[KATARIBE 14189] [HA06P] 『命の光(仮)』

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Date: Mon, 12 Jul 1999 00:05:36 +0900
From: ICHIKAWA Takuaki <bobu@din.or.jp>
Subject: [KATARIBE 14189] [HA06P] 『命の光(仮)』
To: kataribe-ml@trpg.net
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ども、BOBUです。

IRCログより〜

題名は仮の物です。
もうちょっと気の利いた題名をどなたかつけてください〜

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エピソード 『命の光(仮)』
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 夜。佐久間は夜の街を散歩していた。

 佐久間     :「今日の月は結構細いな…」

 ふらり、と公園に入る。

 佐久間     :「それもまたよし…」

 独り言のつもりだったのだが。

 佳奈      :「そうですねぇ……」

 と、返す言葉があった。
 声のした方を向くと、女の子が一人。
 高校生くらいだろうか。

 佳奈      :「こんばんわ(微笑)」
 佐久間     :「こんばんは…こんな時間に散歩ですか?」
 佳奈      :「こんな時間じゃないと、散歩できないから……。あな
                  :たこそ、そうなんですか?(くすくす)」
 佐久間     :「僕もそうですね……夜の静けさは気持ちいいですから」
 佳奈      :「ふふふ……珍しい、人間さんなのに(くすくす)」
 佐久間     :「そういうあなたは、人間ではない?」
 佳奈      :「あ、3/4は人間ですよ、多分……」

 そう言って笑った口に牙が見え隠れした。

 佐久間     :「いいんですか? そんなに簡単に正体を見せて」
 佳奈      :(小首を傾げて)「そうですねぇ……あなたなら、良い
         :ような気がしたんですけど」
 佐久間     :「ま、似たもの同士ですからね」

 一瞬、そう言った佐久間の身体が透けて見えた。

 佳奈      :「あは、素敵ですね、貴方」
 佐久間     :「……素敵、ですか?」
 佳奈      :「ええ、とっても」
 佳奈      :(くすくす)「月の光の中に溶けていきそうで、とって
         :もはかない感じで」
 佐久間     :「月の光に溶ける……それも素晴らしいかも知れない」

 でも。

 佐久間     :「でも、それは本当に最期の時だけにしたいものです」

 そう言った佐久間の前に、回りこむ佳奈。

 佳奈      :「ふふ、冗談ですよ。そんなに貴方の命の光は弱々しく
         :ないもの」
 佐久間     :(命の光……僕にもそんな物があるのか)
         :「見えるんですか? 僕の命の光が」
 佳奈      :「……冗談ですよ、見えたら厭でしょ」
 佐久間     :「そうですか……そうですよね」

 会話がとぎれる。
 少しして。

 佳奈      :「……そういうことが、本当に、見えたら、あなたは見
         :て欲しいですか?」
 佐久間     :「そう……見て欲しいですね。僕にまだ命があるのかど
         :うかを」
 佳奈      :「そう、そういうものなの……なら……」
 佐久間     :「……なら?」
 佳奈      :「まだ、本気で見た事は、ないんです」
 佐久間     :「ということは、見ることができるんですね?」
 佳奈      :「ええ、できます」
 佐久間     :「そう……ですか」

 胸に迷いが広がる。
 自分が何者か。
 その答えを知りたいはずだったのだけれど。
 知るのが……怖い。


 SE  :たったったったっ

 遠くで聞こえていた足音が、公園の中に入ってきた。

 佳奈      :(はっとして緑ちゃんの方を向く)
 佐久間     :「?」

 佐久間が視線を追うと、そこには緑の姿があった。
 ランニング中だったのか、少し息を切らしている。

 緑       :「あ、こ……こんばんわ……」
 佐久間     :「ああ……こんばんわ」
 佳奈      :「こんばんわ……」
 緑       :「お散歩……ですか?」
 佐久間     :「ん、まあね……」
 佳奈      :「ええ……こんな時間にしか出歩けないものですから」

 どこか歯切れの悪い答え。

 緑       :「あ、お邪魔……かな」
 佳奈      :(視線が揺れる)
         :「……いいえ、そんなことはありませんよ」

 なんとなく、沈黙する3人。
 やがて、どこか寂しそうに笑って。

 佳奈      :「また今度ね、素敵な人間さん」
 佐久間     :「あ、ああ……また、どこかで」
 緑       :「?」
 佳奈      :「さあ、それは……あえたら、また……」

 そう言うと、佳奈はまた歩き始めた。
 やがて、佳奈の姿は噴水を回り込むようにして消える。

 緑       :「不思議な……人」
         :(奈津さんに……そっくりだったけど……)

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とりあえず、こんな感じになりました〜
修整お願いします>ジニーさん、リュー君

 実は自己紹介もしてなかったりして(笑) >佐久間&佳奈ちゃん

それでは。
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BOBU <Takuaki Ichikawa>
E-Mail   : bobu@din.or.jp
    

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