[KATARIBE 13999] [WP01][EP] 『不視先案内(みずさきあんない)』第 2 章

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Fri, 2 Jul 1999 17:39:06 +0900
From: ソード  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 13999] [WP01][EP] 『不視先案内(みずさきあんない)』第 2 章 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199907020839.RAA23878@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 13999

99年07月02日:17時39分01秒
Sub:[WP01][EP] 『不視先案内(みずさきあんない)』第2章:
From:ソード


> 譲      :『貴方も、時間のループを解く方法をご存知無いんですね』

 突然の背景の変化。「怒り」か……「失望」……か?

 直人     :『ふむ……読まれてしまいましたか。そのとおりです』
 譲      :『』<何かお願いします
 直人     :『あ、そういう訳ですか、私はかま掛けに引っかかってし
        :まったんですね。これだから早とちりだって言うんだよなぁ
        :……まだまだだな』

 あっさりと消える「失望」。次に出るのは自己に向けられた「失望」。つま
りは、「自嘲」だ。
 背景や色は随時変化しているが、その変化は自然でよどみはない。

 直人     :『失礼な事をしてしまいましたね。さて……何から話そう
        :……。今この場には、仲間しかいないけれど……って、読
        :まれてるか』

 考えてくる事がそのまま流れてくるようになる。テレパスでないものが、深
層心理より更に深い場所で”考える”という事は、長く持続できるものではな
いらしい。

 直人     :『えーと、とりあえずこのままで良いか、お客もいないし
        :……。と、私も災厄を止めたいと思って、住人達とつなぎ
        :を作っています。時のループが災厄だという事の見当はつ
        :いた。貴方が狩人であっても、協力できるのなら協力した
        :ですね』
*****************************	

 って所まで。

以下
第2章をまとめて流します。

*****************************	
狩人 
---- 
  
 連れられて入ったのは、そう広くない喫茶店だった。 
  
 譲      :「ありがとうございました」 
 少女     :「……いえ」 
  
 如何にも寡黙な少女は、それだけ言うと静かに隅のテーブルにつく。 
 すぐに注文を取りに来たウェイトレスが、朱理さん、と、声をかける。 
 目礼を返す少女を眼の端で捉えながら、譲はカウンターのほうを見た。 
  
 譲      :(あの人か) 
  
 コーヒーを手際良く淹れている、かなり背の高い男性。 
 月島直人さん、と、教わった名前。 
  
 周囲には、数人の客がいる。話したい内容は、人に聞かせるべきものでもない。
  
 譲      :(……ふむ) 
 ウェイトレス :「御注文は、お決まりですか?」 
 譲      :「あーと……ブレンド一つお願いします」 
 ウェイトレス :「はい、かしこまりました」 
  
 一番無難な注文をしてから、しばらく相手を眺める。 
 コーヒーをこぼさないタイミングで。どうせ脅かすことになるのだが、それ
にしても穏当であるほうがいい。 
時を見計らって、譲はふと目をテーブルに落とした。 
  
 意識野を拡大。相手を捕らえる。 
  
 譲      :『申し訳ありません、月島さん、聞こえますか?』 
  
 次の作業をしようとしていた手を止める。こちらを見ているような気配。 

 直人     :『僕の考えていることも解るんですか?』 
 譲      :『はい……』 
 直人     :『僕は、貴方のような人への防御手段は持っていません。
        :なるべく表面だけを見ていただけると助かります』 
 譲      :『はい……』 

 そうすると、また作業に戻る直人。先ほどよりゆっくりと慎重に作業を行っ
ているのが解る。 

 直人     :『で、何のご用でしょうか?』 

 落ちついた、深緑色の文字と、その中に微かに混ざる金色の火花。 
 緊張と、それを抑えようとする……恐らくは善意に基づく自制。 
 譲は視線を上げる。 

 譲      :『1999年の繰り返しを止めるために、一体何をすればいい 
        :のか、お聞きしたい』 
 直人     :『貴方は……』 
 譲      :『この場所のことは、白鷺洲風音さんからお聞きしました。
        :時間のループを止める方法を、僕は知りたい』 
 直人     :『白鷺洲……風音さんですか……彼女に聞いた……という 
        :事は、貴方も”住人”ですか?』 
 譲      :『住人、というものが分かりませんが』
 直人     :『では……彼女を殺したいと思っている?』

 一瞬、沈黙があった。

 譲      :『厭な言い方をされますね』

 意識野が微かに色づく。セピアのかかった紅のような霧。

 譲      :『抑えることは、現在可能です。但し、彼女が目の前にい
        :たとして、抑えきるかどうかは分からない」

 微かに、目を細める。
 自分の感情を抑えこむ。
 相手の感情を……見る。
 戸惑い。疑問。そして……躊躇?そして諦め?
 そして、表層思考の白板の上に、連打されるように打ちこまれる文字。

 『狩人?(マークが3重)……何故知っている?ああ風音さんが教えたのか
殺そうとしている相手にしかし何と応えれば』

 見据える。
 後は、はったりも含んで。
 断じる。
 鋭い刃物で刻み込むように。

 譲      :『貴方も、時間のループを解く方法をご存知無いんですね』

 突然の背景の変化。「怒り」か……「失望」……か?

 直人     :『ふむ……読まれてしまいましたか。そのとおりです』
 譲      :『』<何かお願いします
 直人     :『あ、そういう訳ですか、私はかま掛けに引っかかってし
        :まったんですね。これだから早とちりだって言うんだよなぁ
        :……まだまだだな』

 あっさりと消える「失望」。次に出るのは自己に向けられた「失望」。つま
りは、「自嘲」だ。
 背景や色は随時変化しているが、その変化は自然でよどみはない。

 直人     :『失礼な事をしてしまいましたね。さて……何から話そう
        :……。今この場には、仲間しかいないけれど……って、読
        :まれてるか』

 考えてくる事がそのまま流れてくるようになる。テレパスでないものが、深
層心理より更に深い場所で”考える”という事は、長く持続できるものではな
いらしい。

 直人     :『えーと、とりあえずこのままで良いか、お客もいないし
        :……。と、私も災厄を止めたいと思って、住人達とつなぎ
        :を作っています。時のループが災厄だという事の見当はつ
        :いた。貴方が狩人であっても、協力できるのなら協力した
        :ですね』


*****************************	


 リラックスしたのか、考えないで答えるという努力は放棄した模様です。
 通常しゃべる前に考えるのが表層心理だと思うんで、そこまで読まれてるっ
て事は、以上のような会話になります。

 まず、直人の懸念する事は、
・「狩人」という事を仲間(珠希ちゃん他の住人達)に知られたくはないので
 はないか?

 ですね。で、直人が伝えたい事は……

・深く読むと風音さんの情報が読めてしまうので、それは避けた方が良い……
 という事。
・「住人」「狩人」「災厄」「結界」「鍵」の知識について。
・「月影」が行っている事について。
・「住人」の中には、「狩人」を廃するような人もいる。自分は「狩人」も区
 別していない。


 以上です。





    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage