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Date: Thu, 10 Jun 1999 16:43:56 +0900
From: 不観樹露生 <fukanju@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 13415] Re: [HA06]EP :「明けない、夜」これまでのまとめ・承
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <375F6CBC0.CDC0FUKANJU@sv.trpg.net>
In-Reply-To: <199906050737.QAA24819@mail.kt.rim.or.jp>
References: <199906050737.QAA24819@mail.kt.rim.or.jp>
X-Mail-Count: 13415
ども、不観樹露生@あーする事がいっぱい(@_@) です。
「あけない」関係者のみなさま、どもです。
なおなみしゃん、まとめ、おつかれさまでし。
美樹と麻樹の登場シーンの口調修正、遅れまくっているうちに、
まとめのなかに入っちゃったので、こっちに修正かけます(^^;
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○3/28(日)夜 暗転
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夜の始まりの空気が、生温くわだかまっている。
ハーブショップの扉はとっくに閉められ、窓にもカーテンが降ろされていた。
建物の脇の錆の浮いた鉄階段は、やたら足音がひびいた。じゅうぶんに呼び
鈴の役を果たすと見えて、ノックするまえに扉が開いた。
ユラ :「麻樹さん。…美樹さんも。お待ちしてました」
待つ、という言葉におよそつりあわぬひきつれた気配がユラの能面のような
表情の奥に沈んでいる。
麻樹 :「患者は?」
ユラ :「奥の和室です」
美樹 :「何時間ぐらいですか」
ユラ :「6時間。ときどき意識が戻ります」
麻樹 :「薬は」
ユラ :「こちらが記録。投与した薬と反応と」
麻樹 :「……ふむ(ちょっとした集中治療室並、か)」
ユラ :「診てみればわかるわ…わからなくなる、というべきかし
:ら」
麻樹の眉が小さくはねあがる。
答える言葉を待たずに、ユラは二人を直紀の枕元に通した。
直紀の脈をとり、簡単に診察する麻樹の隣で、美樹は記録に目を通している。
ユラ :「…何を出しても裏目に出るの。このままでは体力がなく
:なってしまうから、今はただ補うことに集中しているけれ
:ど…」
美樹 :「…変、ですね…確かに」
麻樹 :「変も何もないだろう、水気の不足じゃないのか?」
ユラ :「今…そこまで、戻したんです」
明らかに憔悴しているな、患者も、小滝も、だ。
口の中だけでつぶやきながら、麻樹は記録に目を落とし…顔色を変えた。
麻樹 :「……治療方針は」
ユラ :「この記録から…何か割り出せない?」
麻樹はゆっくりとため息をついた。
麻樹 :「割り出す………っても、整合性が、ない」
ユラ :「呪い、なんだそうです」
麻樹 :「呪い?」
ユラ :「紘一郎さんが、そう言ってました。…でも、そんなこと
:はどうでもいいでしょう」
美樹 :「紘一郎さん………ですか………」
ユラ :「ええ。ただの…新しい、症例。そうでしょ?」
麻樹は小さく鼻を鳴らす。
麻樹 :「そうだな。問題は治療法。それだけだ」
ユラ :「ええ。だから…」
がさがさ、と記録をめくる音が暫く続き、
麻樹 :「漢方は一時中断。体力が落ちすぎている。とりあえず輸
:液……あぁ、病院から取り寄せにゃならんか」
ユラ :「あるわ」
DKのほうの収納扉を開けると、何やら器材が詰まっている。
ユラ :「病院みたいなわけにはいかないけど…これとこれと、こん
:なもんで代用できる?」
麻樹 :「使える。出所と滅菌期限は?」
ユラ :「大丈夫。うちの師匠のとこに運び込まれた患者さんにくっ
:ついてたのをどさくさにまぎれて頂戴したり、大学の器材室
:で古くなったのもらってきて直したり、実験用のを流用した
:り。医者もどきやってると、なかなか便利で」
麻樹 :「……」
違法行為。麻樹が眉根をひそめる。
ユラ :「わかってるって。でも、訴える前に、直紀さんのことどう
:にかしないと」
美樹 :「麻樹の所に運び込むというのは?」
ユラ :「……これだけ無茶な状態になってるのを?病院で対応でき
:る?」
美樹 :「……」
ユラの言葉に、美樹が口ごもる。
麻樹 :「後だ。輸液の準備。死なにゃばれん」
ユラ :「縁起でもない」
それを最後に、無言のまま三人は動き出した。名詞を告げるだけの会話。誰
かの手が常に直紀の体に触れ、異常が生じればそれをあとの二人に告げる。
ユラ :「チューブはその引き出しに滅菌済みのが入ってる」
美樹 :「脱水が…………」
麻樹 :「そこ。暖めるな」
ユラ :「それは逆…」
麻樹 :「逆治だ。それで行く」
美樹 :「脈、回復してます。不整も収まりました」
ユラ :「強さは? 緊が続いてたらまた発熱が」
その時、電話が鳴った。
麻樹 :「小滝」
ユラ :「出るわ。紘一郎さんかも知れない」
唯一、非清潔操作を担当していた美樹が受話器を取り、ユラの耳元に添える。
(註:非清潔操作 術中に完全滅菌を行っていない器具に触れることは、メイ
ンの術者には厳禁である。それ故に、補助として非滅菌部の操作を行う担当者
が必要となる。これを非清潔操作という)
ユラ :「はい、小滝…前野さん!?…ええ。今…え、なんて!?…
:はい。…それで…そう、いいえわからないわ…ええ。それで?
:…ええ。わかりました。ええ…」
くるりと振り向き、手まねでメモを要求する。ユラの担当を麻樹が手際よく
フォローし、ユラが直紀の身体を離れ、美樹がメモを手渡す。
暫く小さな相槌と紙に鉛筆の走る音だけがして、
ユラ :「わかりました。ありがとう。できるだけのことはします。
:絶対に…これ以上彼女の体力は落とさない、持たせますか
:ら。そちらの領分はよろしく頼みます。ああ、それと…」
言いかけて、ため息をひとつ。
受話器を置いた。
ユラ :「…切れちゃった」
美樹 :「どうしたんですか?」
ユラ :「呪いの法則性がわかった」
無言で、麻樹の目が鋭くなった。ユラがメモを麻樹にも見える様にかざす。。
ユラ :「これ、見て」
麻樹 :「……莫迦が」
その一言に、一瞬だけ殺気が迸った。
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とゆーわけで(汗)
医療シーン、結構、加筆訂正してます(汗)
さすがに、清潔野を触れている連中がいきなし電話やメモをとるのは
まずいので(汗)
でわ
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不観樹露生(ふかんじゅ・ろせい) 6月の標語
fukanju@trpg.net 疲れているのなら休めばいい。
UIN:21125410 憑かれているのなら祓えばいい。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2045/fukanju.html
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