[KATARIBE 13337] [WP01]:EP 「失われしは我が思い」決戦シーン1

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Date: Mon, 7 Jun 1999 16:08:23 +0900
From: ソード  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 13337] [WP01]:EP 「失われしは我が思い」決戦シーン1 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199906070708.QAA27692@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 13337

99年06月07日:16時08分14秒
Sub:[WP01]:EP「失われしは我が思い」決戦シーン1:
From:ソード
こんにちは、ソードです。

「失われしは我が想い」の直人と日向の対決&鞍馬君爆破の場面です。

 中間部の風音さんや朱理さんのあたりが流れてから……と思ったのですが、
思ったよりWebにつなげられる時間が限られてきているので、
流せるときに流してしまいます。

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店内
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 直人     :「ここもっ!こんな簡単なトラップなら……」

 また一つ設置されていた手榴弾そのものを破壊する。扉も開ける事もせず、
崩壊させて進む。考えてみると、随分と無理矢理な進撃方法だ。結界内だから
良いが、現実世界で行ったらテロリストと大差無い。
 巧妙に設置している時間が無かったからなのか、手榴弾を見つける事は割と
簡単だった。問題の爆弾処理作業は、物質の崩壊によって行っている為、難し
い技術は要らない。

 直人     :(よろける)「っと……力の使い過ぎか?この力にこんな
        :に頼るとは思わなかったからなぁ……」

 次第に、集中力が尽きて行く。しかし、警戒を怠るわけには行かない。

 直人     :「……声?裏口かっ!」

 直人は、そのまま裏口を崩壊させ、ゆっくりと警戒しながら外に出た。

喫茶店裏口付近
--------------
 日向     :「よう……来たか」

 立ち上がり、ゆっくりと振り向く。薄笑いを浮かべ、表情には余裕すら伺える。

 直人     :「あなたの爆弾は、すべて解除しましたよ」
 日向     :「……そうか、そいつは残念だ。うん、残念だなぁ……残
        :念すぎて、こいつを爆破させちまいそうだぜ?」

 後ろには、ワイヤーの檻に捕らえられた少年。視線を動かした瞬間に、一瞬
焦点がぼやける。思ったより疲れているらしい。

 直人     :「その子は……」(額を押さえる)
 日向     :「人質って奴さ。ああ、お前は、これで手を出せねぇ……
        :だろ?」
 直人     :「な……」
 日向     :「どうした?俺を止めるんじゃねぇのか?止めてみろよ……
        :止められるもんなら止めてみせろよ!」
 直人     :「結果の外に……出すつもりはありませんよ。ここなら、
        :被害は最小限に食い止められる」
 鞍馬     :「え?……」
 日向     :「この世界にだけに爆弾を仕掛けたわけじゃねえんだぜぇ
        :……世界には行った俺が何もせずにビル爆破したのを忘れ
        :たか?」
 直人     :「私が結界の外に出る事は出来ませんからね……でも、そ
        :れも処理している筈です」
 日向     :「なんだとぉ?」
 鞍馬     :「ねえ!」
 日向     :「てめぇはだまってろ!」
 鞍馬     :「この世界って、本当に僕たち以外に人は居ないの?」
 直人     :「居ません。ここにいるのは、結界を見る事が出来て入り
        :込める術者と、その術者に召還された一般人だけです」
 鞍馬     :「そうなのか……お前っ!」
 SE     :がしゃがしゃん 
 日向     :「お前はもういらねぇ。消えろ!」

 鞍馬のワイヤーを無視しての行動と、日向の足を封じるように飛び込んだ捻
じ曲がった街灯の「馬」。馬は日向に噛み付こうとするが、爆風を逃れるため
に後ろに飛んでいた日向を捕まえる事は出来なかった。

 SE     :ドオオン

 表で爆風。喫茶店の方だ。その爆風が、計算されたように裏口から吹き出し、
鞍馬を直撃し、包み込む。ビルの一階全てを砲塔とした巨大な砲台のように裏
口から爆風と瓦礫を吹き出した。

 フラッシュバック。
 過去が鮮明に蘇える。自分を逃がした父。目の前で爆炎に包まれた。今回も
また、手を出す事すら出来なかった。

 直人     :「日向あぁぁぁ!」
 日向     :「ひゃっははは!来な!」
 直人     :「お前はっ!壊すっ!」

 瞬時に二人の間が詰まる。といっても、二人とも武術に心得があるわけでは
ない。
 双方とも右腕を突き出す。
 直人は、触れた物体を触れた部分だけ破壊する事が出来た。彼の体に触れれ
ば、彼の体を崩壊させつつ、貫く事が出来る筈であった。
 しかし、直人が失念していたのは、相手か自分の「対」であり、相手もまた
自分と同じ力を持った異能者であるという事だった。彼の爆弾能力は異能では
ない。普通の人間でも十分に可能な技術である。
 それならば……彼の異能力は……。
 物体を破壊、再生できる住人の「対」は、生命を破壊、再生できる異能を持っ
たものだったのだ。

 防御もせず。右の拳を相手に叩き込む。相手の右拳が胸に入るが、拳の威力
は必要ない。相打ちで壊す事が出来るのだ。

 日向     :「あめぇ!」
 直人     :「……!」

 脱力。そんな言葉では言い表わせない強烈な疲労。命そのものを削られてい
るような感覚。意識を失わない様にするのが精一杯であった。
 数瞬遅く直人の拳が日向に届くが、その拳が肉体を崩壊させる事はない。そ
のような力はもう残っていないのだ。

 直人     :「な……!」
 日向     :「まだ、殺しはしねぇ。そこの女どもがどうなるか、ゆっ
        :くりと見せてやるからなぁ」

 面白くてたまらないという笑みを浮かべた日向は、路地の入り口で見守って
いた二人の少女。風音と朱理を睨み付けた。先ほどの街灯の馬は、風音が放っ
たものだという事も分かっている。

 日向     :「くっくっくっ……たのしいねぇ……」

 地面に倒れ伏した直人の横をすりぬけ、日向はゆっくりと歩いて行く。
 背後は、爆発の余波による土煙がまだ収まってもいない。

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 というわけで、開始と同時に終了してます(笑)

 この後、土煙の中からだまされて怒った鞍馬君が出てきてくれるはずです。

 さて、これからの展開ですが……。

1.日向VS朱理さん
2.鞍馬君復活
3.日向VS朱理さん&鞍馬君
4.日向、逃げるためにまたもやビル爆破。路地裏にいる全員は破片を避けき
 れない。
5.直人「結界を解く」ことで、破片から全員を守る。しかし、日向は逃がし
 てしまった……。
6.「月影」へ案内。川島竜也と優が迎えてエンディング。

 ってな方向をもくろんでいます。そうなるとは限らないのがEPですがね。

 今回は、鞍馬君の口調と風音さんの「馬」がいます。
 修正、加筆お願いします。

 このタイミングで、結界外から爆弾処理した珠希さんが「透過」で話し掛け
るシーンを考えたんですが、なんかうまく入り込めませんでした。
 うまく挿入できましたら、そちらにしようと思いますので、御一考ください。

 なお、これから収束に向かうので、これ以後キャラが参加されても活躍の場
を与える事は出来ません。
 これ以上の参加は、申し訳ありませんが控えさせていただきます。
(月影で待機しているのであれば、動く事はないので可です)

 では……また。






    

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