[KATARIBE 14263] [proceeding] 成果物作成企画としての軌跡と分析

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Date: Tue, 13 Jul 1999 19:18:18 +0900
From: KATARIBE Designer  FURUTANI Shun-ichi <sf@kataribe.com>
Subject: [KATARIBE 14263] [proceeding] 成果物作成企画としての軌跡と分析
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成果物作成企画としての軌跡と分析
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語り部というコミュニテイの目的はなにか
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[sf] 語り部(のうち特にコミュニティ面)は、なんのためにあるのだろうか。っ
てのは明確でないよなあ。少なくとも参加者によって違うというのはあるわな。
現状認識としてね。
[gallows] ふむ
[Djinny] みゅう
[sf] 成果物を作成する作業団体なのか、キャラクターで色々と遊ぶ(一過性の
もの)がメインなのか、とかも人によってちがうわけだ
[Djinny] でも、そこが魅力でもあるわけでしょ>ちがいがある

 そう。自由に好きなだけ好きな形で参加できる。それが本来の魅力のはずな
んだけど。四十六時中参加してないと追っつかないような傾向はあるんだよね。
 もっと単発中心のセッション的なものを動かしたほうがいいんだろうけど。
もしくは、長編エピソードを上手く動かす方法をつくるとか。
 ま、労働力だけどね。結局。

[sf] 
 いちおう(ログ整理も含めた)作業的には、成果物としてエピソードなどの創
作やらルール関係やサプリメントや資料なんかを整備していくというのが、示
唆されている方向性ではあるけどね。
 これはなんというか『遊ぶのに便利だから整理しているうちに作ること自体
が目的化した』というのが推移かも知んない。などとも思える。
[gallows] なるほど。一番最初はエピソードって形式もなっかたわけですもんね
[sf] まあね
[Djinny] ふむふむ


歴史的経緯でいえば
------------------
 記憶モードなので誤認もあるかもしれんが。

	[sf] 1.パソコン通信でTRPGのファンが出会い、オンラインで遊んで
	みようということになった
 BBS鬼丸ですな。

	[sf] 2.取り敢えず私の作成していたルールに語り部という名前をつ
	けて、それで遊ぶことにしてみた
 内輪で遊ぶために作成していたルールの最新版が汎用化して利用できるのに
気がついたので……という経緯。

	[sf] 3.同時アクセスできない一行掲示板のようなもので、セッショ
	ンをだらだらとやっていた
 一日一アクセスだから、たいへん進みませんでした。だんだんだれて来るし
ね。

	[sf] 4.参加者のひとりが夜間のみのホストを立てて、その目的に
	『語り部のサポート』を置いた
 SW-NET、のちの語り部通信倶楽部。

	[sf] 5.メッセージセッションのようなものを中心に色々と遊ぼうと
	努力していた。あとはまあ、ルールの整備とかね。
 でもまあ、この時点で手を広げすぎて破綻してる。

	[sf] 6.結果として得られた対話をもとにルールの整備を進めたり、
	サプリメントを作成したりと(私か頑張って)作業が進んだ。
 この時期の遺産で動いてるようなものだよな。TRPGとしての語り部って。

	[sf] 7.セッションログやリレー小説を整理して掲示する習慣があっ
	た
 規模としては小さいわけですけどね。

	[sf] 8.よその私がTRPGボードのボードオペをしていたところで狭間
	の原型設定を利用してセッションをはじめた
 UG-NETのTRPG掲示板ですね。この頃一番良く書いていた。

	[sf] 9.そこで語り部でのキャラメイクのためのツールとして『自分
	自身のPC化』という作業を開発した
 実際には経緯としてはオフ会でのやつのほうが先だったような気もするが。

	[sf] 10.語り部のサポートBBSに、狭間の設定およびキャラ化の概念を
	持ち込んだ
 停滞状態になってたんだっけな。

	[sf] 11.キャラ化で作成したPCで会話させて遊んでみたりというもの
	があった
 まあ、キャラトークで遊んでみるというやつですね。「あなたならどうする」
とかは、この時期の企画だったわけで。

	[sf] 12.楠さんのキャラ化の作業の中から、キャラクターの会話を複
	数の人間が増補していく形話を組み立てるという遊びが自然発生して
	普及した
 ここから今の形式のエピソードが動くわけではあります。この時期のメンツ
はIRCにいる以外は壊滅しとるかな。

	[sf] 13.私が狭間の設定データについて整理して圧縮ファイルにし、
	月坂史葉さんがそれを切り出し・編集して整理し、圧縮ファイルとし
	て掲示した
 ここでようやっと成果物としてのエピソードという意識が発生したわけです。

