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Date: Sun, 18 Apr 1999 01:37:21 +0900
From: Masaki Yanagida <yanagida@gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
Subject: [KATARIBE 12658] Re: [HA06] EP: 「そして始まりの春」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <9904171637.AA00634@avalanche.gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
In-Reply-To: <199904130445.NAA31076@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 12658
ども、D16です。
春らしい企画が走ってるんで、ちょっと参加。
他の人とのからみが無いですが、まぁそこはそれ。
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>HA06 EP: そして始まりの春
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一十の場合 - 山の早朝
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降り続いた雨は明け方になりようやく納まっていった。
ゴアテックスの前を開いたまま寝たせいで、身体が冷え切ってしまっている。
だが、レインギアの内側に結露していた水蒸気は消えた。
眠りについたときには肌に張り付き、容赦なく体温を奪った下着も今は乾い
ている。つくづく新素材のありがたさを感じた。
ラジオのタイマーが入り、FMが流れ出る。
光量を増しつつある林内に意外なほど透き通った音質の弦楽が流れる。
長井 :「……計測」
共同研究者の長井が寝不足でむくんだ表情で告げる。
一は無言で湿った靴に足を入れるとバケツを手に取った。
葛城山系のふもとにある吹利学校農学部附属演習林。今十が居るのは青金沢
水文試験地の量水堰堤である。
先年度に作られてから降雨のたびに流出プロファイルを知る為に誰かが泊り
こんで流量を計測している。
……バケツとメスシリンダーで。
十 :「……腹、減ったなぁ」
長井 :「はい、はじめるぞー」
十 :「(キノエ達、おきたかな?)」
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ってわけで完全な日常EPです。
それでは。
柳田真坂樹(Masaki Yanagida)
東京大学農学部森林理水及び砂防研究室
研究生
e-mail:yanagida@gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp