[KATARIBE 13265] [HA06:EP] 剽夜新入社員2ヶ月目

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Sun, 05 Dec 1999 21:55:38 +0900
From: Seimu Saramari <saramari@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 13265] [HA06:EP] 剽夜新入社員2ヶ月目
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <384A60CA35C.8140SARAMARI@smtp01.odn.ne.jp>
X-Mail-Count: 13265


 更毬@ひさしぶりのEPでし


 更毬剽夜:雰囲気どころか言動まで妖しい理論魔術師
 豊秋竜胆:吸血姫になったファミレス店員
 こんこん:剽夜の使い魔。狐のぬいぐるみを依り代にしている
 ほそば:剽夜×竜胆の娘として登場する予定の女の子
     (竜胆はまだ知らない)

--------------------------------------------------------------------

 剽夜は今一人暮しをしている。仕事の都合で自宅からは通えない所の勤務
になったので、社宅を借りているのだ。しかし、社宅と言っても飯が出るわ
けでなくマンションを借り上げているものなので、実質は学生のワンルーム
マンションと変わらない。

 剽夜		:「まぁ、これだけの部屋で社宅並の値段で借りれるんだ
		:から、大企業は違うよなぁ」

 そう剽夜君は一応大企業以上、巨大企業未満のエンジニアリング会社に四
月から勤めているのだ。今日も研修を終え、自分の部屋の鍵を開ける。

 剽夜		:「ただいま」
 こんこん	:「こん!(ぱたぱた)」
 ほそば	:「お帰りなさいませ、とおさま」

 剽夜を部屋で出迎えるものがいる。玄関で尻尾を振る手乗りサイズの狐の
ぬいぐるみ。そして、出窓で座る黒紫色の髪を両側に束ね、萌葱色の着物を
来た少女である。

 剽夜		:「元気にしていたか、二人とも?」
 こんこん	:「きゅーん」
 剽夜		:「ふむ、人外幼稚園(*1)に行きたいって? わかった、
		:今度行った時に連れていってあげよう。それまでは我慢
		:するのだ」
 こんこん	:「こん(こっくり)」

 剽夜		:「ほそばはどうだ?」

 剽夜は出窓に座っているほそばにそう語り掛けた。

 ほそば	:「ほそばは何故、はは様に会えないのですか」

 ほそばは顔を伏せ、そうつぶやく。顔を伏せることで、さらさらと揺らめ
く前髪の下に、年不相応に長いまつげが際立つ。ろり属性が入っている輩な
ら一発で転びそうな光景である。

 剽夜		:「色々と事情はあるのだが、一番は、ほそばがまだこの
		:部屋から出れないからってことかな」
 ほそば	:「では、ほそばがこの部屋から出れるようになれば良い
		:のですね」
 剽夜		:「あぁ、そういうことだな」
 ほそば	:「わかりました……」

 ふいっとほそばは窓の外を見やる。出窓に差し込んでくる夕日を見つめて
目を細める。その時ほそばの浮かべた表情から、剽夜は気づいてあげるべき
だった。自分の言葉がほそばの寿命を縮めることになることを……。


--------------------------------------------------------------------

(*1)人外幼稚園……訪雪さんのお宅で、譲羽や闇ぬい等のぬいぐるみが集まっ
          て、自然に幼稚園のようになったので、こういう通称
          がついたのである。

 というわけで、竜胆のPLであるとよりんから電波が飛んできたので、書い
たEPです。前々からオンラインで少しでている剽夜×竜胆の娘であるほそば
のEPです。
 ほそばは”死すべき運命”を背負ったキャラクターです。しかし、まだ、
正体はよくわかってないのでした。



    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage