Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Wed, 14 Apr 1999 10:58:35 +0900
From: 勇魚 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12616] Re: [HA06][EP] 「明けない夜」続き1
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199904140158.KAA31093@www.mahoroba.ne.jp>
In-Reply-To: <9904131950.AA00628@avalanche.gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
References: <9904131950.AA00628@avalanche.gaia.fr.a.u-tokyo.ac.jp>
X-Mail-Count: 12616
99年04月14日:10時58分32秒
Sub:Re: [HA06][EP] 「明けない夜」続き1:
From:勇魚
こんにちは、勇魚です。
「明けない、夜」続きになります。
それはそうと、D16、いきなり謝ってくるから何かと思えば、直紀さん容態急変ときたかい。
…というわけで、前回書いた、漢方薬出したりするシーンはカットして、書き直します。
いくらなんでものんびりしすぎなので…
もし、あのシーンに続けるシーンを書いていらしたら、申し訳ありません>関係者おーる
> ユラが麻樹さんを呼ぶのは3/28(日)の夕方当たりです。
> ちょっと整理。
>
> 3/24(水) 夕方 直紀呪いビデオを見る。
> 観楠店長十一を目撃
> 夜 松蔭堂土蔵にて直紀と一十普通のビデオみる。
> (少し体調悪くなる)
> 3/25(木) 朝 直紀会社休む。紘一郎呪いのビデオの話をする
> 昼~夕方 松蔭堂にて一十、前野、煖、花澄呪いのビデオに気づく
> 3/26(金) 早朝 直紀疑心暗鬼、その後会社へ
> 昼 紘一郎情報収集、夕方直紀宅へ
> 3/27(土) 昼 花澄、十一目撃
> 3/28(日) 朝 直紀グリーングラスへ、ユラ寝かせる。紘一郎へ連絡
> 昼 紘一郎グリーングラスへ直紀容態急変、呪詛と判明
> 夕方 紘一郎、一十に連絡。その後、一十はキノエキノトを
> 打つ。
> 夜 前野調査完了、一十宅へ
> 深夜 前野と一十の話し合い
>
> 今のところこんなとこです。
>
えと、ここからのシーンは、28日の昼から夕方、夜まで。
治療班結集までいくかな?
**********************************************************************
ユラ :「…どういう、ことなんです?」
数分後、台所で何やら煎じ薬を作るユラは、紘一郎に背中を向けたまま、尋ねた。
ユラ :「さっきのは…バランスが狂ったどころの話ではなかったわ。
何か、ご存知なの?」
紘一郎:「……」
呪い、と言って、このひとに通じるだろうか。
ユラ :「知っていること…なんでもいいの。教えて下さい」
紘一郎:「呪い…と、いったら」
ユラ :「どういうものなのですか?」
紘一郎:「わかりません。本当に呪いなのかどうかも…」
ユラ :「…わかりました」
紘一郎:「わかった、って?」
ユラ :「気を、つけます」
言って、ユラは初めて振り向いた。笑わない顔だったが、声だけ優しかった。
ユラ :「私は…診察して薬を出すことしかできません。だから、そのとき、
気をつけます。
呪い、ってことは、今まで私が習ってこなかったこと、私の常識からは
外れた反応でも起こり得る状態に、直紀さんの体がなってしまっている
可能性があるということでしょう。
だから」
紘一郎:「……」
ユラ :「でもね、珍しいことじゃありませんよ」
紘一郎:「…どういうことですか」
ユラ :「知らない病気を治療する、ただそれだけのことです。
いつでもマニュアルどおりの患者さんがいらっしゃるとは限りませんから」
安心させるような、静かな口調だった。
ユラ :「…でも、そうすると、直紀さん、こちらにいらしていただいたほうが
いいかしらね」
紘一郎:「というと?」
ユラ :「病院に行くよりは、きめこまかな対応ができますから。
…信用して、いただけます?」
ユラの表情は、水を打ったように静かだった。
それをじっとみつめ…紘一郎は口を開いた。
紘一郎:「おねがいします。
…僕がここにいるのは、姉の体にもよくないと思いますので、帰ります。
…よろしくお願いします」
ユラ :「わかりました。それと」
紘一郎:「?」
ユラ :「私は、医者の対応しかできません。もし本当に呪いなら…」
紘一郎:「一さん、かな…」
ユラ :「連絡しておいてください」
それきり、ユラは紘一郎に背を向けた。
嗅ぎなれぬ匂いが、部屋を満たす。ユラの煎じている薬のものらしい。
紘一郎:「すー、いくぞ」
すー :「えー、でもなおちゃんがぁ」
紘一郎:「ユラさんのお仕事の邪魔になる。ここはユラさんにまかせたほうがいい」
辞去の挨拶にも、ユラは小さく会釈して応えただけだった。
振り向いた顔はあいかわらず静かだったが、張り詰めた眦の凄いような厳しさは
隠さなかった。
**********************************************************************
ちょっと時間ぎれなので、いったんここで切ります。
次のシーンでは麻樹さんが来てるはずです。
ではまた