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Date: Tue, 1 Jun 1999 18:17:38 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 13169] [HA06]: 「EPの書き方」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199906010917.SAA07139@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 13169
99年06月01日:18時17分29秒
Sub:[HA06]:「EPの書き方」:
From:E.R
こんにちは、E.Rです。
………………無謀です。
……許してください、気の迷いなんですっ(爆)
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EPの書き方(無謀編):ベーカリーに行こうっ
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えと、最近、新しい方がどんどん増えているようですが、よくそこで、
「EPってどう書けば良いんでしょう」という声を聞きます。
で、その一番簡単な方法として「ベーカリーに行ったらいいよ」てのが
あるんですが、しかし、では、ベーカリーに行って、どうすればよいのか、
そこら辺をE.R的に書いてみようかと思いました。
あくまでこれは、E.R が何時もどーやってEPを書いているか、に
準じているわけで、これが正しい、等の基準になるわけではありません(断固)
大前提:ベーカリーに何をしにゆくのか
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まず、この点ですが。
プレイヤー(本体さん)は、ベーカリーに「話のきっかけを作りに」
ゆくのですが、しかし分身は「パンを買いに」行くことになります。
そこのところを混同すると非常に妙なことになります。
例えば
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SE :からんころんっ
観楠 :「いらっしゃい」
誰か :「こんにちはっ。ええと私〇〇っていうんですけどー」
***************************
……というのは、変です。(パン屋さんに名乗るのはまあ普通じゃないですから)
そこで、パン屋さんに行く(特にベーカリー楠を選ぶ)理由は、といいますと。
今まで出てきた例としては
1)通りすがりに
2)人から聞いて(面白いパンがある、等)
3)人と待ち合わせるために
4)新しく商店街で店を開く、そのご挨拶に
などがあります。
このうち一般的なのは1、でしょうか。2、3だと、分身の友人知人がベーカリーを
知っている、という前提が必要になります。(その場合、2のほうが、関係が
軽くってすみますが)
小前提:無理して異能を使おうと思わずに
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よく、EPを書いていて「異能を上手く使えない」という声を聞くのですが、
少なくとも06の場合、異能が使われていないEPというのがかなりを占めています。
そも、パン屋で異能を使わなければならないことが、どれだけあるか、というと
これは非常に疑問です。
また、初めてのベーカリー訪問で、異能を見せる、というのは、これは06の
世界観からして、非常に無用心と考えられます。また、常連さんもやはりはじめての人に
ほいほい異能を見せたい、と思っているわけではないんだろう、との配慮もあったほうが
よいのではないか、と思います。
但し、「見えない筈のものを見てしまって驚く/感付かない筈のことに気がつく」など
という、言わば受動的な能力に関しては、人間関係構築の一環としてどんどんと使えるか
と思います。(ををなんか講座っぽい言葉だ(^^;))
其の壱:では、ベーカリーに行ってみようっ
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というわけで、ベーカリーに行きます。
ちょっと、己の持ちキャラクター、こと(今回、ベーカリー初めての)
07の水無瀬川兪児(高校生女子)、を使ってみます。(クロスオーバなので、
普通は出来ませんが……)
性格は、一見目立たない、しかしえらい根性悪です。口も悪いし、目付きも悪い。
でも、不必要なことは口に出しません。
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某日、夕刻……の少し前。
ベーカリー楠にて。
SE :からんころんっ
観楠 :「いらっしゃいませ(あ、初めての人だ)
兪児 :「……(何となく軽く目礼)」
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この時の反応は、要するに「はじめてのパン屋で『いらっしゃい』と言われた
貴方の反応」に準じます(つまりE.Rはつい礼するのだ(汗))<職員室効果(爆)
この時にも、様々なバリエーションが存在します。時間(昼食前なのか、午後なのか、
閉店間際なのか)、その時の店の中のメンバー(案外これが、時間と密接に関わってきます)
などで、EPの幕開けの雰囲気も多少変わってきます。
