[KATARIBE 13353] [HA06][Novel] 『おもいふみ』

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Date: Tue, 08 Jun 1999 07:22:04 +0900
From: 不観樹露生 <fukanju@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 13353] [HA06][Novel] 『おもいふみ』
To: ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <375C460C0.72CBFUKANJU@sv.trpg.net>
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ども、不観樹露生@必殺自キャラ固めっ  です(汗)

  とゆーわけで、売れない詩集がどーして霊になったか。
  ふみの話です(^^;

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『おもいふみ』

  アノヒトヘノ  オモヒハ

  いつの間にか、待っていた。
  使われなかった言の葉。

  ツタエタヒ  オモヒハ

  待っているのは。永遠なの?  それとも。

  イツマデ  マテバ  コノオモヒハ

  永遠に待つという事は。
  待っていないことと同じではないのか…………

  ツタワラナヒ  オモヒハ

  いつまで待っても。
  徒労に等しいのなら。

  ナニモ  ツタワラナヒ

  時間は、過ぎ去ってしまう。時間は、過ぎ去ってしまう。
  何もかもを。押し流してしまう。

               ***

  その日は、朝から、何か様子がおかしかった。
  梅雨前線の移動と。
  晴れたり降ったり曇ったりのランダムな繰り返しと。
  脳をラッピングしてしまうような昨日の残り酒の効用と。

  雑然とした部屋。物の多い部屋。詩人は、丸めて背もたれにして
いた冬布団に、もう一度体重を預け直す。
  紙屑。本。脱ぎ散らかされた服。その隙間。わずかに見えている
床の上、ガラスコップと、室温まで温まったウォトカの瓶。横倒し
で転がっている蓋が開いたままの日本酒の一升瓶。瓶の中に薄く残
った液体。わずかに、甘い香り。

  あの人は今頃。船の上だ。

  雨の匂い。湿度に蒸れた、自分の体臭。
  凍らせようとしても、凍らない想い。ウォトカ。

「住所のみ確定。無職」

  心臓の鼓動は。強くはない。
  湿度ばかりが高いこんな日に。記憶だけがやけに鮮明で。
  呼吸が、浅い。

  静かに………静。
  静物と呼ぶにはあまりにも雑然として。混沌として。
  時間と埃がつみかさなって。
  織れる。

               ***

  呼ばれたような気がして、振り返る。
「……………おや」
  しかし、こちらを見ている青年の視線はわたしを通り越して。
「……こんなところに」
  わたしの半透明、いや、実体のない身体をついと通り越して。
「………やはり」
  細く、骨張ってはいても、男性の指。それが、わたし自身へと、
触れる。
「すいません、これ、おいくらですか?」
  あの人を待ち続けた。あの方に似て。

  コノヒトノ  オモヒハ?

                           (終…………あるいはEP325に続く)
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 とゆー訳で(^^;

  でまぁ、現在の状況ですが…………
  ふみさん本人は琴とふたりで旅行中という事ですが……………(爆)
  この話と対になる、琴の話で帰還させる……………
  つもりです(爆)<予定が未定な人間
#この話書き始めてからも半年以上かかってるし(汗)


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不観樹露生(ふかんじゅ・ろせい)        6月の標語
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