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Date: Tue, 13 Apr 1999 16:24:59 +0900
From: タイガ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12609] [HA06]nvl 「 Signal Of Solitude 」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199904130724.QAA00696@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 12609
99年04月13日:16時24分57秒
Sub:[HA06]nvl「Signal Of Solitude」:
From:タイガ
ども、タイガです。
先に書いたEP「学校の怪談」、真美の初登場EPとか言ってもあんまり
性格が出てないな(^^;;。
って事で、ちこちこっとかいてみました。
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「Signal Of Solitude」
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「ね、真美ちゃんも一緒に遊ぼ♪」
予想より速く読み終わった本をしまっていた真美に声がかけられる。
「え?」
「本。読み終わったんだよね?」
「う、うん……」
「じゃ、あそぼうよ」
「うん……」
にっこりと笑いかけられ、思わず頷いてしまう。
何故か、逆らい難い。
始めはぎこちなかったが、何時の間にか熱中していたらしい。
五時間目の予鈴が鳴るのは随分早く感じられる。
「え〜。もう終わり〜?」
誰かが不満気に言う。
まったく同感だったが、ふと疑問に思う。
(体を動かすのが苦手で、体育だって大嫌いなのに……)
その「体を動かす」類の遊びだったのに、まったく気にならなかった。
それどころか、もっと遊んでいたい。
今までにない事だった。
(何でだろう……?)
考えてみたがよく解らない。
「おっはよ〜♪」
元気のいい声がかかる。
振り向いた真美に目の前に萌が居る。
昨日、誘ってくれた子だ。
にこにこと眩しいくらいの笑顔を浮かべている。
「お、おはよう……」
おずおずと返事をする。
「あ、おはよ」
段々と萌の周りに人が集まってくる。
皆が楽しげに話している中で一人思う。
(そっか……)
「有り難う、萌ちゃん……」
「え? なぁに?」
小声で言ったのに、ちゃんと聞こえていたらしくきょとんとした表情で尋ね
てくる。
不意に悪戯っぽい衝動が湧いて、微笑みながら言う。
「なんでもないよ」
「?」
きょとんとしている萌を追い越し、
「はやくいこ♪」
(私、こんな風に皆と一緒に居たかったんだ……)
心の中で呟く。
今日からはきっと楽しい毎日が来る……。
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