	[sf] 14.結果として『できあがった』話を整理して『成果物』として
	まとめ発表し、宣伝のために配布自由でばらまくという作業が行われ
	るようになった。
 結果としてであり、個人の努力の結果なのね。

	[sf] 15.転載されたエピソードなどをみて、あらたに参加する人が出
	てきた
 まあ、ちょびっとだけど。

	[sf] 16.全体としてHA06コードが『自分をもとにしたキャラクターを
	作成して色々と遊ぶ』という企画になった。
 成果物が作成されることによって、そういう意識が生まれてきたわけ。

	[sf] 17.語り部通信という雑誌と、その特集記事としてのエピソード
	作成という企画の遊びかたについての定式化があった。
 setextで書かれたテキストファイルを色々と入れた圧縮ファイルによる雑誌。
特集記事としてがりがりとみんなで何か書こう、という気分を作ってみたわけ
ですが、結局努力は長くは続かんもので。

	[sf] 18.インターネットの時代となり、成果物をWWWにHTMLとして掲
	示するようになった
 いま使っているツールは、語り部通信の時期とこの時期に整備したものです
ね。

	[sf] 19.いろいろあって語り部メーリングリストが作業の場として
	成立した。
 相互転載による情報流通。この始まった時点で既にHA06の比重は高かったも
のの、結果としてMLが肥大化を増大させたと意識してます。じっさい、現在の
MLでも、平行して色々と進むかってと難しい。がりがりと企画主導する人がい
れば別だけど。

	[sf] 20.WWWで読んで参加する人が増えてきて、結果として複数掲示
	板を利用できるパソコン通信時代よりもHA06の比重が極端に高くなっ
	た

[Djinny] ふむぅ
[sf] これはメーリングリストがひとつのコミュニティであり、話題が複数並
列で長期にわたっては動かしにくいということであります。労力的にね。

	[sf] 21.最終的に編集・掲載体制が破綻する
[Djinny] うっぐ

 まあ、最初から負担を見越して作業体制があったわけでもないわけですから
ね。サークル的分業体制とオンライン環境の相性の悪さも認識していましたし。
 ただまあ、チャットによる連絡体制が整備された現在では、当時よりは組織
的作業が容易になっているかも知れない。

	[sf] 22.プチチャット、一行掲示板、そしてIRCという対話型メディ
	アが良く使われるようになる

[sf] でまあ、チャットはもともとは対話性を利用して、あつまってセッショ
ンをするものとして利用されていたのでありますが。テレホーダイの普及とあ
いまって、みんな深夜(といっても一時ごろまで程度が普通だけど)に、だらだ
ら繋ぐことができるようになって。

	[sf] 23.チャットにとりあえず集まって、キャラ会話ができるように
	なった
[sf] というわけですな
[gallows] なるほど……
[Djinny] ふむぅ
[sf] ここで『インターネットに参加していない人間との情報格差・参加機会
の格差』という問題が明確になり(当時はMLが相互転載されていたパソコン通信
のみの人も多かった)ログのたれ流し体制が確立されたわけです

[sf] でまあ、なにかと楽なわけで。チャットがメインになり、MLが衰退した
りした。そのあと、いろいろとあって(……)。チャットログの転送が止まり、
一時期たいへん衰微しましたが、私がIRCログの分割整理をして、MLへの転送
を再開し、現状に至る。という感じかなぁ
[Djinny] うーむ
[gallows] 労力増える一方ですねえ……
[Djinny] 大変だ……


既に企画としては死んでいる
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[sf] しかしまあ作業量的に二年以上前から『設定が回収できない』という問
題があり、一年前からは『そもそも成果物を掲載できない』状態になってしまっ
たわけで。
[gallows] 大変なのはホントにそうなワケで、どうすりゃいいのか。そもそも
結局のところなにが当面のネックなのか…くはー、アタマガハタラナカナイ

[sf] 
	『何をすべきかの主導と積極的な展開』
	『成果物や検討会話からの設定の回収』
	『中間生成物からの成果物の構築』
 この三つが機能しないと『成果物の作成公開を目的とする』というには力不
足だろうと思う。
 そして一番めは参加者のアクティブメンバーに頼り、二番目は共通の記憶に
たより、三番めは整理した人がいればそれを公開する程度に堕しているのが、
現在のHA06のありようではある。

[gallows] なるほど
[sf] あえて言えば、とうの昔にゾンビ状態なんだわな。

$$

sfこと古谷俊一 / 奈良県香芝市在住 / ICQ # 6549565
電網工房・匠 http://www.koubou.com/ 運営者(個人事業)
<URL:http://kataribe.com/> 創作TRPG 語り部総本部
TRPG専門サービスプロバイダ TRPG.NET <URL:http://www.trpg.net/>
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