[KATARIBE 14100] [WP01P]: 『想い失われし後に』

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Date: Wed, 7 Jul 1999 12:42:35 +0900
From: ソード  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 14100] [WP01P]: 『想い失われし後に』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199907070342.MAA04468@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 14100

99年07月07日:12時42分29秒
Sub:[WP01P]:『想い失われし後に』:
From:ソード


 こんにちは、ソードです。

 「うしなわ」後日談を進めます。
 結局、会話形式ではなく、説明文で進めてみました。

 ぎゃろさんの途中での会話は入れてませんので、
 出来れば書いてください。

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エピソード  「思い失われし後に」
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登場人物
月島直人(つきしま・なおと)
    喫茶・月影のマスター。物体操者。
川島竜也(かわしま・りゅうや)
    月島直人の居候。5歳で覚醒した住人。


喫茶店・月影
------------

 直人     :「つきました。ここです」(ドアを開ける)
 SE     :カンカラン

 済んだドアベルの音に、カウンターに座っていた小さい影が反応する。

 竜也     :(目をこすりながら)「おかえりなさい……」
 珠希     :「誰? この子」
 直人     :「あ、僕の所に引き取っている子です。川島竜也といいま
        :す。竜也、お客さんに挨拶しなさい」
 竜也     :「こんばんわ。川島竜也ですぅ……」

 既に寝そうである。皆は、それぞれの表情を浮かべながら挨拶を返す。

 直人     :「留守番ありがとう。もう寝ても良いよ」
 竜也     :「うん。そうする……」

 そういうと、一人2階に上がっていった。

 直人     :「中にどうぞ。今日は皆さんの貸し切りですから」

 直人の導きと共に、中に入る一同。適当に席に就く。

 直人     :「とりあえず、先に治療だけしちゃいましょう」

 ざっと見渡す。目に見えて怪我をしているのは、風音、鞍馬の二人だけであ
る。

 直人     :「朱理さん、もう少しがんばれますか?」
 朱理     :「もう少しなら……」
 直人     :「外傷は私が直しますから、自然治癒力の促進だけお願い
        :します」
 朱理     :「解かりました」

 時間にしたら、数十分。応急手当をする程度の時間である。しかし、全員の
傷はほぼ完治していた。
 同時に、汚れた服なども直人が元の状態に戻す。

 直人     :「さて、一息つきましょうか」

 直人は、ふらふらとした足取りでカウンター内でコーヒーを入れる。
 体力は、あまり残っていない。

 直人     :(思ったよりきついな……)「あ、大丈夫ですよ。今応援
        :を呼びますから」

 立ち上がり、手伝おうとする一同を制して、電話を取る。

 直人     :「……あ、優ちゃん?月島直人です。実は今から来て欲し
        :いんだ……うん、結局開店する事にした。ん……じゃあ、
        :頼むね」(がちゃん)
 朱理     :「手伝います……」
 直人     :「いや、最初くらい、私が皆さんをもてなしたいんです。
        :お客様ですから」

 そういうと、再び用意を始める。紅茶を沸かすと同時に、コーヒー豆を碾き始める。

 直人     :「コーヒーと紅茶、どちらが良いですか?本当はいろいろ
        :種類があるんですが、それは2杯目からという事で……あ、
        :お代は気にしないで下さい。最初くらいサービスです」

 それぞれの注文を取って、それぞれに配る。

 SE     :カラカラン
 優      :「お待たせしましたっ」
 直人     :「あ、優ちゃん、わざわざごめんね。紹介します。彼女は、
        :うちのウェイトレスをやってくれている、更雲優さん。彼
        :女も住人です」
 優      :「あ、こんばんわ。更雲優と申します(ぺこ)」

 またも、めいめいに挨拶を返す。

 直人     :「じゃあ、優ちゃん、来て早速で悪いけど、なんか軽いも
        :の作ってくれるかな?その間に、軽く説明しちゃうから……」
 優      :「はい。じゃあ、着替えてきます」
 珠希     :「そうね。いつ話しが出るのかと思ったわ」
 直人     :「ええ。さて、落ち着いた所で、話を始めますね」


「月影」
--------
 喫茶店・月影の営業時間は終わった。
 店長はマスターとなり、月影は「月影」となる。

 「月影」のマスター、月島直人は、ゆっくりと話し出した。

 終末の住人と狩人の事。そう、結局、珠希も鞍馬も住人であった。そして、
彼らがどんな能力を持っているのかも確認する。

 災厄のこと。時間のループと、人の認識。人の記憶は元に戻り、自分達が取り残されているかの錯覚。しかし、おかしいのは自分達ではない。明らかに、
自分達の記憶はあるのだ。

 月影が何をしているのか。喫茶店ではない、もう一つの顔。月の女神が二つ
の顔を持つように、空の月には裏側があるように。月影もまた、表と裏が存在
する。

 結界の事。自分達しか持たない能力。終末の住人と異能者との決定的な違い
で、圧倒的な優位の証拠。しかし、それを狙うものも存在し、それを悪用する
ものも存在する。

 鍵の具現化の話。自らの心の象徴。意志の具現化。結界内でのみ維持のたや
すいそれは、劇的な自己能力の上昇を促す。結界外では維持すらも厳しい意志
力の物体。


 直人     :「……」

 みなの表情を伺う。
 精神異常者とか、宗教勧誘と決め付けられても仕方の無い荒唐無稽な話。
 人間は、時として目の前に証拠を見せられても、”理解”しないものを”信
じ”たりしない。
 彼らは、自分と同じであると、自分の仲間であると信じるだけだ。

 直人     :「これで、おわりです」

 直人は、最後に静かにそう告げた。



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 で、これ以後のそれぞれの反応があると良いかなぁ……とも思います。

 泣ければ、そのまま地の文で閉めてしまいますが……。

 関係者の皆様、よろしくお願いします。

 では……




    

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