[KATARIBE 13394] Re: [proceeding] 進行管理・労力分散管理の検討

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Date: Wed, 09 Jun 1999 18:32:31 +0900
From: KATARIBE Designer  FURUTANI Shun-ichi <sf@kataribe.com>
Subject: [KATARIBE 13394] Re: [proceeding]  進行管理・労力分散管理の検討
To: kataribe-ml@trpg.net
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オープンソース開発モデル
------------------------
[theta] 労務管理?
[sf] そだね。それも入るか。
[theta] 進行管理って、なにをするのですか?
[sf] プログラム開発とどうように、どの作業が誰の担当で、どこまで進んで
いて、あるいは進んでいなくて、なにが作業として残されているかを整理する
の。
[theta] 今日のお題はシステム開発ですか。
[sf] そですね。労力分散や空中分解防止が目的ですな
[theta] (TRPG等の)システムを作るときの話ですね
[sf] そーですね。
[theta] みんなをやる気にさせないといけませんよね。
[sf] ええ。モチベーションの維持が問題になります
[theta] 無報酬かもしれませんし。
[sf] そーですね
[theta] じゃあ、みんなに何か得した気分になってもらう必要がありますね。
どうするか。
[sf] 一般的には「名声」をもって利益となすモデルが無償の労働には利用さ
れていますね。オープンソースなソフトウェア開発モデルとかが典型。
[theta] よく失敗する事例では、旗振り役が声をかけるけれども誰も動いてく
れなくて失敗するというパターンがあります。
[sf] サークルの会誌作成でも良くありますね。締切日になったら編集長の原
稿しか集まってないとか。(;^^)
[theta] そうそう(^^;>原稿

[theta] Linuxは、最初にLinusさんが動く物を作ってみんなに公開したのが良
いとされています。
[sf] ええ。
	[sf] ・全体の構造が見えている
	[sf] ・モジュール化されていて変更が容易
	[sf] ・既に動作しているからわずかな貢献でも機能するものが得られる
[sf] とかね
[theta] たたき台があれば、協力しやすいという事でしょうか。。
[sf] 多数の参加を得るためには「どこをいじれば良いのか、いじってよいの
はどこか、実用的利益が得られるのか」とかが大事で。わずかな労力で多大な
利益を実現できれば協力者が得やすい
[theta] そうですね。発案者のパワーが、初期段階で成功の可否を左右しそうです。

[sf] ええ。それは間違い無いです。最初にじゅうぶん利用に耐えるだけの「全
体像」が完成している必要があります
[theta] さて、次の段階をどうするか。
[sf] 全体像を「修正可能」かつ「作業量的に片手間に可能な」小単位に分割
する必要があります
[theta] はい。
[sf] 逆に言えばそれが可能な「システム」でなければ、多数の参加のメリッ
トを得られないわけです
[theta] それならば、全部一人でやった方がよいということになりますね。
[sf] ええ。できるならね

[sf] んでまー。一人でできるとしても、自己管理のために、なんらかの作業
の進行管理を行なうべきではあります。
[theta] そうですね。
[sf] というわけでまあ、どうやって進行管理とは行なうのかあたりから色々
と検討していかねば〜というわけでした。

[sf] んでまあ、いちおうこれまでの検討会話は、MLに [proceeding] 進行管
理・労力分散管理の検討 のツリーでかいてありますが


両面からの進行管理
------------------
 θKadさんが #TRPG からねこぱんち@;さん(雪花というTRPGをデザインして
いる)を召喚した。

[catpunch] みゅ?
[sf] みゅ

[sf] トップダウンの進行管理ってのは、作業量的には管理しないよりもかか
り、得られるせいかの質と量は管理しないよりも圧倒的によくなるというかん
じなんですわな。でも、それが可能な作業能力はどっからも沸いてこないので。
[sf] あるていどトップダウンに委任しつつ、ボトムアップに作業を積み上げ
ていくための規約を用意して、それから作業を整理できるような体制にしてし
まうのが現実的な回答かなぁ、と思っとります。
[catpunch] で・・・何の進行管理?
[sf] んーと「ゲームシステム/世界設定」の共同開発の進行管理だとおもいね〜
[catpunch] ふに