この場合、高校生ということで、この時刻を選んでみました。
なお、ベーカリーの扉にはベルがついてまして、この「からんころん」で
ベーカリー登場が分かる、といっても過言ではありません。
其の弐:話のネタを見付けよう
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さて、ベーカリーに入ってまず……ぐるりを見てみます。
半分は喫茶店の態を成しているベーカリーです。そこに誰かがいる、としても
よし、偶然誰もいない、としてもよし、カウンターの前に既に先客がいる、と
しても良いです。
それぞれのシチュエーションに、結構あてはまる常連の人達(後述)を上手く
捕まえて(笑)話を進めてゆくのが、楽かと思われます。
また、この部分を地の部分に書き換えて、まず状況説明をするのも手です。
*********************
兪児 :「…………(店内を見まわす)」
幾組か置かれている、テーブルや椅子。そこにぽろぽろと人が座っている。
一番近くのテーブルに座って、コーヒーを飲んでいた若い女性が、少し視線をあげて
こちらを見た。
何となくその視線をそらして、今度はカウンターを見る。
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ところでパンを買いにきたわけですから、当然カウンターを見て注文せねばなりません。
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兪児 :「……………(ししゃもパン?)」
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で、このパンの種類がネタ振りに良い(いや、ここまで長いことネタにされてきた
だけのことはあるというかなんというか)
ししゃもパン、プリンパン、トランプパン、虎縞パン、ジャムパン(食べると
ジャムセッションが出来るらしい)など、様々ありますが、今回、一番今までネタになって
来た、ししゃもパンを選んで見ました。
*************************
兪児 :「あの、すみませんが」
観楠 :「はい?」
兪児 :「ししゃもパンって何でしょうか?」
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ここで「どなたか説明お願いしますっ」とMLに流すことも可能です。
この場合、観楠さん以外でも常連の人々には馴染みの深い(そして悪夢の)パンですから
それなり、誰かが反応してくれる筈です。
其の参:常連さんって誰だろう
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さて、では、ベーカリーにたむろす常連さんとは誰だろうか、といいますと。
カウンター内
・観楠店長 :まあ、当たり前のことですが(^^;)
接客態度の丁寧な人です。(一部常連さんにはまた別かも(笑))
喫茶部
・狭淵美樹さん :風景と化して、そこにいる……といった風情ですか(笑)
自分から話しかける、ということはあまりない人ですが、
話に引きずり込めば引きずり込まれてくれる人です。
性格的に、かなり穏やかな人です。
・前野浩さん :この方と、女性(煌、煖のメイドコンビやみかんちゃん)が
セットでやってくる場合が多いです。(結構わいわいしてるかも)
性格はごく普通の人ですが見てくれが怖いので、そこら辺で
誤解させるのも手かもしれません。
・一十さん :大概、パンの耳の袋入りを抱えています。もしも分身さんが
妙齢の高校生男子(なんかそれわちがう)だとすると、この方が
登場する確率は非常に上がりますが……しかし危険です(まぢ)
・浅井量子さん :あえてこの方を挙げます。前野さんとセットで出てくる場合が
多いんですが、この方の場合、たかぴーに出ればたかぴーに返して
下さるだろうという期待が(爆)
・豊秋竜胆さん :この方も前野さんとセットのことが多いです。(何故更毬さんじゃ
ないんだろうなあ)結構気さくにパンの説明なんかも手伝ってくれる
方、という印象があります(それだけ長の常連さん)
・滝郁代さん :もにかちゃんという動くぬいぬいと一緒に行動することが多いです。
動いているのを発見して驚く、という手もあります(なんだそれわ)
・譲羽 :…………もにかちゃん以上に、へこへこ動く、少女人形です。
かなみちゃん、みかんちゃんなど、小学生の子供達と一緒であるか、
後述する平塚花澄と一緒におります。言葉が非常に楽でして
「ぢいぢい」のみで意思を伝え……ている積りらしいです。
カウンター前
・小滝ユラさん :例えば貴方が出勤前、朝食を食べずに飛び出して、しかして時間が
余ってしまった時にベーカリーに行くと、飛びこんでくる可能性の
ある人です。何時も非常に忙しい人なので、とっ捕まえるのはなかなか
難しいかもです(笑)
・柳直紀さん :平日、お昼を過ぎた頃に、会社を抜け出してパンを買いに来る可能性
があります。時間のある時だと、美味しい紅茶を入れてくださる可能性も
有りです。
・蒼月かけるさん:もしも貴方がけものみみのあるキャラクターを創造するか、もしくは
頭に作り物のねこみみを取り付けた状態でベーカリーに来られた場合、
必ずや反応してくださる一人です。
・平塚花澄 :大概夕刻、もしくは閉店前の時刻に訪れます。昼間、ご飯を食べにくる
こともあります。周り一面が常に春温度です。なお、もののけ、幽霊
