[KATARIBE 12598] [HA06]nvl: 『口紅』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Tue, 13 Apr 1999 10:14:04 +0900
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 12598] [HA06]nvl: 『口紅』 
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199904130114.KAA15759@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 12598

99年04月13日:10時13分59秒
Sub:[HA06]nvl:『口紅』:
From:久志
  ども、久志ですぅ(^^)
めためた久しぶりにお話流します〜

  って、過去に止めたまんまの小説『口紅』です。
一応去年の夏の話なので、三人組はまだ高校生です(^^;)
ではでは


小説『口紅』追加修正版
======================

 その日は別になんら変わりもない普通の朝だった。
聞きなれた目覚ましのアラーム、一回ベルを止めても五分後にはしつこくまた
鳴り出す。ベッドから起き上がり伸びひとつ、まだ時間には余裕がある。
 ようやくベッドから抜け出すとネコ柄プリントのパジャマ…母の趣味で買っ
たシロモノ…を脱いで洗いざらしのワイシャツを羽織る、シャツの少しひやっ
とした感触に軽く身震いする。制服に着替え、鞄を持ったまま一階のリビング
に降りる、ご飯の炊ける匂いが鼻をかすめた。
「あら、和ちゃんおはよう」
「ん、おはよう」
 テーブルの上には弁当の具がのった皿と、朝食ののった皿が並んでいる。毎
朝弁当のおかずの余りがその日の朝食になっている。
「あれ、母さん、兄貴達の分は?」
「ああ、今日は史ちゃんは非番でお休みなんですって。幸ちゃんは大学午後か
らだからって」
 毎朝、弁当を作ってくれる母親…というのは最近では珍しい部類に入るらし
い。母の手製弁当はクラスメイトのフラナや佐古田にいつもうらやましがられ
ている。自分としても、毎日面倒がらずに弁当を作ってくれる母には感謝して
る、少女趣味さえ無ければ言うことはないのだが。
「ああそう、和ちゃんちょっと悪いんだけど、今日、夕ご飯は自分で作ってく
れる?」
「今日?別にいいけど…なにかあった?」
「ええ、三丁目の坂本さんのところの娘さん、交通事故で亡くなって今日お通
夜なのよ。坂本さんにはリサイクルショップで色々お世話になってるから、ち
ょっと顔を出さないといけないの」
「わかった、何か外で食べてくるよ。ごちそうさま」
 洗面所で軽く歯を磨き、玄関へ向かう。今から出れば丁度いい時間に学校に
着く。

「もーとみーっ、おーっはよー」

 あの気の抜けるような調子はずれの声、フラナだ。相変わらず小学校時代か
ら呼び出し方がちっとも変っていない。微笑ましいのはいいのだが、さすがに
高校生にもなると恥ずかしいものがある。
「じゃ、いってきまーす」
「いってらっしゃい、和ちゃん」
 スニーカーの紐を締め、玄関を後にする。
「おっはよー」
「じゃじゃじゃーん(おはよー)」
 家の前には相変わらず小学生時代から精神、体格ともに変ってないフラナと、
いつものスナフキンの扮装にギターを背負った佐古田の姿があった。
「悪い待たせたな、行こうぜ」
「うんっ!」
「じゃじゃん(行こう〜)」
 こうして、何事もなく一日ははじまった。

**************************************************************
  何事もなく一日が終わるわきゃないんですけどね(笑)

  とりあえず一章です。




    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage