[KATARIBE 14339] [HA06P]:EP: 「野菜炒めの作り方」

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Date: Fri, 16 Jul 1999 10:55:41 +0900
From: ソード  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 14339] [HA06P]:EP: 「野菜炒めの作り方」 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199907160155.KAA30274@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 14339

99年07月16日:10時55分37秒
Sub:[HA06P]:EP:「野菜炒めの作り方」:
From:ソード


こんにちは、ソードです。

 昨夜のチャットから、EPに変換し直しました。

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エピソード「野菜炒めの調理法」
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登場人物
布施美都(ふせ・みと)
    過去の記憶、記録の無い少女。グリーングラスの居候。
紫苑(しおん)
    金属生命体。最近芽生えた「感情」に戸惑っている。

昼食前、グリーングラス
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 美都     :「おわったぁ……。とりあえず休憩」

 店番をしていた美都が、台所に現れる。
 これから自分の昼食を作らねばならないのだ。

 紫苑     :「♪〜(じゃじゃー)」

 鮮やかな手つきで炒め物をしている紫苑がいた。普段は美都が作るわけだが、
手つきが明らかに違う。

 美都     :「紫苑ちゃん……うまいね……」
 紫苑     :「ええ、料理するのって好きですから」
 美都     :「……あたし……そのフライパンで物飛ばすのやりたい」

 発現は興味本位のようだが、目は真剣である。

 美都     :「紫苑ちゃん、教えて!」
 紫苑     :「ええ、いいですよ、それじゃ交代しましょう」
 美都     :「うん……」(フライパンを受け取る)
 
 そういって、フライパンを受け取る美都。真剣な顔をして炒め始める。

 美都     :(ぢゃー)
 紫苑     :「こう、手だけでなく、腕全体を使ってやるんです」

 後から美都の手を取ってレクチャーする紫苑。美都の手を包むように自分の
手を置き、フライパンを動かす。

 美都     :「うん、分かった……えいっ」(いきなりフライパンを跳ね
        :上げる)

 中の野菜が飛び散らなかったのは、幸運といえるだろう。

 紫苑     :「それではダメです、もっと腕全体を使って……こう!で
        :す」

 紫苑の手を借り、フライパンの中の野菜は、奇麗に弧をを描いて直火を浴び、
またフライパンへと戻る。

 美都     :「やったぁ……」
 紫苑     :「うまいですよ、その調子です」

 振り向く美都。ちょうど、背中から紫苑にぴったりと寄り添われていること
に、たった今気がついたらしい。

 美都     :「あ……紫苑……ちゃん?(どきどき)」
 紫苑     :「どうかしましたか?(顔をのぞき込む)」
 美都     :「……」

 そのまま動かないため、結果的に見詰め合う格好になってしまう。台所に、
野菜のこげる音だけが響いていた。

 美都     :「なんか……焦げ臭い?」
 紫苑     :「あ、ああ焦げてますよ」
 美都     :「ええっ……ああああぁぁぁぁ……。また……失敗したぁ
        :……もうっ、紫苑ちゃんのせいだからねっ!」

 ただの八つ当たりをする美都。体を離し、こげた野菜を皿に移す。……まあ、
食べられるところが無くも無い。

 紫苑     :「え、私のせいですか?すみません」
 美都     :「……ばか……」

 彼が冗談を理解するのには、もう少し時間がかかりそうであった。
 照れと自己嫌悪で、それからしばらく紫苑の顔を見れない美都であった。

解説
 料理の得意でない美都が、実は料理どころか、家事全般得意な紫苑に料理を
教わる話。


********************************
 という所で、終わりです。
 リューさん、修正お願いします。

 では……また。




    

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