[KATARIBE 13565] [WP01][EP] 『希 - コイネガウ - 』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Wed, 16 Jun 1999 06:47:00 +0900
From: "gallows" <gallows@terra.dti.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 13565] [WP01][EP] 『希 - コイネガウ - 』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199906152146.GAA23026@smtp.dti.ne.jp>
X-Mail-Count: 13565

どうも、gallowsです。リューさんこんにちは。

桜居珠希と朝霞姉妹の出会いのEP行ってみたいと思います。

*****************************
エピソード『希-コイネガウ-』

登場人物
--------
 桜居珠希(さくらい・たまき):首を操る女子高生。この段階では未覚醒。
 朝霞有希(あさか・ゆき):魔女でもある女子大生。
 朝霞沙希(あさか・さき):有希の姉でミュージシャン。未覚醒の魔女。

六月のブラウンシチュー
----------------------

 私立聖スフィア大学、小学部から中等部、高等部、大学部までとエスカレー
ター式に上がっていける名門校。都心に位置し、交通の便も良いが、学費が高
いことでも有名だ。
 桜居珠希はこの学校に小学生の頃から通っている。高校に上がるときも、形
ばかりの受験を受けたものの気楽なモノだ。学校は遊ぶところと言ってはばか
らない、そんな高校一年生である。
 六月、大学部の学祭の日、珠希とクラスメイト2人は昼頃から遊びに来てい
た。珠希達は適当に展示を廻るが、目的は当然そこにあるむべもない。端的に
言えば「格好いい大学生とお友達になろう」ということだ。
 しかし30分後、珠希は他の二人とはぐれてしまっていた。学祭は予想以上の
人混みの上にどうも携帯電話の電波の入り具合も悪い。既に二人との合流を諦
めた珠希は、校舎の少し奥まった位置にある廊下をフラフラと歩いていた。外
の人混みが嘘のように閑散とした一画だ。

 桜居珠希   :「…ふう、この辺は静かね。なんだかお腹が空いてきたし。
        :参ったわね」

 そうひとりごちたとき、前方の教室から食欲をそそるシチューの香りが漂っ
てくる。珠希は、調理室とあるその教室に本能の赴くままに入っていく。と、
中にはどういうわけだか誰もいない、ただ整然とした部屋の中央で小さな鍋が
コトコトと音を立てているばかりだ。そういえば料理サークルは食堂で新作料
理の発表会のようなことをやっていた気がする。なぜここにこんなものがある
のか、珠希も一瞬疑問に思う。

 桜居珠希   :「…まあでも一口くらい良いわよね」

 すぐ近くに好都合においてあったおたまで、これまた重ねられていた皿にブ
ラウンシチューをそそぎ込む。おいしい、普段「食」にたいしていい加減な珠
希が、素直にそう思った。空腹と相まって、二杯目三杯目と食が進む。その時、
調理室の奥の扉から一人の少女が入ってきた。少女と珠希はお互い驚き、反応
できずに見つめ合う。

 朝霞有希   :「あなた…だれ? なんで食べてるの?」
 桜居珠希   :「え、これ、食べちゃまずかった? …わよね」
 朝霞有希   :「ああ、こんなに減ってる! もう、なんて事してくれた
        :のよ!」
 桜居珠希   :「ご、ごめんなさい。いい匂いだったから、つい」

 朝霞有希   :「(ふぅ)で、おいしかった?」
 桜居珠希   :「かなりイケたわ、プロ並みね。あなたが作ったの?」
 朝霞有希   :「えへへー、まあね。って、なごんでる場合じゃないんだっ
        :た! もうこのまま持っていくしかないかあ」

 その少女、とはいえ、おそらく大学生なので珠希より年上の彼女の表情があ
まりに沈んでいるので、さすがの珠希もごく僅かに罪の意識を覚える。

 桜居珠希   :「どこか持っていくの?」
 朝霞有希   :「午後のライブに差し入れする予定だったんだけど…」
 桜居珠希   :「試合って、あのやたら宣伝して騒いでるなんとかってト
        :コの? それにシチュー持ってくのってなんか不自然じゃ
        :ない?」
 朝霞有希   :「い、いいじゃない。あなたには関係ないわよ。もう、邪
        :魔だから出てって!」

 急に赤面する彼女をみて、敏感に裏にある感情を感じ取る珠希。

 桜居珠希   :「フフ、罪滅ぼしってワケじゃないけど手伝ってあげるわ
        :よ。一人じゃそんなに沢山持っていけないでしょ?」

 そう言って微笑んだ珠希からは、まるで反省の色は伺えなかったのだった。

***************************
 と、とりあえずここまでです。ここで終わりでもいいですが(^^;
 この後展開としては、1998年6月当時、まだ姉に対する感情にとまどってい
ると思われる有希ちゃんが、学祭に呼ばれた沙希ちゃんのもとにシチューを持っ
ていきます。まあ沙希ちゃんの好きなモノならシチューじゃなくても何でも良
いんですが、とりあえずシチューって事にしておきました。
 で、珠希はと言うと完全に「彼氏」に持っていくと思いこんでおります。
 あとは、大幅な変更の手段として、この話を有希の高校時代の事って事にす
ると、例の「運動部の先輩」と絡めることもできます。この場合出会いの時間
軸をもっと昔に変更する必要ありますが、それはそれでいいんじゃないかとお
もいます。それでは、加筆修正お願いします。

    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage