[KATARIBE 13224] [HA06]: 「EPの書き方、その二」

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Date: Thu, 3 Jun 1999 09:43:32 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 13224] [HA06]: 「EPの書き方、その二」 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199906030043.JAA11433@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 13224

99年06月03日:09時43分26秒
Sub:[HA06]:「EPの書き方、その二」:
From:E.R
こんにちは、E.Rです。
…………もーなんもいえません(滅)
首洗って送ります(なんだそれわ)

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  EPの書き方講座(暴走編):他の人の分身を登場させようっ
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  えーと、無謀に続き、暴走しておりますが……
  EPを書く際に、一番戸惑われることの一つが、「他の人の分身をどうやって
書けばいいんだろう」ということではないかと思います。
  「分身達と知り合いになったらどんどん話が出来るよ」とまあ、言うのは
た易いんですが、しかし知り合いをどうやって作り、どうやってEPへと
もってゆくのか。

  で、そこら辺を、なあんとなく………書いてたつもりなんだけどこれって……(滝汗)


  大前提:EPは無理をせずに
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  そも、初めて会った相手に「名乗って、年齢言って、趣味まで話して」ってことは
日常そうそう無いと思います。
  同様に、知り合いを作るには、EPといえども、数回重ねる辛抱が必要です。
  反対に言うと、一度目のEPで上手く書けなくっても全く問題無いです。
  知り合いになりたいからと無理な状況を考えるよりも、一度目のEPで顔だけ
憶えて、次のEPでもう少し詳しく話をする。そんな風に細く長く、自然に話を
もってゆくほうが、結局は早道である気がします。
  

  小前提:EPはみんなで
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  また、よく「EPに誰誰を出したいんだけど、口調がわからない」と言われますが
EPは、もしまずいところがあればどんどん訂正が入ります(逆に言うと、入らない
場合、まずいところはない、と考えても問題ありません)
  ので、多少間違えてもいーや、くらいの積りで書いてゆけば大丈夫です。
  正直言いますと、初めての人のほうが、ある意味では書き易くもある筈です。
  初めて出会った人に、普通は丁寧語で話すものですし、やはり初対面だとそれなりに
猫を被るものです。最初から「その人の特徴が出るような喋りかた、振る舞いをする」
というケースは、反対に珍しいんでは無いかと思います。
  標準的な丁寧語で、まあ無難な振る舞いをする、と、まずはその程度でよいかと。


  小前提其の二:人の分身を丁寧に扱おう
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  例えば、キャラシートに「女の子好き:2」だの「ねこみみ大好き:3」だのと
あったとしても、さて初対面の相手に「きゃあかわいいっ」と叫ぶかというと、
これはまず有り得ません。(……いあ、内心の反応はともかく(^^;))
  故に、はじめにあったばかりの時は、相手の分身の反応も、さほど激しいものでは
ない、とすると、間違いが少ないように思います。
  自分の書きたいところより少し控えめに、そして礼儀正しく、相手の分身が
振る舞うもの、として書く限り、大きく間違うことは無いと思います。

  (それに、分身は、本体が心血注いで(苦笑)作っているものです。それが
   無礼な振る舞いをする、とは、やはり書いて欲しくないじゃないですか)
  

  さて、では、知り合いを作っていくわけですが。

  其の一:まずは自分の分身を眺めよう
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  まずは、自分の分身をよく見てみます。
  例えば
  ・行動時間は?
         大学生、高校生、社会人、これはそれぞれ自由に動ける時間が異なって
         きます。高校生が昼日中に街をうろついているわけにもゆきませんし、
         社会人が仕事をおっぽらかして遊ぶわけにもゆきません。自然、EPの
         時間帯は決まりますし、また、出会えるメンバーも絞られてきます。
  ・行動場所は?
        これも、上に同じですね。
  ・得意なことは?
        これは、異能に限りません。得意なこと、自分の分身が第一人者となれる
        ようなことが一つあると、EPに出やすくなります。
  ・苦手なことは?
        案外、ここから話が始まる場合は多いです。共通の悩み、弱点を持つ人と
        知り合うことも出来ますし、反対に助けてくれる人と知り合うことも出来
        ます。
  ・見かけに何か特徴はあるか?
        はじめての相手がぱっと反応するのは、やはり見かけだったりします。
        また、見かけには、その分身の内心が、確かに反映するものです。
        あと、もののけだの幽霊だのが一緒にいる、という場合(案外あります)も、
        見える人相手にならば、話のきっかけになるでしょう。

  もし、ここまで見て、「あ、これでは自分のしたいことが出来ない」という場合は
特徴、技能なり、どんどん付け加えてみてください。


  其の二:とりあえず誰か一人と出っくわそう(爆)
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  ここまで来たら、他のキャラクター達の行動をEPなどで確かめ、それと
自分の分身とが無理なく出会える状況というものを考えてみます。

  例えば、

  ・学校、勤め先が同じである。
      学校、クラス等については幾らでも融通が利きます。どんどんご都合主義に
      走って問題ありません(をひ)
      あと、これに重ねて「帰りがけ同じ道を通る」「同じ店に良く行く」などを
      加えると、知り合い度は高くなります。「同じ学校」で「同じ店に良く行く」
      となると、これは知り合い、といって良い状況でしょう。
  ・分身の働いている店に行く。
      アクティブメンバーには、かなり「店の店員/店長」が含まれています。
      彼らは逃げません(爆)ので、店に行けば、ある程度確実に会うことが出来ます。
      『ベーカリーに行こうっ』というのは、この状況に相当します。つまり、
      この状況は、結構書き易いものだということです。
  ・住んでいるところが近い。
      最近学生専用(何故か男性ばっか)の「風見アパート」というものも出来ました。
      ここに住んでいれば、まあ、そのうち顔を合わすこともあります。

  まあ、行動する時間帯が一致していれば、必殺技「偶然道で会った」が使えますので、
そこらへんは最終的に何とかなりますが(おいおいおい)

  以上より、一番書き易そうな状況を選ぶとよいか、と。

   
  其の三:会話のきっかけはあるだろうか?
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  で、出くわして、目礼だけでさようなら……でも、一回目のEPならば構わないと
思うのですが、しかしそれではやはりさみしい。
  そこで、「せめて会話のとっかかりがないか」ということになるのですが。

  ・当面、何か出くわしている問題を助けてもらえないか?
      道に迷っている、財布を落とした、食事をしたいのだがどこがいいか、等等
      ちょっとしたことで困ることは山ほどあります。それを助けてもらう、とい
      うのが順当なところかもしれません。 
      お店の店員とお客さん、という状況が書き易いのは、この会話が自然に
      出来るからではないか、と思います。
  ・受動的な異能に、ひっかかるものはないか?
      受動的、というと変ですが、「見えない筈のものが見える」「わからない筈の
      言葉が分かる」「聞こえない筈の声が聞こえる」等の、『使おうとしなくても
      使ってしまっている異能』にひっかかるものはないでしょうか。
      これは、自分の分身、相手の分身、双方に言えます。つまり「相手の肩に乗った
      小人さんを見て驚く」としても、「自分の後ろについてくるもののけを
      指摘されてぎくっとする」としてもよいと思います。
  ・出っくわした相手は、一体どんな人だろうか?
      過去のEPなどを見ますと、それぞれのキャラクター達の平均的な振る舞いが見えて
      きます。最初から人懐っこい人、結構堅苦しく話を進める人、柳に風、と受け流す人、
      様々です。


  で、出来るだけ楽に書く為の心得(て、ほどのことではないですが)としては

  ・台詞を考えねばならない人数を減らす(爆)
      いやこれまじにそうです。知り合いを一挙に増やそうとして、わんさか常連の
      いるベーカリーに入っていったりすると、収集がつかなくなること必至です。
      まあそれに、無理しなくっても、一人と顔見知りになれば、あとはまあ芋蔓式に
      づるづるづると繋がると(爆)
  ・能動系異能を使わねばならない話は書きにくい。
      早い話、戦闘系の話から入るのは、大変、ということで(笑)。
      語り部のシステムでは、同じ技能値では、同じ効果があげられる、というのが
      前提です。故に、貴方の分身が出来ることは、相手の分身も出来る、と考えた
      ほうが無難です。
      異能の使用方法、その応用については、かなり幅がありますので、最初から
      これを利用するのは難しいでしょう。
  ・落ちをあまりにひねらない。
      日常のひとこま、程度に思うと書き易いです。何か特別なことを起こさねば、と
      思うとEPも書きにくいですが、何でもない平凡な光景を書くならば
      これはさして難しいわけでもありません。

   
  其の三:では実験〜顔見知りから一歩を進めよう
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  そこで、具体的に、「一歩進めた」EPというものを考えてみます。
  『ベーカリーに行こうっ』で、出てきた水無瀬川兪児を、もう一度ベーカリー楠に
登場させます(つまり、EP二回目です)
  さて、前回は観楠店長さん、浅井量子さん、小滝ユラさんの三人に会ったのですが、
この中の店長さんは、今回もここにいる、として問題がありません。
  で、後の二人のうち、今回は量子さんに残ってもらい、そこに付け加えて(おい)
前野さんに出てきてもらいます。(ここら辺の組み合せについては、あまりに
変で無い限り、適当で構いません)

  で、ここで兪児がベーカリーに再度やって来た理由は何だろうか、と、考えます。
  一番順当なのは…ししゃもパンが美味しかった(爆)、でしょうか。
  というわけで。

*************************

  某日、やはり夕刻の少し前。

 SE     :からんころん
 観楠     :「いらっしゃい……あ(汗)」
 量子     :「あれ、この前の」
 兪児     :「……(目礼)」

  この前来た時の、若い女性と、多分その知り合いなのだろう、男性。
  黒いサングラスに遮られて、男性の歳はよく分からない。

  前野          :「この前の?」
  量子          :「ししゃもパン、試し買いしてた子」
  前野          :「……(汗)」
  
 観楠     :「それで、この前のししゃもパン、美味しかった……?」
 兪児     :「それなりに。あれでししゃもにレモンかなんかの酸味が利いてたら
        :もっと美味しかったかとも思いますが」
  量子          :「……………(ー_ー;)」

******************************

  EPの中に、顔文字を使うのも手です。効果的に使うと、これはこれで面白いものです。
 
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  観楠          :「それじゃ、今日も」
  兪児          :「ししゃもパン二つ、お願いします」
  観楠          :「二つ?」
  兪児          :「人から頼まれました」
  量子          :「……………(ー_ー;;)」
  前野          :「……………(^^;)」

  観楠          :「(袋に入れて)……で、後は何か?」
  兪児          :「……あの、ここで食べることも出来るんですか?」
  観楠          :「はい、出来ます(笑)一応、半分は喫茶みたいなものだから」
  兪児          :「コーヒー、頂けますか?」
  観楠          :「はい、ちょっと待って……っと、どうぞ、座ってて」
  
  一つ頷くと、鞄を抱えてテーブルにつく。
  量子が、体をひねるようにして、兪児のほうを向く。
  瞳の色が紫色であることに気付いて、兪児は少し目を見開いた。

******************************

ここで、兪児というキャラクターの性格から、わざわざ量子さん達とは別のテーブルに
着いていますが、同じテーブルに座るほうが書き易いのは確かです。
相席になる理由が無ければ、他の席が空いてない、とすればよし(爆)

********************************:

  量子          :「……あれ、美味しかった?(汗)」
  兪児          :「飛びぬけて美味、とも思いませんでしたけど、まあ、
                :あんなもんかな、と」
  量子          :「信じらんないって感じー(う”ーー)」
  兪児          :(そんなに変なのかな)

  店長がコーヒーを持って、やってくる。

  観楠          :「お待たせ」
  兪児          :(ぺこり)
  観楠          :「にしても、見慣れない制服だけど、遠くからわざわざ?」
  兪児          :「他に用事もありましたから」
  前野          :「どこの……中学?高校?」
  兪児          :「西生駒……高校なんですが(汗)」
  量子          :「あー、なるほど……ってあそこから?(汗)」
  兪児          :「ししゃもパンって、他にはありませんでした」
  観楠          :「……うーん(^^;)」

**************************************

  さて、ここまでくると兪児のキャラクターは、少なくとも量子さんには
「ししゃもパンをわざわざ買いに来る変な奴」と映っている、としていいでしょう。
  これ以降のししゃもパン系の話に、彼女が出てくるきっかけとなります。

