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Date: Tue, 6 Apr 1999 18:26:25 +0900
From: fukanju@trpg.net (Rosei Fukanju)
Subject: [KATARIBE 12513] [HA06][EP] 「ラテン」
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <199904060927.SAA01258@ns.trpg.net>
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ども、不観樹露生@右掌損傷ちう です。
ハリにゃん、ども。
IRCから出来た、美樹のノーパソ修理のお話しです(^^;
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「ラテン」
昼下がり。いつものベーカリー。
珍しく、静かな午後。美樹がいつもの一番奥の席に陣取って、愛
用のノートパソコンと手にしている図書目録とコーヒーの入ったマ
グカップとの間をめまぐるしく行き来しながら何やら作業している。
美樹:「んむ。これでだいじょーぶ……の筈……ですよね……」
独り言。その筈が、同じくベーカリーにたむろっていた前野が、
ふと声をかけてくる。
前野:「随分と調子悪そうですね」
美樹:「はぁ、うちの大学の吹利キャンパスのネットワークの管理
機構がまともに動いてませんでしてね……何時になったら
ちゃんとメンテしてもらえるのやら………」
ふと、吐息。
美樹のノートパソコンから伸びた電源ケーブルは美樹の席の下の
コンセントへと伸びている。前野の視線に気がつく。
美樹:「バッテリがいかれちゃってましてね。電源がないと動かな
いんですよ」
肩をすくめる。
その電源ケーブルも、本体側の根元で銅線をむき出しにして、ね
じって、人間用絆創膏で止めてある。
前野:「これも半田付けしてまき直したらいいだけじゃないですか」
呆れたように。
美樹:「どうも、あの半田ごてってのが苦手でして」
前野:「なんなら、やりましょうか?」
美樹:「あ、すいません、お願いできます?」
前野:「博士の所に遊びに行く所ですから、あそこで借りますよ」
博士の所。その言葉に、わずかに悪い予感が脳裏をよぎる。
美樹:「ありがとうございます。……………あ、電源コード直すだ
けで結構ですので、電源コードに自爆装置とか自走装置と
か人工知能とかはくみこまないでくださいね」
前野:「やだなぁ、私はそんなことをしませんよ(苦笑)」
美樹:「………いえ。博士が組み込まないように見てて欲しいとい
うだけですが」
前野:「善処します」
まぁ、いっか。
美樹:「お願いします」
そう言って、電源コードを外して手渡す。
前野:「最悪コネクタの交換になるんで、ノートの方も貸してもら
えませんか? ジャックが合えば、代用できるものがある
かもしれませんしね」
美樹:「………………(少し考えている)………………ちょっと待
って下さいね。(おもむろにバックアップちう)」
文書ファイルだけなので、その作業はすぐに終わる。
美樹:「なら、こちらもお預けします」
前野に、ノートパソコンを手渡す。
前野:「じゃあ、しっかり補修してお返ししますね」
美樹:「お願いします」
自分のノートパソコンと共にベーカリーの外に消えていった前野
を、美樹はわずかな不安と共に見送った。
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つーことで、前編ですね(汗)
後編は……………どーしよ(^^;
廣瀬瑞樹 Miduki Hirose