現状把握
--------

[sf] 毎日数千行のIRCログを整理し、それを含めた数十件/200KBちかいメール
が毎日生産されている
[catpunch] ふに
[sf] 内容は設定・ルールの考察やそれに関する雑談、設定を利用した「広い
意味での遊び」ようするにセッションログやPBeMが、設定作業と同期して複数
はしっている。んでまあ、それが処理能力の限界を越えているので結果として
完結した成果物となりづらい、というのが現状であると。
[catpunch] ふに
[sf] これを打破するために、いったいわれわれはなにを作っているのか、ど
の程度進んでいるのか、なにが確定したのか、なにが必要なのか。といったこ
とを、何らかの形で管理して、必要な作業を分担できる体制を作らないといか
んというわけだわさ。でまあ、そのためになにができるか、どういう体制を明
文化していくか、というあたりを現在考えているわけだ。
[catpunch] んー
[sf] 一応の方法論としては、確認作業や進行段階に応じてメールをだしてい
く規約を用意する、そこから上手く規約通りに書けていないものも含めて作業
リストを整備・維持管理していく、という方向でなんとかするしかなかろーと
[catpunch] んー
[sf] 雪花みたいに話の定形が進行管理てきに組まれていると楽なんだろうけ
どね〜
[catpunch] うーむ
[sf] そーゆーもんじゃないから、なおさらさ〜
[catpunch] 逆に言えば、雪花は僕だけだから
[sf] んむ、一人で管理可能な時期には自分で管理するだけでおっけーなのさ。
[catpunch] んー
[sf] それができないほどに利用者数が増えたときになにができるのか。それ
が語り部の直面している重大な問題なのだ。これを突破できれば「質と量」の
両面でブレイクスルーが可能になる。

担当公募の限界
--------------
[catpunch] TORGのインフィニバースみたいのは? もしくは、新聞形式
[sf] TORGの場合には個々のセッション世界が事象独立だからね。そういわけ
ではなくて一つの世界の出入り自由なキャンペーンがつづいていると思ってく
れるといいかと。それが毎日数十キロバイトはながれると。
[catpunch] それこそ、新聞形式では? 編集長と、記者を配置して
[sf] ああ、事件単位の作業の責任の委任だよね。それを可能にするためには
「割り当て」作業が必要で。そのためには進行管理が必要になるの。仕事では
ないから、はいこれよと割り当てて上手く動くものでもないしね。
[catpunch] フリーランスの契約形式は?
[sf] んーと
[catpunch] 一定期間毎に募集
[sf] 「○○します〜」ってひとにお願いするの?
[catpunch] うい
[sf] それとも「○○についてやるひといますか〜」と問う?
[catpunch] 下かなあ
[sf] 前者であれば「網羅的にはなりえない」、後者であれば「○○について
を列記するためには進行管理が必要」。前者なら今でもやっているわけで、後
者を「きちんと」実行するためにはそれなりの「なにが進行しているのか把握
できる」体制が必要というわけなのれす
[catpunch] ふに。結局は、人手が必要なのね
[sf] んー。

[sf] 「まとまった作業を専業で行なう」かわりに進行管理で作業を細かく砕
いて「ちょっとした時間に気楽にできる」ようにすることで負担の拡散をはか
ろうというわけです
[catpunch] んー。それだけ、やる気のある人が必要なわけで
[sf] まあ「どこそこで停止中」がたくさんあっても「優先度をつけて片付け
る」ことも可能になるし。そもそも「何をして良いのかわからない」「作業量
が多いから手を出せないが軽い作業ならできる」という人はいるわけで。少な
くとも現状よりはマシになる
[catpunch] ふにゅ
[sf] やる気と時間がばりばりにある人間が一日中作業してくれるなら、そん
なことせんでもいいのさ。しかしそんなこと期待するのは「少なくとも長続き
しない」。少しなら続くけどね。
[catpunch] うむ
[sf] というわけでまあ、それが進行管理のひとつの側面。もう一つは自己管
理。だらだらやってると、どこまで進んでるのか自分で見えなくてテンション
が下がったり、ぜんぜん進まなかったり、どこから手をつけて良いのかわから
なくなったりということがあるわけだけど
[catpunch] 短期的なタイムシェアリングでまわすのいいにょね
[sf] そのためにも「短期的に解決可能な目標に分割する」ことが必要で、そ
のあたりも進行管理の一側面として考えられるなーと。
[catpunch] うむ
[sf] 少しずつ積み上げてボトムアップに大構造を組み上げるための自己管理
ノウハウの明確化ですな
[catpunch] んー
[sf] んで「何をしなければならないのか」が分かって「自分にできない/他の
を先にやる」ばあいには他人に手伝ってもらえることも無いとはいえないくら
いで考える。

