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Date: Wed, 14 Jul 1999 22:27:32 +0900
From: Kakeru Aozora <kakeru@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 14288] [HA06]EP: いなくなったクロ
To: kataribe-ml <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <378C9044348.F809KAKERU@mail.trpg.net>
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かけるんです
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エピソード『クロ探しに苦労する』
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登場人物
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蒼空かける(あおぞら・かける) ねこみみふぇちな光使い。風見アパート住人
中渡 潤(なかわたり・じゅん) 風見アパートの大家の孫娘。中学1年生
いなくなったクロ
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かける :「ふぃ。今日も暑くなるねぇ」
空を見上げて開口一言。雲ひとつない真っ青なドーム。
かける :「日曜はすることないし。ベーカリーで涼むかなぁ」
とか言っていると
潤 :「おーい。クロやーい」
大家のお嬢さんが声を張り上げて叫んでいる。どうでもいいが眼鏡っ娘である。
かける :「どうしたんだい?」
潤 :「クロが帰ってこないんです」
かける :「クロというと、あの白猫か」
潤 :「……(ふぅ)クロ、見かけませんでしたか?」
かける :「いいや」
潤 :「そうですか……失礼します」
潤は再び、声を張り上げながら探し始める
かける :(ちょっと調べてみるか)
手首を軽く振る。黒い袖から、小さな鏡が手の中に収まる。
かける :(クロくろ黒kuro〜)
対象を頭の中に思い浮かべる。
かける :(ふむ)
緑の中にうずくまる黒い影。木の上かな?
かける :(けっこうたかいなぁ……てことは)
木の上にはなにがある
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風見アパート近くの小学校の前。
校庭には、サッカーボールで遊んでいる中学年ぐらいの子供たちしかいなかっ
た。ゴールの後ろの自転車が陽光にきらめく。
かける :「いたいた」
校舎近くの大銀杏。その木の上に、黒い影。普通の人だと気づきようのない小
さな影を、銀杏の葉を透視して見つける。
かける :「おりてこーい」
気が付いた様子がない。
かける :「おーい。猫皇帝だぞ〜」
なぜそんなものを持ち歩いているのだ(^^;
それでも、反応無し。
かける :「……降りられないのかなぁ」
かける、銀杏の幹に手をかけ
かける :「よいしょ」
かける :「よいしょ」
かける :「よいしょ」
かける :「よいしょ」
ずるっ
かける :「あうっ」
かける :「よいしょ」
かける :「よいしょ」
かける :「よいしょ」
かける :「よいしょ」
かける :「よいしょ」
ずるっ
かける :「……」
かける :「……はしご借りてこよう」
到着
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学校にいた先生に事情を話し、倉庫から脚立を持ってくる
かける :「……よいしょっと」
枝の上の丸い影
かける :「……眠っている(^^;」
そーっと手を伸ばし、包むように触れる
クロ :(なきごえ)
耳をぴくっとうごかす。目を開けて、くるりとこっちを見る
クロ :(たったった)
あっ。とかけるが思った瞬間。幹の上を走り出す。
かける :「おい、ちょっと待て」
ずるっ
かける :「え?」
………………………………………
…………………………
……………
自由落下
クロ :(鳴き声)
走り去る足音が聞こえたかもしれない。
帰還
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かける :「えらい目にあった」
足をひきずりながら風見アパート前。
潤が猫を抱えているのがちらりと見えた。
かける :「……さて、仕事にいきますか」
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蒼空かける kakeru@trpg.net
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