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Date: Fri, 21 May 1999 17:30:29 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 13015] [WP][EP] 「ニアミス」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199905210830.RAA07692@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 13015
99年05月21日:17時30分27秒
Sub:[WP][EP]「ニアミス」:
From:E.R
こんにちは、E.R@いちおー、今日は暇(をひ)です。
一行で話してたEP、終末の住人の、岡崎鞍馬君と白鷺洲風音の出会い……
…………というか本当に出会っただけと言うか(^^;)
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EP 「ニアミス」
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だんだんと日が長くなる。
だんだんと夜がぬるんでくる。
日付が変わる、ほんの少し前。
帝都といっても、郊外にずれると、やはりこの時間人影が無い。
時折、思い出したように車のライトが道を走って行く。
くゆるような、緑の匂い。
ぽつりと点った街灯の下を、ゆるゆると歩く。
肩から羽織った薄いストールが、風に揺らぐ。
流したまま、膝の辺りまである髪が、ざわ、と揺れる。
と。
風音 :「……?」
弾むように近づいてくる気配。そして未来の破片。
目を細めて未来をやり過ごし、風音は足を止める。
少年。
やはり弾むような足どりの……
……いや、生気、それ自体が弾むような……
真っ直ぐな。
少年。
少年 :「……?」
街灯の光の輪の中に入るにつれ、少年の姿が浮き上がってくる。
小学校、多分高学年。まだまだかわいらしい……けれどももう既にしっかりとした
芯を持ったような、そんな顔立ち。
頭をバンダナで包んでいるのが、目を引いた。
それにしても、この時刻、この年齢の子供が歩いているべき時間ではない。
風音 :「……あの」
少年 :「……はい?」
風音 :「えと……どうしたの、こんな時間に?」
少年 :「……っと……」
ちょっと困ったように左右を見て。
少年 :「……散歩、してます」
違和感。
夜遊びをするような、子供には見えない。
真面目そうな、きちんと躾られた子供、という雰囲気が、その答えからは伝わってくる。
故に……余計に、違和感。
風音 :「ここら辺、最近危ないから……」
口に出してから、思わず苦笑する。
危ないのは……さてどちらだろう。
からからと押し寄せる未来の破片の中の少年は、風と化して走っているというのに。
少年 :「危ないんですか?」
風音 :「……うん、少し……危ない、ですよ」
この一月ほどで、既に3、4人の娘が消えているという。
小柄な、髪の短い娘達。
風音 :(……うん、危ないかも(汗))
小柄で、かわいらしい顔立ち。年齢のせいもあるのだろうが、ぱっと見には少女に
見えないことも無い。
風音 :「気をつけて下さいね」
少年 :「ありがとうございます」
にこっと笑うと、ぺこり、と頭を下げる。昨今珍しいほど、折り目の正しい振舞いである。
風音 :「いえ……じゃ、おやすみなさい」
少年 :「はい」
そのまま横を通りすぎたが、少年は立ち止まったままである。少し気になって振り返った
風音と、少年の視線が合った。
少年 :「あの……お姉さんも、気をつけてください」
風音 :「はい……ありがとう」
心配そうな、視線。多分それはこちらに向けられた心配と共に、余計なお世話、と
突き放されることに対しての心配であったろう。
覚えず、口元に笑みが浮かぶ。その笑みのまま会釈をすると、少年はほっと笑って、
もう一度ぺこりと頭を下げたなり、走っていってしまった。
風が、起こる。
からからと、未来が流れる。
まんまる。
少年を包む、まんまる。
風音 :「……………………」
この過去は、初めての過去……であるならば。
少年の姿は、もう見えない。
風音は、また微かに目を細めた。
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てなもんで。
ええと、EP中「髪の短い小柄な娘が消えている」とゆーのは、
ええ、これわもう、どことかのしろーちゃんのせいである、と(爆)
…………すいませんハリ=ハラさん、まずかったら消します(汗)
訂正修正、等、宜しくお願いします。
ではでは。