[KATARIBE 13137] Re:[WP01]:EP: 「失われしは我が思い」

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Date: Mon, 31 May 1999 19:48:18 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 13137] Re:[WP01]:EP: 「失われしは我が思い」 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199905311048.TAA03281@www.mahoroba.ne.jp>
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99年05月31日:19時48分15秒
Sub:Re:[WP01]:EP:「失われしは我が思い」:
From:E.R
こんにちは、E.R@しくだい片付けキャンペーンちう(滅)です。

何時のまにやら、加わってたり(笑)
風音、朱理さんに出会います。
朱理さんのシーンに、そのまま続きます。

********************************

  新宿、雑踏
 −−−−−

 新宿という街が苦手である、とは、風音はあまり思わない。
 人こそ多いが、それはまとめて風のようなもので、こちらに関わるものではない。

 ……大概は。


 もうすっかり暗くなった道を、しかし人の流れは絶えることなく動いている。
 ざらざらと、人の数だけ未来が砕ける。
 砕けた未来を受け流しながら歩いていた風音は、ふと足を止めた。

 風音      :「……?」

 どこか見慣れた、けれども異質な青銀色の光沢を持つ壁が、自分の目の前にある。
 目を細めると、青銀色の光沢がすう、と流れるように消え、壁が透き通る。
 二重写しの、奇妙な風景。
 
 風音      :「…………」

 壁越しに流れ来る、近未来。
 がらがらと砕ける壁。
 それが静かに天から降ってくる。
 無音。
 それが降り注ぐ……先に。

 風音      :「……?」

 女性。すらりと背の高い、厳しい視線の。
 微かに唇を噛み締めて、視線を据えている。
 からからと、彼女より来る未来。
 砕ける壁が、確かに彼女の上に…………

 風音      :「……っ」
 朱理      :「?」

 思わず手を伸ばしたその気配に、彼女が振り向く。
 切り揃えられた髪が、鋭い弧を描く。

 風音      :「……貴方、危ないわ」
 朱理      :「え?」
 風音      :「頭上に……いえ」

 怪訝そうな、そしてどこか突き放すような目と、語調。
 風音は口をつぐんだ。
 
 ズジョウニ、ビルノカベノハヘンガオチテキマス
 ハナビラミタイニ……

 風音      :「花びら」

 ぽつり、と呟くと、彼女からやって来た破片の一つがすう、と形を取る。
 手のひらを並べたくらいの大きさの、ごつごつとしたそれは、しかしひらひらと舞うように
風音の手元に落ちてきた。

 朱理      :「!」
 
 朱理の目には、それはごく唐突に現れたように見えた。
 
 朱理      :「貴方一体……」
 風音      :「もっと、降るわ」
 朱理      :「何のことです」
 風音      :「貴方の上に」
 朱理      :「……何をっ」

 莫迦な、と言いかけて朱理は口をつぐむ。目の前の小柄な女の言葉を信じたわけではない。
 しかし流石に、初対面の人間に向かって「莫迦な」とは言えない。

 風音      :「……あ」

 ふいと、風音が視線を泳がせた。
 
 からからと、青銀色の壁より流れる未来の破片。
 倒れる男。それに向き合う男。視線。月の色。太陽の色。
 奇妙な方向を向く、足。そして……女子高生?
 そして、食い込むように深く刻まれる文字。


  カレラハフカクカカワルモノ。


 寸前の未来。

 風音      :(間に合わない)
 朱理      :「……!」

 五感のうち二つを支配する、爆発の衝撃。しかし触覚には一切伝わらぬ……
 破片の幻は、彼女達の立つ路地、一面に降り注いだ。
 反射的に避けてから、二人は顔を見合わせた。
 
 風音      :「……見えるんだ」
 朱理      :「……貴方も」
 風音      :「今ので、誰かが怪我したわ……月の目の人」
 朱理      :「え」
 風音      :「知ってる人?多分あれじゃ足が折れてる」
 朱理      :「足が?!」
 風音      :「行って……あ、でも駄目、貴方は駄目」
 朱理      :「何が」
 風音      :「行っては駄目。壁がまだ……」
 朱理      :「だって、もう砕けて!」
 風音      :「まだ、続くわ」
 

 埒があかない。
 く、と一度唇を噛むと、朱理は壁に向き直った。
 
 朱理      :「…………入りたい」

 つう、と、右の手が動く。まるで何かをなぞるように、壁に向かって手が伸びる。
 伸びた手が、すう、と、めり込んで行く。
 ほんの数瞬後、朱理の姿はこちら側から消えうせている。

 風音      :「…………」

 ひどく、躊躇いがあった。
 それでも、彼女一人を行かせるわけにはいかない、と、ふと思った。
 たとえ変えようのない未来であっても。
 すい、と、躊躇いがちに手を伸ばす。ぴしん、と弾けるような感触に一旦手を引っ込めかけたが
そのまま突き入れる。後は抵抗らしいものも感じないまま、するり、と、入りこむ。

 風音      :「……」

 未来が流れ来る。そのうちの一つに風音は手を伸ばした。ひしゃげて見る影もない街灯が
何者かに追い立てられるように走って来る。

 風音      :「馬」

 その一言で、それは「馬」へと変じる。よじくれた下半分は四足と胴体へ、そして長すぎる首へと
続いて。
 月の目の人は、なんとなくやたらと大きな印象があった。

 風音      :「いこうか」

************************************

 てなもんで。
 朱理ちゃんの異能、今だ発現しておりません(汗)
 …………かけないんだよう(千金の重みのある理由ですな(滅))

 えと、結界に入りこむに関しては、さいころ振りまして、
 風音は「侵入:13」で二度振って8出しまして、
 朱理ちゃんは一度で6が出ました。(結界:12)
 確か、強制力5の結界、と憶えてますので……これでいいんだよね?(途端に不安)

 風音は、直人さんを「馬」にのっけようとしてます。(いあ流石に180cmの人を動かせない)
 で、この馬を作り出したのが、「未来具象化」能力ですね。
 一応、「彼女が連想する範囲で」属性を設定できますが、流石にあまりにとっぴな連想はできないです。
 (充分している、とゆーきも(汗汗汗))

 朱理ちゃんの反応、等、変更宜しくお願いします。
 あ、ただ、「風音の能力」に関しては、この時点では、たとえ尋ねられても答えないです。
 
 そんなところですかね?

 ではでは。




    

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