[KATARIBE 12784] [HA06] [EP] 学生なのか…

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Date: Sun, 25 Apr 1999 01:05:18 +0900
From: "ハリ=ハラ" <shiva@imasy.or.jp>
Subject: [KATARIBE 12784] [HA06] [EP] 学生なのか…
To: "ML" <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <003e01be8e6c$a78b77e0$cb18e3ca@note2>
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ども、ハリ=ハラっす。

そーいや、学生らしいEPを一度も書いたことがなかったなぁと(w
で、こんなん書いて見ました。

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 EP:学生なのか…
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某大学
ここは、図書館

 職員  :「あっ、学外の方は記帳を……(汗)」

 何事も無いようにゲートを通っていった黒服に声をかけた職員が、ちょっ
と苦い顔をする。

 職員  :「…お願いします(恐る恐る)」
 前野  :「……学生ですけど……」
 職員  :「えっ?(汗) あっ、ほんとだ……」

 頭を下げつつ、紛らわしい格好をするなという目で睨む職員の視線をやり
過ごし、奥へと進む。相変わらず、開放でネットサーフィンをやってる人間
が一番多い。

 前野  :(エロ画像を堂々と開いてるんじゃねー(汗))

…と

 誰か  :「お?前野じゃねーか」

振り向くと、バンダナをまいた細身の男。
潰したサークルの友人の一人である。

 前野  :「よぉ、久しぶり」
 友人  :「まだ生きてたのか〜」
 前野  :「生きてるわ(苦笑)」
 友人  :「いや〜、どっかに修行に行ってるとか、組織に狙われ
  : て逃げ回ってるとか、色々言われてたからな〜。心配
  : してたんだぞ(笑)」
 前野  :「なんでそうなる…(汗)」

 相手も相手で、拳法の修行に中国まで行ったりした奴である。
 いわば、同類。

 友人  :「そういや、大学来てるのか?」
 前野  :「来てない(キッパリ)」
 友人  :「言い切るなよ……(汗)」
 前野  :「で、お前は?」
 友人  :「みなまで聞くな」

 同類め…

 前野  :「ま、生きてるしな」
 友人  :「うむ。生きてれば良し」

 しばらく、取り留めの無いことを喋る。
 最近の友人の近況…
 サークルの事…
 大学の事…

 前野  :「そうか……」
 友人  :「で、そっちは?」
 前野  :「色々とな……」

 暫し沈黙

 友人  :「んじゃ…身体には気を付けろよ」
 前野  :「おう…」
 友人  :「たまには顔を見せろよな(笑)」

 軽くてを上げて別れる。
 彼とも、またしばらく会わないだろう。

 職員に会釈をして外に出る。

 前野  :(さて…)

 足を大学の中央広場に向ける。
 朝方まで降っていた雨のせいで、石畳の所々がまだ湿っている。
 湿った土と草の匂いが強くなる。
 あの木々の間を抜ければ、中央広場に出る。

 前野  :(どこに居るかな…)

 中央広場はすり鉢状になっている。
 野外演劇場も兼ねている為だ。
 その底の方で、大学生らしい女生徒と小さな子供が遊んでいる。

 前野  :(あそこか……)

 階段を降りて近づくと、話している内容が聞こえてくる。

 女学生 :「…何を見つけたの?」
 子供  :「…ありさんのおうち」

 しゃがんで地面を見ていたのが、やがてぺたっと座り込んでしまう。

 子供  :「………」
 女生徒 :「お尻汚れちゃうよ?(笑)」
 子供  :「えっ…?…あっ!」

 びっくりしたように飛び起きる。
 乾いているならともかく、まだ湿った地面である。

 女生徒 :「あらあら、汚れちゃったね(苦笑)」
 子供  :「う〜(困)」

 慌ててぱたぱたと払う。

 前野  :「みかん。すぐに落ちるから、大丈夫だよ(笑)」
 みかん :「あっ、おかえりなさい☆」

 パンパンと泥を払い、安心させるように頭をなでる。

 女生徒 :「えっ?前野君??」
 前野  :「お久しぶり(苦笑)」

 高校時代の同級生。もっとも、今は学科が違う。

 前野  :「遊んでてくれたんだ…ありがと」
 みかん :「うん、いっしょに遊んでくれたの」
 女生徒 :「いや…それは良いんだけど…」

 前野とみかんを見比べる。

 女生徒 :「前野君の子供?(真顔)」
 前野  :「ちゃうわっ!」
 女生徒 :「じゃあ……??」
 前野  :「……妹だよ」
 女生徒 :「えっ?でも、妹なんて……」
 前野  :「………色々とあってね…」

 暫し沈黙

 女生徒 :「…そう…がんばってね」
 前野  :「何をだよ(苦笑)」
 女生徒 :「さぁ?(くすっ)」
 前野  :「そろそろ次の講義だろ?」
 女生徒 :「あっ、いけない。それじゃね」
 前野  :「あぁ…」

 高校の連中か……
 次ぎはいつ会えるのやら…

 前野  :「学生……か」

 溜め息混じりに呟く

 もう、学生じゃないな…

 口には出さない…

 みかん :「おにいちゃん…」
 前野  :「ん?どうした?」
 みかん :「すごく寂しそう……」
 前野  :「…ありがと…大丈夫だよ」

 頭をなでる。
 
 もう決めた事なのだから
 大丈夫…大丈夫…
 心配しなくてもいいよ…

 前野  :「さ、帰ろうか」
 みかん :「…うん」

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って、学生ものじゃないやん(w

あは(^^;;


それでは〜

    

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