**********************************

  量子          :「でも前野っちー、中学生は失礼でしょ」
  前野          :「いや、うん(汗)……すみません」
  兪児          :「………いえ(苦笑)」

  膝下10cmのスカート、踝までの短い靴下。
  ミニスカ、ルーズソックスの、いわゆる女子高生の格好から、自分の格好が
程遠いことは自覚している。

  量子          :「真面目なんだ?(にぱっ)」
  兪児          :「……面倒臭いもので」
  前野          :「……(苦笑)」

*******************************

  さて、この部分以降には、推理が入ってきます。つまり訂正が入る可能性あり、と見てます。

  まず、兪児の格好に対する二人の反応が不確かなのですね。
  中学生と高校生、スカート丈で区別が出来る気がするのは私だけだろうか……という(滝汗)
 (でもでも駅で溜まってる連中見てるとそうなんだもんっ)
  で、もし、ここが問題ならば、この場合ハリ=ハラさんから訂正が来るでしょう。

  また、量子さんが前野さんの言葉を聞きとがめるかどうかは、自信がありません。
  けれども、聞きとがめても不思議ではない+量子さんの性格(悪い子ぶるけど、実は善良)
から、こういう反応を示すのでは、と、判断しています。
  勿論、これも変更が入る可能性はあります。

******************************

  コーヒーを飲み干すと、財布を鞄から引っ張り出しながら立ち上がる。

  兪児          :「お幾らですか」
  観楠          :「はい……」

  お釣りを受け取り、ししゃもパンを確認する。

  観楠          :「またどうぞ(笑)」
  兪児          :「……(目礼)」
  量子          :「がっこ、がんばってねー(にぱぱっ)」
  兪児          :「……はい(苦笑)」

  からんころん、と、音は既に馴染んで聞こえた。

********************************
この場合の量子さんの台詞についても、訂正は入る可能性があります。
  
  これは、彼女の経歴から、多分こんなことをいうんじゃないかな、と考えて
書いております。
  量子さんのキャラシートを見ると、「高校中退」というのがあるのです。
  高校中退した女の子が、えらい真面目そうな、多分自分より年下らしい高校生を
見た時の反応……というのは、これは想像するしか無い部分です。ただし、手がかりとして、
先程あげた量子さんの性格と、彼女が今の状態を後悔していない、という二つから、
案外明るく、この程度の反応を返してくれるのでは、と、考えました。
 また……こう書くと身もふたも無いんですが、女性って(というか人間って)自分の
優位性を脅かさない相手に対しては、基本として寛大です。この場合、「かわいい:3」の
量子ちゃんは、「目立たない:2」の兪児に対して、第一印象としてさまでの悪感情は
持っていないだろう、という前提から、割合好意的な反応を導き出してます(って書くと、
本当に身も蓋もねえ(爆))


  さて、ここで第二のEPは終わるわけですが、では、どのように「進んだ」といえるのか。

・ししゃもパン系の話題に、自然加わることができるようになる
      結構ファンの多いししゃもパンです。天方狼介さんなど、一時期は毎度毎度
      来る度に頼んでらっしゃいます。この手の人達との繋がりが出て来ます。
   ししゃもパンの話題が出た場合、本人が出てこなくても「噂」になる可能性もあります。
・量子さんとの間の、それなりに好感情
      少なくとも兪児は、「がっこ、がんばってねー」の一言に好感を持っています。
・前野さんの記憶にインプットされる
   登場回数、場面ともに多い人ですので、この方から芋蔓式にずうううっと続く可能性が(爆)


 というわけで、一応「知り合い度を深め、また顔見知りを増やした」という当初目的は
まあそれなり達成されたのではないかと(もごもご)
 

 今回もまた、単なる日常ですし、出来事らしい出来事も起こっていません。
 ただし「もすこし波瀾のあるEP」については、書きやすくなっている筈です。
 結局は、この繰り返しで進展させて行く……しかないのではないか、と。

 さて、参考になりましたかどーかは………………(穴見つけて潜っている)

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…………………………(ぱたん:穴の蓋を閉めてる)




    

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