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Date: Fri, 9 Jul 1999 14:38:37 +0900
From: ソード <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 14144] [HA06P]:EP: 『過去無き娘と想い無き猫』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199907090538.OAA07743@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 14144
99年07月09日:14時38分31秒
Sub:[HA06P]:EP:『過去無き娘と想い無き猫』:
From:ソード
こんにちは、ソードです。
シリアス系のEPで「過去無き魂」からの続編になります。
美都の本編ともいえる作品の2話目です。
リューさん、紫苑さんをお借りしています。
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過去無き娘と想い無き猫
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出会った場所
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美都 :「ここ……」
美都と紫苑が到着したのは、吹利の森に少し入った所。
紫苑が最初に美都を発見した場所であり、美都の記憶の始まりでもある。
紫苑 :「……(やはり……異常は感知できない……何も無い筈だ
:……)」
美都は、わりと大きな幹の側に立ち、目を閉じている。
美都 :「(それより前、私は……)」
記憶をたぐろうとするが、引き出す事は出来ない。
幹に額を当て、寄りかかるようにしてみる。
美都 :「(貴方は何か知りませんか……)」
返ってくる答えはない。植物との意思疎通など、彼女には不可能だ。
植物の方が、特別な能力を持っていない限り……。
美都 :「うえ……」
美都の口から、思わずこぼれる単語。口にした本人が一番驚く。
美都 :(上を見上げる)「行けない事は無さそう……よし」
おもむろに、寄りかかっていた幹の枝に飛び付き、よじ登る。
紫苑 :「にゃっ(美都っ)」
紫苑が気づいたときには、既に数メートルをのぼっていた。
紫苑は猫の爪を利用して幹を駆け上がる。
紫苑 :「……(彼女の運動神経では……危険だ)」
美都は、下を見ずに登り続け、紫苑は美都の元へと全速で急いだ。
真の姿
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美都 :「って……これ……かな?」
息を切らしながら、枝にぶら下がったまま幹の方を見る。そこには、何かの
紋様が一つ。
美都 :「これ……なんだろう?……って、この体勢……つらい……」
握力は既に限界に来ており、震えが止まらない。足にも力が入らなくなって
きていた。
紫苑 :「にゃっ(美都っ)」
横合いの枝から彼女の目の前に現れる紫苑。
美都 :「あ……紫苑ちゃん(にこっ)」(ずるっ)
紫苑を見た瞬間に、安堵と共に体中の力が一瞬抜ける。
紫苑からすると、ようやく追いついた美都の身体が下に引きずられたように見えた。
紫苑 :「美都っ!(高度14メートル。そのまま落ちたら危険かっ)」
紫苑は、そのまま美都を追って枝から飛び降りた。
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って所です。
以前話していた、「紫苑さんの正体を知る」というシーンとなります。
修正、加筆などお願いします。
では……また。