等人外のものを割と自然に見るので、それをきっかけに出来るかもしれません。
・富良名裕也さん:今年から大学生ですので、お昼をひょこっと買いに来る可能性高し。
但し、見てくれは下手すると中学生かもです(爆)元気のいい方ですので、
質問したらしっかり答えが返ってくるうちの一人です。
…………というのは、常連さんのごく一部です。
これ以上の人々は、キャラクター表から探してください(笑)
其の四:試しに書いてみよう
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さて、今回は、サイコロを転がした結果、浅井量子さんと小滝ユラさんにお相手を願う
ことと致します。
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観楠 :「ししゃも……(汗)」
兪児 :「?」
量子 :「……(小耳に挟んで)……ししゃも……(汗)」
兪児 :「(やはり小耳に挟んで)…………何か差し障りが?」
観楠 :「えーと……これはね、好きな人は非常に好きなんだけど、当り外れが
:結構あるパンで……だよね、量子ちゃん」
量子 :「当り外れっていうかー、外れ外れがあるって感じー(きっぱし)」
観楠 :「う”」
兪児 :「(値段を確かめている)……(そんなに高いわけでもなさそうと判断)
:……好きな人もいるんですか?」
観楠 :「うん(汗)」
兪児 :「店長さんは如何なんでしょうか(じろっ)」
観楠 :「いや、そりゃ、美味しいと思って売ってるよ……んだけど…(汗)」
兪児 :「中にししゃもが入ってるんですよね?」
観楠 :「うん。ししゃも自体は鮮度のいいの使ってるんだけど……」
と。
SE :からころんっ
ユラ :「こんにちはっ……あー店長さん、サンドイッチとトランプパン下さいっ」
観楠 :「いらっしゃい……って今日もまた忙しそうで(苦笑)」
ユラ :「いえ、実験と私用が重なっちゃって、もうご飯食べる間もなくって(苦笑)」
兪児 :「……(トランプパン?)」
見ていると、店長はころころとしたトランプのスートの形のパンをスコップで掬い上げ、
適当に計って詰めている。
観楠 :「はい……じゃ……気をつけて(汗)」
ユラ :「どーもっ(袋を受け取って)じゃっ」
SE :からからんっ
観楠 :「大丈夫かな(汗)……っと?」
SE :からからんっ
ユラ :「すみませんっ!店長さん、お代払うの忘れてたっ(汗)」
兪児 :「………………(汗)」
ふと、ユラが突っ立っている兪児に目を止める。
ユラ :「あ、あう、先客の方居たのね(汗)ごめんなさい」
兪児 :「いえ、まだ決めてませんでしたから」
ユラ :「いえ……」
ごめんなさいね、の語尾が、ドアベルの音に重なる。
観楠 :「すみません……で、注文、決まりました?」
兪児 :「ししゃもパンとトランプパン下さい(きっぱり)」
観楠 :「……いいの?」
兪児 :「試してから後悔します(きっぱり)」
観楠 :「……(^^;)」
あとは無言でパンを詰めて。
観楠 :「はいどうぞ」
兪児 :「……(無言で目礼)」
からからん、とドアベルの音に送られて店を出る。
パンの袋は、ほんのり暖かかった。
********************************
と、こんな感じになりました。
このとき、昔のEPを読んで、似たようなシーンを掘り出すのも手です。
今回、量子ちゃんのししゃもパン嫌いも、ユラさんのパン屋かけこみも、
既にEPに記されているものです。(って……EPアップしてあったかなあ(滝汗))
あとは、日常EPの場合、「特徴」欄を有効に使うのが手です。
例えば、今回、ユラさんについては「天然ボケ:2」を、量子さんについては、
「経歴を語る口調」を参考にしています。
ついでに言いますと、この段階でお互い名乗ってもおりません。
(いあだって、何時もパン屋で顔を会わせた人が、名乗ることってないから……)
いあ、名乗ってもいいんですが(汗)そのきっかけが今回ありませんでした。
で、次にベーカリーに来た時には、恐らくこんな話題から始まります。
*************************
SE :からんころん
観楠 :「いらっしゃい……あ(汗)」
量子 :「あれ、この前の」
兪児 :「……(目礼)」
観楠 :「ししゃもパン、美味しかったかな……」
兪児 :「それなりに。あれでししゃもにレモンかなんかの酸味が利いてたら
:もっと美味しかったかとも思いますが」
**********************
ここら辺までくると、段々と話題が広がります。
ところで、第1回のEPが終わったところで、修正、訂正をお願いしてMLに流します。
そうすると、MLで返事が来ます。口調修正、などが主ですが、時には
「量子はししゃもパン好きですよ」
など、結構話の根本に関わる部分(って大げさな)が修正を食らう場合があります。
これを避けるには、過去の情報を出来るだけ集める、また、自分の常識よりも
良識に頼った、幾分控えめな描写にしておく、というのは結構大切かもしれません。
というわけで。
参考になるかどうかは不明ですが、案外EPは書きやすいものです。
そして、積み重ねれば積み重ねるほど、分身達ははっきりとした輪郭を持ち、
確固として存在するようになるものです。
無理なく、少しずつ。
ではでは。
吹利の街角でお待ちしております(笑)
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……………………(脱兎)