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Date: Wed, 21 Apr 1999 20:39:48 +0900
From: "E.R" <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12739] HA06 : EP :「不眠の香茶」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199904211139.UAA29379@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 12739
99年04月21日:20時39分43秒
Sub:HA06:EP:「不眠の香茶」:
From:E.R
こんにちは、E.Rです。
ふいと、日常EP。
美都さんとユラさん、お付き合い願ってます〜
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EP「不眠の香茶」
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某日、午後。
グリーングラスにて。
かたん、と扉が開いて。
美都 :「いらっしゃいませ……あ」
英一 :「こんにちは」
ユラ :「いらっしゃいませ(にこ)」
英一 :「あ、すみません」
どうも馴染みがない空間。
自分だけの用事ならば、立ち寄らないだろう……と、わかっているだけに。
ユラ :「今日は……(くす)」
英一 :「ああ、花澄から頼まれまして。……そうだ、小滝さん」
ユラ :「は?」
英一 :「ユラさんブレンド、って何ですか?」
ユラ :「あ……ああ(笑)目の醒めるお茶です。以前花澄さんに頼まれまして(笑)」
英一 :「……成程」
くるり、と見渡す。
と、テーブルと椅子が目に入る。
英一 :「……ここでも居眠りしてるんですか、あいつは(溜息)」
ユラ :「一度、だけですけど」
英一 :「申し訳ありません。邪魔だと思ったら叩き起こしてやって下さい」
ユラ :「邪魔なんてこと、ないですよ……あ、それで、そのブレンドですか?」
英一 :「はい。……あ、あと……」
少し思案して。
英一 :「眠れるお茶ってのも、ありますか、そうすると」
ユラ :「まあ、それに近いものなら作れますけれど?」
英一 :「お願いできますか?」
ユラ :「はい。……美都ちゃん、そちらの計り」
美都 :「はいっ」
ユラ :「ちょっとかかりますんで、そこに座っててくださいな」
英一 :「すみません」
木製の椅子の上に、藍染めの座布団。
確かに、座り心地が良い。
そして……居心地の良い空間。
美都 :「英一さん……眠れないんですか?」
英一 :「たまに」
美都 :「大丈夫ですか?」
英一 :「まあ、多少眠りが浅い、程度だから(苦笑)」
ユラ :「ぱーっと呑んでぱっと寝るのが一番って、花澄さん言ってましたけど?(笑)」
英一 :「……それで潰れるなら苦労は無いんですが」
ふと、間が空いた。
継ぐべき言の葉が、ほろ、と落ちてしまったような。
それが沈黙になる前に、英一は慌てて言葉を継いだ。
英一 :「…………俺も花澄も、相当ザルですから(苦笑)」
ユラ :「……(笑)」
英一 :「眠るまで呑んだら、幾らあっても足りません」
静かに、笑いが答える。
静かな……でも、明るい笑いである。
ユラ :「お待たせ致しました(お茶の袋を美都に渡して)」
美都 :「どうぞ」
英一 :「あ、すみません」
一礼して、そのまま出て行く。
からりと開いた扉の向かいに、昼間の月がしろく浮かんでいた。
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てなもんで。
美都さんとユラさん、適当なんで、手直しお願いします。
……む。
であであ。