チームの運営
------------
[catpunch] 結局、sfさん個人のみであるから問題なわけで
[sf] チームの運営体制を組み上げればいいわけだよね。
[catpunch] そうですねえ
[sf] そのための進行管理。進行管理はチームが機能するための心臓部だとお
もう。チームが小さければ、また密に話しあえれば、とくに管理しなくてもな
んとかなるけど。規模が数十人になると、そんなことをしていると「調整や認
識や必要な作業の確認」だけで時間が食われちまう。というのが現状なわけだ
わさ。
[catpunch] 誰かsf意外に一人いればなんとか・・・
[sf] マネジメントをフルタイムでしてくれる人間が居れば、なんとかなるよ
ね。でもそれって無理だ。というわけだわさ。最善の案が不可能であれば、別
の手を模索するしかない
[catpunch] うに
[sf] というわけで進行管理の明確化によって、ある程度の負荷の軽減をでき
ないかとん当しているわけだわさ。うまくいかなくても自己管理のツールには
なるからね。
[catpunch] うーん、僕にはそういうノウハウないなあ
[sf] まあ、私にも無いから。とりあえずソフトウェア開発の組織論あたりの
応用をしとるわけだけど。
[catpunch] むう

ソフト開発の事例
----------------
[catpunch] 言える事は一つ人間の逐次投入は愚作
[sf] んむ

[sf] ある程度進行している作業に新しい人材を投入しても遅れるだけである
 <人月の神話
[sf] # 解説:人月の神話とはIBM OS/360の開発のチーフマネージャの書いた
ソフト開発マネジメントについての基本文献

[catpunch] こういう事例がある。ソフトウェア開発でプロジェクト参加者全
員で、仕様を完全に詰める事に2ヶ月費やした。目的は「全参加者が、全体像
と細部を把握する事」
[sf] んみ
[catpunch] 結果、仕様作成時間は倍になったが、トータルでの工程は20%減っ
た
[sf] ういうい。古典的な仕様重視の方法論ですよね。
[catpunch] うむ
[sf] ほんとは要求(要件)の煮詰めでないといかんのではあるが
[sf] # プロトタイピングのほうが有用になる条件はなんだったっけな。

[sf] じつはかっちり仕様を決めてから作業をするのは古典的モデルで、それ
よりも効率的な方法がいくつかあったりるわけですが、まーそっちえいくとズ
レちまう(;^^)
[catpunch] まあ、この場合、リアルタイムに処理が積もってゆくわけですから
[sf] そーですね。作業自体がリアルタイムに増大していくうえに、それによっ
て作業の進行度も変化するので。
[catpunch] 権限委譲と分散の方法論のほうがあってるよななあ
[sf] うい
[catpunch] むつかしいけど
[sf] 権限委譲だけでは機能しない。なぜならば固い権限委譲はどこかが止ま
るとすぐに破綻するから。
[catpunch] 個人の能力に依存しない事が条件かなあ。掲示板が、誰でもかけ
るように。
[sf] さらにいえば「複数の企画が同時に大量にはしっている」から、結局進
行管理がないと分散しようとしても漏れが生じる。
[catpunch] 集団ねずみさん的な、群れ管理の方法論はどこなにない?
[sf] んー。個々の動作が創発的に機能するやつ? 理論としてはまだ整理さ
れてないのでは。ある程度のトップダウンな「作業の容易に作業できる単位ま
での分割」がなされていない場合のモデルはなぁ。
[catpunch] 自律ロボットを大量にうごかいsてるやつ
[sf] うん、そのあたりがどうして機能するかはまだ研究途上だし
[catpunch] にゅー
[sf] あれはネットワークではなくて、各ノードが近傍のノードにしか作用し
ない場合のモデルだし。まわりしか見ないけど、全体として機能する、とい
うものだからね。

[sf] 動作するプロトタイプがあって、それを分解したのちに、好き勝手に作
業することで磨きあげるモデルなら、いわゆるオープンソース。

[catpunch] そういや面白いものをみたなあ。駅の通路に「こっち側をあるけ」
的な矢印が地面に書いてあるんだけど。みんな、その矢印と逆に人の流れが出
来てた。
[sf] ふにゅう
[catpunch] なんでだろー?と思って、そこら辺をうろついてみたら、その駅
の構造上、自然に人の流れる要因があった
[sf] 無理な誘導は意味がないってことね
[catpunch] うい
[catpunch] #私鉄の改札を出て、右がJR改札・・・・つまり通路のすぐ左を歩く

[sf] 自発的努力を組み上げる体制づくりが大切。だけど自発的努力だけでは
「作業の空白領域」とか「見落とし」が発生する。だから「進行管理」を行な
うことで「なにが足りないのか」「どこまで進んでいるのか」をすることで「自
発的にやることを選べる」ようにする。というのが狙いなのでぃす

$$


sfこと古谷俊一 / 奈良県香芝市在住 / ICQ # 6549565
電網工房・匠 http://www.koubou.com/ 運営者(個人事業)
<URL:http://kataribe.com/> 創作TRPG 語り部総本部
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