわ」
荘司:「できれば一生秘密にしといて……」
珠希:「フフッ、さあねえ」
荘司:「くく〜(ごくごくごく)」
珠希:「いい飲みっぷりねー、もしかしてイケルほう?」
荘司:「今日はそういう気分なんだ。ほら、桜居さんも空になってるよ」

とくとくとく

珠希:「あら、ありがと」

ごくごく


水稚登場
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そんなわけで、また3人が飲みだした時。

ぴんぽ〜ん

と呼び鈴が鳴った。

珠希:「うっ……誰こんな時間に…(フラフラ)」

窓から外を覗くと、そこにはにこにこと笑っている水稚の姿があった。

がちゃっ

水稚:「やっ、たまちゃん呑んでる?(にこにこ)」
珠希:「あ、女、王ーじゃない。今有希ちゃんと荘ちゃんも、いる…わよ。ま、
適当に上がって(うっぷ)」
水稚:「はい、差し入れ(にこにこ)」

と、手に持った袋を差し出す水稚。
珠希が中を覗くと、中にはソフトドリンクとつまみが入っている。

珠希:「あ、アリガト」

珠希の部屋にはいると、そこには既にできあがった面々がいた。

有希:「きゃははははははは」
水稚:「あらあら……あんま呑めないんでしょ? 無理しちゃ駄目よ」
荘司:「あ、こんばんはです〜」

有希ほどではないものの、荘司もへろへろになっている。

水稚:「なんか、みんな可愛く酔っちゃってるわね〜。有希ちゃんはなんかご
機嫌だし(くすくす)」
珠希:「ハイ、適当に飲んで(ビールの缶突き出す)」
水稚:「はいはい(くすくす)」
有希:「きゃはは……(こてん、ぐー)」

疲れたのか寝てしまう有希。

珠希:「あら、有希ちゃん寝ちゃったわね」

酔いが回ってきたのか、べたっとへたり込んでしまう珠希……ふと、荘司の方
を見て。

珠希:「(ぐてー)なーに、へれへれしてんのよー! ホントちょっと可愛い
子見るとすぐコレねー」
荘司:「そんなことないよ」
珠希:「ホントかしら? 怪しいモンねえ。荘ちゃんって、いかにも免疫無さ
そうだし」
水稚:「あら、こんな子が意外とやり手だったりするのよ?」

水稚はくすくすと笑った。

荘司:「そんな事無いですよぉ」
水稚:「どうかしらねぇ(くすっ)」
珠希:「……じゃあ、例えば水稚ちゃんみたいな人に迫られたらどうするの?」
荘司:「はぁ? そんなこと、あるわけないだろ」

水稚の方をちらっと見ながら答える荘司。

珠希:「あ、うわずってるわねー」
水稚:「ふふ……あたしは、荘司君みたいな子は好きよ(にこっ)」
珠希:「だって、良かったわねえ、お姉さまに好かれて」
荘司:「ま、またそんな冗談ばっかり……」

顔が赤くなるのは酔いのばかりではないようだ。
それに気付いたのかどうか。

水稚:「だって、可愛いじゃない……ほら、こんな真っ赤になっちゃう所なん
か…」

水稚は手を伸ばすと荘司の頬を撫でる。

荘司:(あうー)(困)
水稚:「こんなおばさんじゃ、困っちゃうかしら?」
荘司:「えと、あの、その…(真っ赤)」
水稚:「困らせちゃ駄目よね……」

笑って手を離す水稚。
それを横目で見ながら珠希は新しい缶を開けた。

珠希:「……勝手に行くトコまで行きなさいよ」

なんとなく沈黙が広がる。
やがて珠希はつい、と立ち上がると。

珠希:「……ちょっと夜風当たってくるわ」

珠希は外へ出ていった。

しばらくして。

水稚:「有希ちゃんも、こんな所で寝ちゃって…」

水稚は有希に毛布を掛けると、ふと思いついたように、

水稚:「荘司君?」
荘司:「は、はい」
水稚:「たまちゃん大丈夫かしら……気にならない?」
荘司:「……そ、そういえば。ちょっと見てきます」

そう言って荘司は出ていった
それを見送った水稚はくす、と笑うと。

水稚:「さってと……なんか作ろうかしら」

 少し後、台所で包丁の音が響いていた。


道端にて
--------

珠希はすこし離れたところで電信柱にもたれていた。

珠希:「飲めもしない酒飲み過ぎたわね…」
珠希:「…それにしても、あの二人どうする気かしら。なんだか私の部屋でい
い感じになられるのも気に入らないわねえ(ムカムカ)」
珠希:「ふぁ……なんか……眠……」

少しして、荘司がやってきた。

荘司:「こんなところで寝てるしなぁ」

なんとなく寝顔にみとれてしまう

荘司:(寝てるときは可愛いのになぁ)
珠希:「……うーん……」

 珠希の声で我に返る荘司。
 なんとなく気恥ずかしくなって珠希を揺さぶる。

荘司:「桜居さん、起きたほうがいいよー」
珠希:「ん……あれ、私こんなところで寝ちゃったの?」
荘司:「まったく、こんなとこで寝てたら風邪引くよ」
珠希:「あ、うん、そう…ね。ッテ、女王はどうしたの?」
荘司:「女王…って水稚さん?部屋にいると思うよ」
珠希:「じゃなくて、いいの? こんなところに来てて」
荘司:「どうして?」

 何か問題でもあったのだろうか?すこし不安になる。

珠希:「仲良くなるチャンスだったんじゃない?」
荘司:「?」

 怪訝そうな顔をした荘司を見て、珠季は思わず吹き出した。

珠希:「……ぷッ、馬鹿らしくなっちゃったわ。さ、帰りましょうか」
荘司:「大丈夫なの?さっきまでふらついてたけど」
珠希:「そう思うなら、おぶりなさいよ」
荘司:「はいはい」


そうして夜は更けていく
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珠希:「ああ、飲み過ぎたわね、頭ガンガンするわ」

帰り道、頭を押さえて言う珠希。

荘司:「大丈夫?……じゃないね。もう少しだからさ」

また、しばらくして。

珠希:「こうしてると男の子ね、荘ちゃん」
荘司:「あたりまえだろ……」

玄関を開けると、中からおいしそうな匂いが広がった。

珠希:「あ、なんかいい匂いするわね」

荘司の背中から飛び降りると、家に飛び込む珠希。

水稚:「あら、元気になったのね。温麺を作ったけど、食べる?」
珠希:「ありがとう、水稚ちゃん。お腹空いちゃったわよ」

向こうで交わされている会話を聞きながら、荘司はそっとため息をついた。

珠希:「荘ちゃんはどうするの?」
荘司:「あ、僕もいただきます」

こうして桜居家の夜は更けていくのであったー

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それでは。
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BOBU <Takuaki Ichikawa>
E-Mail   : bobu@din.or.jp
    

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